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【業界人が語る】ネット上に並ぶ飲食店舗居抜き物件の裏側を公開!

飲食店-居抜き物件-ネット

Photo by Assorti

自分のお店を持ちたい、早くから志を持ち準備を進めている方は沢山いらっしゃるとでしょう。そんな方々は賢く「居抜き」と呼ばれる店舗物件でスタートしていらっしゃいます。

この「居抜き」とは本来不動産業界用語で、以前の賃借人や物件所有者が原状回復といってなにもない状態に戻さなければならないところをそのままにして残置していった状態を指します。

リーマンショック前迄は、無償で手に入れることが出来たり逆に今よりも高い金額で内装や厨房機器の譲渡が行われていました。今ではそのニーズの高まりと共に飲食店舗の居抜き店舗を扱うサイトも増えこれから飲食店で開業を目指す皆さんに大いに役立っているのではないでしょうか。

さて、ネット上に増え始めた飲食店舗居抜き物件。ユーザーであるお客様からすると不可解な点が多々あるようです。今回は飲食店居抜き物件を扱うサイトについて本業からみた裏側をお話いたします。

居抜き店舗 とは

Contents

本気で飲食店居抜き店舗を探し始めて感じること

何事もそうですが、モノやコトに対する真剣度、集中力が高まることで気づくことが数多くあります。それは何気なく眺めていた時とは雲泥のさです。

例えば普段何気なく日課のように物件探しをされている方がその良い例です。

自分が本当にお店探しを始めようと思う以前と真剣に探し始めてからでは、同じサイトを見ても違って見えるものです。

また、初めての経験なだけに実際に物件を契約してからようやく不動産の仕組みが理解できたと仰る方も大勢いらっしゃいます。

一様にもっとよく理解していれば違う探し方、違う選択が出来たのにと少々後悔の念がおありのようです。

さて、不動産会社がネット上で公開している物件情報がどのようなもので、なぜ彼らが契約後に後悔をしたのか詳しく解説いたします。

ネットに並ぶ居抜き物件は同じものばかり?

結論から申し上げると、物件数が多く見えても、同じ物件が飲食店の居抜き物件を扱うサイトにいくつも並んでいるのは事実です。

最近は各社物件数の多さを誇ることでサイトの差別化を図ろうとしています。この発想が、他社で出ている物件も自社サイトに公開するようになって行ったのです。

結果どうなったかと言うと各社で掲載する物件の多くが同じ物件となっていったのです。ちょうどコンビニエンスストアーが限られたスペースに売れ筋商品を競って陳列するのと似ています。

結果、新鮮味に欠けることに気づきます。それだけならまだよいのですが、ろくに事実確認もせず掲載する為に間違った情報である場合も日常茶飯事です。

ネットに飲食店居抜き物件を掲載する不動産会社を4つに分類する

さて、ここからが業界人の本領発揮です。

1.他社サイトにある物件を並べるだけのサイト

これは飲食店居抜き物件を専門に扱うポータルサイトのことではありません。

さて、この他社の物件だけを載せるサイトと言うのは少人数で仲介を目的とする不動産業態です。小資本、少人数で直ぐに立ち上げが可能なこの業態、数多くの物件を掲載してアクセス数を競っています。

メリット :ともかく物件数だけは豊富です。

デメリット:自社物件でない分、詳細が不明であったり、実際に物件を見る段になって既に契約が済んでいたり、条件が変更になったりとなにかとトラブルになりがちです。また、営業担当者に電話が繋がりにくいという特徴があります。

2.他社に先駆けて新着情報を掲載するサイト

基本的には前出の他社物件掲載サイトと同じです。ただ彼らは物件数を競いません。なぜなら、物件数を競う為には日々の情報メンテナンスに人手がかかり、多くなれればなるほど負担になるからです。そこで、新鮮な物件だけをどのサイトよりも早く掲載して差別化を図ろうと言うものです。

メリット:早いと言っても他社に掲載されるまでのアドバンテージはせいぜい1日~3日程度ですぐに同様の情報が溢れます。

デメリット:早く掲載することを身上としているため、条件未確定の物件や見込み条件で掲載されることが多く、後になって条件が変更になり落胆することとなります。それ以上に、このやり方で不動産取引業者として大丈夫なのかと心配されることでしょう。

