10~15坪の居抜き飲食店で排気ダクトと厨房設備を契約前に確認する開業予定者
安さだけで判断せず、契約前に厨房設備と排気経路を確認する。

2026年9月19日から23日までは5連休です。飲食店で働きながら独立を考えている方にとって、普段は後回しになりがちな物件探しや資金計画を整理するよい機会ではないでしょうか。

ただし、居抜き物件の記事を手当たり次第に読んでも、知識が増えるだけで判断は進みません。大切なのは、自分の店の条件を決め、物件を比べ、内見し、契約前に止まるべき理由を確認するという順番です。

この記事では、初めて飲食店を開く方、とくに10~15坪ほどの小さな店を想定し、5日間で「この物件を進めるか、見送るか」を判断するための読み順をまとめました。1日30分でも構いません。記事を読んだら、最後の行動を一つだけ実行してください。

1日目|どんな店なら無理なく続けられるかを決める

最初に探すのは物件ではありません。業種、客単価、営業時間、必要な席数、店主を含む人数、初期投資の上限を決めます。ここが曖昧なまま物件情報を見ると、駅近、広さ、内装の見栄えに判断を引っ張られます。

10坪なら15席前後が一つの目安ですが、席数は売上を保証しません。客席を増やすほど、賃料、人件費、光熱費と移動距離も増えます。まずは「10坪の飲食店がワンオペで利益を残す理由」で、坪月商、人時売上高、追加面積の損益分岐客数を確認してください。立地への思い込みは、「一等地で繁盛できない理由」も参考になります。

今日の行動:「絶対に必要な条件」と「あればよい条件」を3つずつ書き分ける。

2日目|居抜き物件の情報を正しく読む

「居抜き」「造作譲渡」「営業譲渡」は似て見えても、引き継ぐ対象が違います。まず営業譲渡と造作売買の違いと、譲渡と売買の違いを読み、物件資料の言葉を整理しましょう。

次に、募集情報を価格だけで比べないことです。造作代が安くても、使えない厨房機器の撤去や不足設備の工事で高くつくことがあります。造作の適正価格と譲渡相場の調べ方ネット上の居抜き物件情報のカラクリを読み、賃料、造作代、追加工事、開業までの空家賃を一枚の表にします。

今日の行動:候補を3物件に絞り、「契約時まで」「開業時まで」「開業後毎月」の費用に分けて比較する。

3日目|内見では内装より設備容量を見る

前の店が営業していたから、自分の業種でも営業できるとは限りません。寿司、小料理、食堂、イタリアン、焼肉、中華では、必要なガス、水道、電気、排気が違います。

「10~15坪の飲食店で開業を止める4つの設備不足」では、ガスメーターだけでなく供給管、水道口径、通常運転時の電力、排気と給気を確認しています。併せて造作売買の落とし穴と、内装工事見積書の見方を読みましょう。

設備容量の増設は、費用だけでなく工期が問題になります。申込みを急ぐ前に、厨房機器の型番と必要容量を控え、専門業者から追加工事の概算と期間を取ることが重要です。

今日の行動:内見用に「型番・年式・容量・所有者・故障歴・撤去責任」の確認欄を作る。

4日目|契約書に書かれない問題を探す

居抜きでは、賃貸借契約に加えて前テナントとの造作譲渡が絡みます。厨房機器やダクトの状態、消防からの指導、近隣との約束などは、重要事項説明だけでは確認しきれない場合があります。

「消防・深夜営業・ダクト越境の実例3選」では、前テナントが不都合を隠した例と、借り手の思い込みで起きた例を紹介しています。さらに引き渡しトラブルの予防策と、契約にかかる手数料も確認してください。

質問先は一つではありません。建物と賃貸条件は貸主・管理会社、造作と事故歴は前テナント、設備は専門業者、営業の可否は消防署・保健所・警察へ確認します。口頭の「大丈夫」ではなく、書面やメールを残しましょう。

今日の行動:未回答の項目が一つでもあれば、契約日より先に回答期限を決める。

5日目|契約後ではなく、開業後の姿から逆算する

良い物件とは、契約できる物件ではなく、開業後に利益を残し続けられる物件です。リースを使う場合は飲食店開業とリースの基礎を確認し、月額の支払いまで資金繰りへ入れます。

また、開店してから宣伝を考えるのでは遅れます。「年代別・飲食店の探し方とPR方法」を読み、想定客がSNS、Google検索、地図、口コミのどこで店を見つけ、何を確認して来店するのかを決めておきましょう。

今日の行動:「誰に・何を・どこで伝えるか」を一文にし、物件候補の商圏と合っているか確認する。

まとめ|5連休のゴールは、契約ではなく判断基準を持つこと

5日間で決めたいのは、物件そのものではありません。次の5点を自分の言葉で説明できる状態にすることです。

  • 自分の店に必要な広さ、席数、人員
  • 開業までに使える総額と毎月払える賃料
  • 業種に必要なガス、水道、電気、排気
  • 契約前に誰へ何を確認するか
  • 開業後、最初のお客様にどう見つけてもらうか

居抜き物件は、内装や設備を生かせれば開業費用と時間を抑えられます。一方で、合わない設備や見えない問題まで引き継げば、安く見えた物件が最も高い選択になります。

店サポの提案としては、連休明けにすぐ申込みをするのではなく、まず候補物件をこの5項目で採点してみてください。点数が低い理由を一つずつ確認することが、初めての物件選びで最も費用のかからない失敗対策です。

(構成・執筆:著者 / 画像生成・ファクトチェック:AI活用)