飲食店 居抜き店舗 引渡時に起こるトラブルとその予防策

飲食店 居抜き店舗 引渡時に起こるトラブルとその予防策

大家さんや管理会社さんの中で飲食店舗の居抜き物件をこころよく思わない方の存在があります。なかにはよく分からないからとは全く理解を示されない方もいらっしゃれば、不動産仲間からの失敗談や誇張された噂話に惑わされてそう理解している方まで様々です。

実際この方々に具体例などを挙げて頂きお話を伺ってゆくと、あることが分かってきます。実は大半の方が、風評だけで判断されており、居抜き物件のメリットにはほとんど興味がなくデメリットだけを心配されているというものでした。

今回は、居抜き物件を扱う上で最もポピュラーなトラブルを3つ挙げながら前もって予防するための対策も併せて考えたいと思います。

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1.設備に関するトラブル

排水管詰り。不動の1番です。このように書くと、やっぱり飲食店の居抜きはやめようと考える人が出てくるかもしれません。仮に原状回復工事を行ったとしても原因を取り除かない限り結果は同じです。ではなぜ排水管の詰りが発生するのでしょうか。

本来、洗い物をするシンクと排水管の間には、グリストラップと言って油分や食材の切カスや残飯が流れて行かないようにそれらを濾(こ)す装置がつけられているハズです。このハズと書いたのは、飲食店によってはこれを付けずに営業しているお店もあるからです。

これは下水道局の管轄で、ついていないからと言って保険所も営業許可を出さないかというとそうでもないのでこのような事態になっています。日々流される雑排水の油分やカスが徐々に沈殿して行きある時詰りを生じさせます。

もう一つ原因があります。営業を中止してしばらく居抜きのままで閉店していた店舗に多いのですが、営業中はお湯や水が相当量流れていて平気だったのが、閉店により夏場など排水管内の水が蒸発した際に油分が固着し詰りを引き起こす場合があります。

対策:

居抜きでの明渡しは排水管の高圧洗浄を条件にすれば事態は解決です。価格的にも2~3万円程度です。経験から言っても高圧洗浄車が止められずに離れた場所からの作業でも7万円で済みました。

スケルトンに原状回復することを考えればかなり安く済むので同意は得られやすいでしょう。住宅を明け渡す時にお部屋のクリーニングを条件にする契約がありますが、これと同様に考えればよいのです。

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2.明渡しに関するトラブル

居抜きを勘違いしている人でこういう方が結構いらっしゃいます。それは、掃除も何もせず人だけがいなくなるケースです。また、ちゃんと片付けて行ってくださいと言った言葉を真に受けて、ただゴミ袋に詰め込んで、残置された状態になっているケース等々。

特に後者の場合、悪臭と足の踏み場もないようなケースもあり、大家さんが見かねてご自身の負担でゴミを処理されることもしばしばです。これでは、居抜きなどもってのほかだという評判がたっても仕方ありません。ではどうすればよいのでしょうか。

対策:

もし居抜きで次に入られる方が決まっていれば、必要なものと必要でない物を予め打ち合わせることをお薦めします。併せて、備品リストなどもその場で作成し後日明渡し日に確認できるようにしておけばトラブルになりません。

また、明渡しの状態も文章で取り交わしをしておくことをお薦めします。例えばグリストラップの引渡状態(油分、ゴミを取り除いて洗浄された状態)や先程の排水管は高圧洗浄を済ませた状態、不要なゴミは全て前賃借人が処分した状態など事細かに決めておけば、万が一不備があっても金銭解決できるので大きな問題に発展することはありません。

ここを決めずに引き渡しを行うものですから、当日話が違うと感情的なもつれが発生し最悪契約破棄にまで発展してしまいます。

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3.近隣とのトラブル

排水管の詰りや引渡状態は予め予見できますので前もって取り決めをしておくことでほとんどのトラブルは避けて通れます。こと近隣とのトラブルは目に見えませんので最悪引き継ぐことになります。経験的に言っても問題解決に要する時間、コストが一番かかる厄介な問題です。

具体例でいいますと、

煙、臭い、音、看板、越境等がベスト5です。

個別の状況はさておき、これらに共通する問題とは長期に渡り近隣から出ているクレームを解決せずに今日に至っているという状況です。

この場合居抜きで飲食店舗を手に入れられた方が開店をしてから改めてクレームとして持ち込まれることが殆どです。

当然ですが、そんな話は聞いていなかったということになるのですが、前所有者に改めて問いただすと答えは決まって、「以前は確かにそんなクレームがあったけど、最近は何もなかった」と言われるでしょう。

つまりこういうことです。改善を訴え続けてきた近隣の方がいくら言っても取り合わないので、半ばあきらめていたところに店の所有者が変わり改めてクレームを言いに来たということなのです。

さて、こうなると誰が悪いのかの判断は難しくなります。確実に言えるのは、その問題を引き継いでしまったということです。まさか前所有者同様無視をする訳にもいかないので対策にお金が出て行くことになります。

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対策:

そもそも居抜き店舗を嫌う原因の一つにトラブルの引き継ぎを避けたいという大家さんは多くいらっしゃいます。原状回復工事を行って一度リセットしたいといいます。

逆に居抜きで飲食店舗を手に入れたい方にとって、スケルトンから工事をするのに比べ格段に安い費用で開店出来るとは言え、相当なお金を使ってスタートするわけですから十分な調査をすべきです。

具体的には、両隣の建物に住まわれている方へ契約前にお尋ねしてお話を聞いてみる方法や近くに小売店舗、飲食店など近所付き合いがあったであろうお店にトラブルがなかったかなど聞き込みをされることをお薦めします。

場合によっては、ここ10年どのような人が、どんな店をやってきて、売上がどれぐらいだったかまで聞くことが出来ます。このことを仲介不動産会社にまかせたり、大家さんに聞いてみたりでは実態がよく分からないことの方が多いものです。後で後悔したくなければ是非ご自身で足を運んで聞き取りをして判断してください。

その他で言えば、厨房機器のトラブルがたまにあります。先に上げた3案件に比べれば格段に少ないのですが、お店を見学した際はまだ営業中だったので心配していなかった厨房機器が、引き渡し後に能力不足や故障ですぐに使えなくなったと聞くことがあります。

コールドテーブルや冷凍冷蔵庫などに多くみられる症状です。でもちょっとした知恵でこの故障を防ぐことが出来ます。その知恵とは電源を落とさないことです。これらの厨房機器はコンプレッサーと触媒により庫内を冷やす機能を持っていますが、電源が落ちることで、触媒に含まれる不純物が再起動時に目詰まりの原因となり故障を引き起こすのです。

ちょうど排水管と脂の関係に似ています。厨房機器の方は洗浄という訳に行かないので、常に動かすことでそのリスクを回避します。前の所有者からお店を引き継ぐ際、少々時間があっても電気の契約は切らずに引き継がれることをお薦めします。

今回ここに上げたことを事前に確認し対策を講じるだけで巷に溢れている居抜き物件のトラブルは90%ぐらい解消されるはずです。ホントにです。

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