 

3.自社で商品開発し掲載、仲介も同時に行うサイト

比較的安定しているのが、お金をかけて自分たちで飲食店舗居抜き物件を開発している不動産会社です。彼らは、自前のオリジナル物件だけでは数が足りない為、他社の物件もサイト上に掲載しいます。彼らにとってみれば、広く仲介物件を扱うことで居抜き物件を探す見込み客の早期囲い込みも同時に行うことができます。一石二鳥と言うところです。

メリット :自社で開発してきた居抜き物件だけに正確な情報であるとともに条件交渉の判断が早いとうメリットがあります。

デメリット:ネットにアクセスしてくるお客様に対し、住所や連絡先を登録しないと物件の詳細情報を開示しないという手法を採っていることろがほとんどです。これにより、サイトを運営している会社から営業の電話やメールなどが頻繁に届いたりかかってくるようになります。また、会員向けの内覧会と称して複数の検討客を一堂に集めて物件の見学会を数多く開催するのですが、集団心理を煽るようなその雰囲気に焦って契約してしまい後悔しているとの声も聞こえてきます。

4.自社で独自開発した物件のみを掲載するサイト

自社で費用をかけて開発した店舗居抜き物件だけを扱うサイトです。数は限られるものの他社サイトにないオリジナル物件ばかりで、付きあい方次第では優良物件を他の検討客と競うことなく入手することが出来ます。

メリット :物件もシッカリしており優良物件だけを扱う分常に目を凝らしていないといけませんが、事前に探している物件の要望を伝えておけば優先的に声をかけてくれるようです。

デメリット:飲食店居抜き物件の数が少ないことが一番のデメリット。あとは、確実な物件だけに競争も激しく検討にあまり時間がかけられないと言うところです。ただ、大半の不動産業者が先着順に契約を進めるのに対し、内容重視でテナントを決めているところもあり事前によく話を聞いてみる価値は十分にあります。

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同一物件なのにサイトにより条件等が異なる3つの理由

これには大きく3つの理由が存在します。

1.ともかく早く、条件未定のうちにネットに掲載する為

そもそも口コミレベルノの情報を掲載したものです。更にその情報をみた他の不動産業者が真似をして掲載するうちに予定価格のまま拡散するのですが、後日条件が確定しネットに掲載されることで「条件が違う」という状態が生まれるのです。

2.他業者よりも高い条件で大家さんと契約したい

一つの物件について一つの条件が大原則です。ただし、仲介をする不動産会社は次のように考えます。もし同じ条件で大家さんに申込が複数入った場合、自分たちのお客さんが大家さんに選んでもらえる保証はどこにもないと。

ライバルに勝つために少しでも高い条件で集客し大家さんにご紹介することで自分たちが紹介したお客様を選んで頂き手数料を稼ごうという作戦が別価格として市場に出回るのです。この傾向は、マーケットで人気のエリアや居抜き物件に見られます。

3.サブリース業者の転貸条件と元の条件が同時にネットに出ている

最近増えているサブリース会社は、自分たちで借り上げた後に、改めて募集価格を設定して再募集するのが一般的です。その為以前の条件を知る不動産会社が、仲介できると思い確認しないまま掲載する為に二重価格が発生してしまいます。

~まとめ~

最近これらの実態を見るにつけ思うことがあります。星の数ほど存在する不動産会社に免許を交付するのと同様に、ユーザーからの評価制を義務付けてはどうかと思います。

時代にそぐわないやり方で商売をしている会社や会社の利益だけを優先する会社が相当数退場を余儀なくされるのではないかと思います。

なによりユーザーである飲食店を開業されようとしている皆さんが安心してお付き合いできる不動産会社を選ぶよい指標となるからです。

不動産は、物件ありきでお話が進むだけに不動産会社の質は後回しになります。だからこそトラブルが絶えません。同じ居抜き物件が重複して複数のネットにあがっているのであれば、会社の評価を見てどの不動産会社でお世話になろうか決められるということです。国交省に一考願いたいものです。

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