居抜き物件 譲渡相場の調べ方

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Photocredit:VisualHunt

居抜き物件 譲渡相場の調べ方

居抜き店舗の譲渡価格について質問を頂くことが多くあります。2010年頃までは、まだ飲食店の居抜き物件が今ほどポピュラーではなかった為300万円~600万円など高額での取引も珍しくありませんでした。最近では、物件も増え値段が落ち着いてきたせいか100万円前後の物件が増えてきたように思います。

何を買うにしてもなぜその価格になっているのか納得できないと気持ちの悪いものです。これから居抜き物件で飲食店の開業を考えている皆さんにとっても居抜き物件の譲渡価格が形成されている背景を是非知っておいて頂きたいと思います。今回は初めて居抜き物件に触れる方でもわかりやすく居抜き物件譲渡相場について考えて見たいと思います。

譲渡価格の変遷

ソニーが世に送り出したゲーム機械、プレイステーションが発売以来たどって来た販売価格の変遷が居抜き物件の譲渡価格と似たところがあるのでお話ししたいと思います。

1990年代の発売当初は4万円近くしていた本体は現行機器のPS4で3万円前後と性能は飛躍的に向上したにも拘わらず価格は逆に下がっています。これはソニーが考える価格設定の変化によってもたらされています。

当初ソニーは構成する部品の価格を積み上げてトータルの値段として販売価格を設定していました。他社に比べ映像の綺麗さなどアドバンテージがあるうちは消費者に受け入れられていたのですが、性能を向上させるためにより高額なパーツを使用することは逆に消費者離れを招き競争力を失う結果となったのです。これに危機感を抱いたソニーは最初に消費者に受け入れられる価格設定をし、その中で利益が出せる構成に変換したと言います。

居抜き物件の価格についても似たところがあって、高額で取引されていたころは、マーケットに出てくる物件も少なく希少性がありました。この時点での需給バランスは売り手市場で価格設定も売る側が好きに設定していた時代です。値付けの根拠は、スケルトンからオープンまでにかかったイニシャルコストの半額程度といったものです。つまり、内装造作や厨房機器に1500万円かかっているとしたら700万円程で取引されていました。ところが、居抜き店舗の件数が増えて来た昨今は、まだまだ売り手市場とはいえ、物によってはあまり競争力のない物件も出始め、中には値段がつかないものまであります。

現在売り出されている大半の物件は、50万円から高いものでも300万円程の価格帯に収まっています。つまり無理なく変える金額へとシフトしています。中心価格は100万円から150万円の間が一番数が多いでしょう。こうなるとイニシャルコストに対して何割という発想ではなくなっています。

では何が今の譲渡価格を決定つけているのでしょうか。

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譲渡相場の考え方

比較的家賃の高い人気エリア程譲渡価格も高くなる傾向にあります。需給バランスからいえば明らかに供給が少ない売り手市場のバランスが未だに温存されているからです。麻布十番や恵比寿、青山に新橋駅周辺などがあげられます。これに対し同じ都心部でも表通りから一本入っているか、裏通りと呼ばれる通り、また駅から7分(560m)以上離れた場所の立地では中心価格帯かそれ以下の評価にしかなりません。先程の人気エリアに比べ比較的物件が出やすいのと場所を限定しなければもっと良い条件で物件が手に入る可能性があるため譲渡価格を上げてしまうと敬遠されてしまうからです。

譲渡価格の判断

居抜き物件の家賃は、面積の大小よって総額が異なりますので月額家賃での判断は難しいでしょう。今回は、月額家賃を坪数で割った坪単価を用いて考えて見たいと思います。

例えば、月額家賃が30万円、15坪の物件であれば坪単価は@2万円/坪となります。都内の飲食店の場合、

@3万円 ・・・ 一等立地

@2万円 ・・・ 標準立地

@1万5千円 ・・・ 1.5等立地

が大体の目安となります。この坪単価を6倍から10倍した価格が譲渡価格の目安として妥当です。一等地の高いもので300万円程の値が付きます。1.5等立地であれば90万~150万円ぐらいが妥当と言えます。

変動要因

上記の計算でいけば、10坪も20坪もその広さに拘わらず造作の譲渡価格は変わらいということになります。但し、価格を左右する要因をチェックすることで価格が上下します。

・清掃が行き届いていない

・使用年数が10年以上

・厨房機器で故障したものが含まれる

・リース途中のものがあり譲渡時に無くなるものがある(もしくは別途買取費用が発生する)

ここに上げた4つの要因は価格が下がる要因です。リースの残債が残るものが含まれていたりや故障した厨房機器などは譲渡価格以外に費用が発生する為最悪0円ということもあります。また、開店から10年以上経過したものは、設備的に不具合をおこすリスクが高い為やはり開店後の費用がかかることを考えると値段を下げないと売れない可能性があります。

逆に、

・オープンして2年以内

・看板を出す面積が大きい

などの要因は値段を上げられる要素です。立地と業態がマッチすれば、10倍以上の価格で取引されることもザラにあります。

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譲渡価格の調査

今回家賃の坪単価を使って判断の基準を示しました。また、価格の上下を左右するポイントも示しています。しかし、居抜き店舗の造作譲渡価格は内装や厨房機器に対する値段ではないということも同時にご理解ください。つまり、家賃に比例して価格が変動ということは、その物件を手に入れる為に権利金の要素が色濃く残っているということなのです。分かりやすく言えば礼金や敷引きが形を変えて造作譲渡と呼ばれているに過ぎないのです。もっとも、造作譲渡金は大家さんではなく店舗を借りている賃借人に渡るお金というところが賃貸借契約と異なる部分ではあります。ですからそのお金を手にするためには現契約者である造作譲渡の売主は、契約期間中に売り出すことが必須となります。なかには解約予告を出してから売り出す方もいらっしゃいますが、足元を見られて安く買いたたかれるケースが殆どです。

まず、賃料は妥当か、敷金は高くないか、礼金と敷金償却で5ケ月以内かその上で造作価格が坪単価6倍から10倍に収まっているかをすべてチェックし、1つでも想定以上の金額になっている場合は理由を聞き金額交渉を申し入れるなどしましょう。もっとも、@3万円/坪を越える一等地では通用しない可能性がありますが。

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