飲食店の前でスマートフォンや店頭メニューを確認する10代からシニアまでの来店客

2018年にこの記事を公開した頃、飲食店探しの中心は食べログやぐるなびなどのグルメサイトでした。2026年現在は、SNSで店を知り、Googleで検索し、地図や口コミで確認して予約するというように、複数の媒体を行き来する人が増えています。

2026年5月に一都三県の21~59歳を対象に行われた調査では、飲食店探しに使う情報源は「Google検索」64.7%、「食べログ」43.7%、「Googleマップの飲食店情報」38.3%でした。また、64.3%が複数のサイトを見ながら店を選んでいます。イクシアス株式会社の2026年調査

これからの集客では「どの媒体が一番強いか」ではなく、お客様が店を見つけてから来店するまで、必要な情報が途切れていないかを考える必要があります。

店探しは「発見・確認・行動」の3段階

お客様の行動は、大きく三つに分けられます。

  1. SNS、検索、口コミ、紹介などで店を発見する
  2. 料理、価格、場所、営業時間、店内、評判を確認する
  3. 予約、電話、経路検索などの行動を起こす

Instagramで料理を見ても、Googleマップの営業時間が古ければ来店にはつながりません。口コミの評価が高くても、価格やメニューが分からなければ候補から外れることがあります。

年代別に入口は異なりますが、最後に必要となるのは「この店なら安心して利用できる」と判断できる情報です。

年代別・飲食店の探し方とPR方法

年代 店を見つける主な入口 来店前に確認すること 飲食店側のPR
10代 TikTok、Instagram、YouTube、友人の投稿 価格、量、見た目、友人と利用しやすいか 短い縦動画で看板商品、価格、店内の楽しさを伝える
20代 Instagram、TikTok、Google検索、Googleマップ 口コミ、価格、雰囲気、アクセス、予約方法 SNSから地図、メニュー、予約へ移動できる導線をつくる
ミドル世代 Google検索、Googleマップ、グルメサイト、知人の紹介 利用目的、価格、席、個室、営業時間、予約の可否 会食、家族、ランチなど利用場面ごとの情報を載せる
シニア世代 Google検索、地図、LINE、知人の紹介、店頭 営業時間、電話番号、価格、入口、利用しやすさ 読みやすく正確な店舗情報を整え、電話予約も残す

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください。

年代だけで行動を決めつけることはできません。同じ20代でもGoogleマップだけで探す人はいます。シニア世代にも、YouTubeやLINE、地図アプリを日常的に利用する人がいます。

この表は媒体を限定するものではなく、どこから改善するかを決めるための目安です。

10代・20代には「発見」と「確認」をつなぐ

若い世代は、店名を検索する前に、動画や投稿の流れの中で料理を発見することがあります。

料理が完成する瞬間、焼き上がる音、断面、盛り付けなど、看板商品の特徴が短時間で伝わる内容が効果的です。ただし、映えるだけでは来店につながりません。

動画や写真には価格を入れ、プロフィールからGoogleマップ、メニュー、予約ページへ移動できるようにします。最寄り駅からの道順、一人でも入りやすいか、友人同士で利用できるかといった情報も必要です。

写真では豪華に見えるのに実物が小さい、投稿価格と現在価格が違うというズレは、期待を失望に変えます。SNSと実際の店を一致させることが大切です。

ミドル世代には「目的に合う店か」を伝える

30代から50代は、仕事の昼食、会食、家族との食事、記念日、一人利用など、来店目的が比較的明確です。

雰囲気のよい写真だけでなく、税込み価格、席数、個室、カウンター、子ども連れへの対応、予約の可否など、「失敗せずに選べる情報」が求められます。

「家族で利用できます」だけでなく、ベビーカーで入れる、子ども用の椅子があると具体的に書きます。会食客を呼びたいなら、個室の人数、コース価格、滞在時間を示します。

シニア世代には分かりやすさと安心感を届ける

シニア世代をインターネットを使わない層と考えるのは適切ではありません。一方、情報が小さい、予約方法が複雑、入口が分からないといった不安は来店を妨げます。

Googleマップには外観と入口の写真を載せ、店名、電話番号、営業時間、定休日を正確に登録します。メニューと価格は読みやすくし、電話でも予約できる状態を残します。

常連客にはLINEで休業日や季節メニューを知らせる方法もあります。新しい媒体を増やすより、「営業しているか」「いくらか」「自分でも利用しやすいか」を明確にする方が先です。

口コミへの返信もPRになる

2026年の調査では、口コミの点数を参考にする人は49.3%でしたが、点数への依存度は低下傾向にあります。点数だけでなく、具体的な投稿内容や店舗からの返信も来店判断の材料になっています。

低評価に感情的に反論せず、指摘を確認し、改善内容を簡潔に返信します。その返信は投稿者だけでなく、後から口コミを読む見込み客へのPRでもあります。

小規模店が最初に行う三つのこと

人手の少ない店が、すべてのSNSを毎日更新する必要はありません。

  1. Googleマップの営業時間、電話番号、メニューを最新にする
  2. 呼びたい年代が利用するSNSを一つ選び、看板商品を伝える
  3. SNS、地図、予約ページの情報を一致させる

若い客を呼びたいならInstagramやTikTok、仕事客や家族客ならGoogle検索とGoogleマップ、再来店を増やしたいならLINEというように、目的に合わせて優先順位を決めます。

2026年の飲食店集客で重要なのは、掲載先を増やすことではありません。誰に、どのような場面で利用してほしいのかを決め、店を見つけたお客様を迷わせず、来店まで導くことです。

参考資料