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【名称が異なり混乱】飲食店居抜き店舗「譲渡」と「売買」の違いを整理し税金まで考える

飲食店-売買-譲渡

premagraphic @ Pixabay

飲食店舗の譲渡と売買の違いは

  • 譲渡とは所有権を移すという意味で、その方法の一つに売買がある
  • 不動産業全体のなかで取引額が小さい為、業界での取引ガイドラインがない
  • 不動産会社ごとに契約書を作成する為複数の名称が生まれた
  • 店舗譲渡の税金・勘定科目を整理する
  • 結局のところ、名称は異なれど譲渡も売買も同じ

大切なのは、所有権が移転する対象物を特定し、引き渡しの状態を予め約束することがこの契約にとって一番重要な部分です。

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飲食店を開業する人たちの間で常識となりつつある居抜き店舗物件ですが、契約書の様式や取引形態がいくつも存在します。ネットで調べて勉強しようと思い立っても名称や呼び名が違うことで何を意味しているのか混乱することが多いと聞きます。

実は種を明かすと呼び名が違うだけで中身は同じなのです。その混乱の最たるものが「譲渡」と「売買」の違いだと言います。

今回は、名称や呼び名が異なる原因を考えながらその内容ついて整理してみたいと思います。

Contents

飲食店居抜き店舗の「譲渡」と「売買」の違いはナニ?

一般的に「譲渡」とは、所有権の移転を指します。その契約形態としては「売買」・「贈与」・「交換」の3種類があります。

これに対し、「売買」とは「当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力が生ずる」(民法555条)と規定されています。ということは、売買とは譲渡の一部だとなります。

仮に代金の伴わない「無償」の場合であったとしても売買ではなく譲渡とタイトルに書いておけば問題ないのです。

飲食店居抜き店舗譲渡契約と飲食店居抜き店舗売買契約の違い

「飲食店居抜き店舗譲渡契約」と「飲食店居抜き店舗売買契約」はなにが違うのかお分かりでしょうか。実は全く同じものです。同じ内容の取引で名称の異なる契約として以下のものがあります。

「造作譲渡契約」、「造作売買契約」、「飲食店舗付属資産譲渡契約」、「飲食店舗付属資産売買契約」などいくつかの名称が存在します。

ではなぜ名称は統一されないのでしょうか。

以下の原因が考えられます。

  • 契約当事者が事業者である
  • 不動産業界内でもあまり知られていない取引
  • 居抜き店舗を扱う不動産会社のこだわり

一つ一つ見ていきましょう。

Photo via Visual hunt

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契約当事者が事業者である

不動産取引でよく耳にするおとり広告に関する規制等は、消費者を対象としており、商売目的で不動産を借りようとする事業者(個人、組織、団体を問わず)はその対象となっていないのです。

借地借家法も事業者にあっては、トラブルが起こったら当事者間で裁判でもなんでもやって解決しなさいと言う趣旨なのです。つまり、契約者である借主はあまり大事にされておらず、自分の身は自分で守りなさいというスタンスです。ゆえに業界団体などが存在せず統一したタイトルや解釈がないのです。つまり当事者間で理解、納得していればよいということで現在の姿になっているのです。以下でさらに詳しく解説します。

店舗譲渡で取り交わす契約書のガイドラインがない?

飲食店の「居抜き」では内装や設備、什器備品の取引に関する契約の名称が数多く存在するのに対し、大家さんから部屋を借りる際の契約は、「賃貸借契約」と相場は決まっています。決して貸室契約や賃貸借貸室契約とはなりません。

これには理由があります。日本全国で日々取り交わされる賃貸借契約。
その仲介をする不動産会社の約90%以上が5人以下の小規模事業所ばかりです。そのような理由から借家を借りる上で、事業所ごとに理解や契約内容に差があっては実際に借りる側の賃借人に不利益をもたらす恐れがあります。

その結果宅地建物取引業法が定められ業界団体が標準契約書を作り全国どこでも同じ契約が出来るよう借手を守ってきたのです。

これに対し、居抜き店舗に関わる契約の件数は圧倒的に少ない為見向きもされません。くわえて土地や建物の売買に比べて取引額も低いため大したトラブルにならないと思われており話題にすらならないようです。つまり、少数派の為に業界はガイドライン作りなどに乗りだす気配は今のところ全くないのが現状です。このことが、いくつもの名称を生むことになったのです。

契約書にみる居抜き店舗を扱う不動産会社のこだわり

居抜き店舗不動産に関わる取引では、不動産会社が独自に書面を作ることになります。これまでの経験を踏まえて作成して行くのですが、扱いの多い不動産会社と経験の浅い不動産会社では明らかに内容に差が出ます。タイトルや内容が大きく異なるのはそうした理由に負うところが大きいのです。

取引経験が豊富な不動産がつくる契約書にはその会社独特の表現や言い回しがあるのですが、これを見た別の不動産会社がその契約書を丸ごと真似をしたり、事情にあわせてマイナーチェンジを繰り返していくものですから収集がつかなくなっているのです。WEBサイトに並ぶ文言も同じような状況といっていいでしょう。少なくとも居抜き店舗物件を数多く扱う不動産会社の契約書は過去のトラブルを踏まえて造り込んであると思われるため比較的安心と言えるのです。

店舗譲渡にかかる税金を考える

居抜き店舗を売却したお金に税金がかかるのか気になるところです。店舗を譲渡した時点でどのような納税手続きをしているかによって金額が変わってきます。個人の事業者の場合であればほとんどが青色申告を利用されていることでしょう。飲食店は基本仕入れが発生するので白色申告を利用されている方はほぼいらっしゃらないと思います。なかには会社組織にされていて税務署で青色申告以外の申告をされている方もいらっしゃることでしょう。

白色申告

もともと仕入れをあまり必要としない事業者、例えばイラストレーターやソフト開発などの事業者向けに簡易型の申告が出来るよう設計されています。この申告方法で売却益が出ると売った金額すべてが課税対象になります。もちろんその他の経費支払いを除いた後の金額となります。但し10万から20万までの少額償却は可能です。

青色申告

考え方としては2通りあります。通常通り、赤字や経費を売却価格から控除したあとの金額が課税対象となります。もう一つが、開店から3年以内の閉店し店舗譲渡を行った場合です。青色申告の場合、お店をオープンする際にかかった費用を三年に渡り利益から控除できる仕組みがあります。もし開店資金に3年未満の利益が達していなければその分を売却金額から控除することが可能です。但し30万円未満の少額償却はこの限りではありません。

青色以外の法人税

法人設立時に税務署に届出をした飲食店で、青色申告を選択しなかった法人の事です。会社として飲食店を運営するにあたりお店を一から造り込んでも居抜きでお買いになっても固定資産や償却資産として税務署に届けることでその後の利益から定額で減価償却として控除が認められます。最初の金額から毎年償却分を引いた金額を簿価といって資産の現在価格としてみなすのですが、店舗売却時にその金額が残っていれば売却価格から簿価を引いた金額が利益となります。

店舗譲渡にかかる消費税について(勘定科目が変わる)

基本半年の売上が1,000万円を超える事業者は消費税の課税事業者扱いとなります。逆に言えば、1,000万円以下であれば免除事業者となる訳です。ご自身のお店がどちらに属するかにより店舗売却時の金額をどの様に仕分けるかが変わってきます。仮に店舗を55万円で売却したとしましょう。課税業者は50万+消費税5万円として計上しますが、免除事業者であれば55万円がまるまる販売額となります。このように勘定科目の仕訳方法が変わりますのでお気をつけ下さい。

店舗譲渡と営業権売買、事業譲渡の違い

平成18年(2006年)に改正された会社法と商法により、「営業権譲渡」という言葉が「事業譲渡」という言葉に変わりました。つまり、営業権譲渡と事業譲渡は同じ意味なのです。そのことを前提に話を進めます。

そもそも営業権は、「営利を目的として結成された財産価値のあるもので、有形無形を問わず企業が所有している利益や企業価値」と規定されておりました。もう少し分かりやすく言えば「のれん代」と言われているものです。名の売れたブランドなどは資産価値以上で取引されています。これを分かりやすく事業売買としたわけで、建物や設備と言ったハードだけでなく、ノウハウや人、お得意先なども含めて引き継ぐことを意味しています。今風に言えばM&Aですね。

これに対し店舗譲渡は、造作や設備と言ったハードの部分だけの売買であり、飲食店が開業している立地が価格を大きく左右します。

従業員への店舗譲渡

飲食店舗譲渡先を第三者に求めることが一般的な取引のように思われますが、実は長年一緒に働いてきた従業員への譲渡というのも数多くあります。現オーナーが引退されるのをきっかけにお店を引き継ぐ訳ですからどちらかと言えば事業譲渡の色合いのほうが濃いです。

実際にあった例では、いきなり現オーナーが引退せず、従業員の方がお店を任された結果の売上からある一定割合を受け取り、事業が安定したところで金融公庫などからお金を借りいれ正式に店舗譲渡完了ということがありました。参考になりましたでしょうか。

居抜き店舗「譲渡」と「売買」の違い~まとめ~

概ね譲渡と売買が同じであることは分かりましたが、金銭の伴わない無償譲渡も所有権を移転させる契約でることが分かりました。その契約に含まれる内装、設備、什器備品などを総称して「造作」と呼ぶ契約もあれば「店舗付属資産」と呼ぶ契約もあります。どちらも間違いではありませんが、これらをひとまとめにして「一式」と書いている契約書には注意が必要です。

あとで必ずトラブルとなります。引き渡しの明細、目録などのリストの添付は必須です。

また、飲食店舗不動産特有の取引形態も存在します。

「営業譲渡」や「権利譲渡」などがそれにあたります。賃貸借を軸に簡単に説明しますと、名義変更など通常の切り替えの際に、その場所で営業が出来る権利を多額のお金で買う若しくは売ることを営業譲渡や権利譲渡と呼びます。銀座や赤坂、歌舞伎町などで今でも商習慣として残っています。これは賃貸借の権利そのものを売ると言う概念です。

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