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【実例付き】飲食店は厨房内の動線を整理・最短化で確実に利益がふえる!

飲食-厨房-動線

Engin_Akyurt / Pixabay

駅前立地に出店をしている飲食店と言えば、皆さんご存知のチェーン店ばかりです。それぞれ業種、業態は違えども共通点があります。「うまい」「安い」は当たり前で一番肝心なのは「早い」ということです。これには二つの意味があります。

まず、注文してすぐに食べられるということは、来店から退店迄の時間が短いということです。つまり時間内の回転数があがりその分利益が出ることを意味します。

この「早い」に関して各社工夫を凝らしています。

センターキッチンで半完成品を作り(飲食店で言う仕込み状態のもの)、最後は店舗内で調理して仕上げて提供するやりかたもあれば、店舗内で本格的に調理する飲食店はオーダーから料理完成までいかに無駄を出さないか厨房内にいくつもの工夫を凝らしています。

今回は、実際に繁盛している飲食店の厨房内のレイアウトや動線を参考にしながら繁盛店の秘密に迫りたいと思います。

Contents

実例①1日来客100人の立ち飲み居酒屋、1人の厨房の例

その繁盛店は、もともと新宿で営業されていた立ち飲み居酒屋です。再開発の立退きに伴い移転先を探されていました。常連のお客さんのことを考えれば、新宿で探すのが一番なのですが、なかなか適当な物件が出てきません。さんざん迷った挙句移転先に決めたのがJR鶴見駅前でした。何故?とお尋ねすると納得のお答えだったのですが、

  • 駅周辺の居酒屋は夕方4時ごろから開店しておりどこもお客様が入っている
  • 工業地帯方から戻ってこられる方の乗り継ぎ駅ということで、安く一杯飲みたいというブルーカラーの人口が極めて多い点
  • 石原裕次郎さんで有名な曹洞宗総本山総持寺があることで、土曜日も日曜日も人が集まってくる点

を挙げておられました。素晴らしいリサーチ力です。

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さて、その立ち飲み店1日に100人は訪れると言います。営業時間が夕方4時から夜12時までの8時間として、1時間に12名以上の方が約10坪のお店で飲み食いをされる計算です。

それをたった一人で切り盛りをするのですから相当な体力が必用と思いきや、ご本人はそうでもないと平気な顔です。ではその秘密に迫りたいと思います。

一歩の無駄もゆるさない厨房内の動線精度

これだけの人をさばく秘密は厨房にありました。2坪程しかない厨房はL字型で壁に面し、一方客席側もL字型でカウンターに面しています。こうすることで、火を使う調理器具のレイアウトを壁側に配置することが出来ます。

カウンター側には、切る、盛りる、洗うというスペースが配置され、そのスペースに挟まれるように冷蔵庫と冷凍ストッカー、対角線上にビール、ハイボウルなどドリンクのサーバーが設置されています。

実際にお店にお邪魔してご主人の動線をながめておりますとあることに気づきます。オーダーから調理、提供、食器洗いまで含めて、厨房センターの立ち位置から「2歩以内」で完結しているのです。

その動作に、カウンター上部から食器を出し入れする動作を加えるとまさにバスケットボールのピポットプレーを彷彿させる動きです。無駄のない考えられた厨房だからこそ、1人で100人をお相手することが可能となりそして疲れないことも同時に実現できるのだと実感しました。

飲食店 お客様の「回転数」をあげる工夫は1分・1席を無駄にしないこと

実例②厨房を見直し16回転を実現する人気店

その飲食店は高田馬場、池袋で伝説となるほど繁盛したチェーン店です。今では海外も含めて500店舗に迫る件数にまで成長しています。

さすがに開業当時の回転率は維持できなくなっていますが、今でも1日で平均16回転ものお客さんがつめかける人気店です。もうお分かりと思いますが、最近女性をターゲットに2階や地下を好んで出店している食事処です。

その原動力となっているのが厨房設計と厨房機器だというから驚きです。

厨房設計を施工業者や厨房機器業者任せにしない

個人で経営する飲食店と異なりチェーン店は30坪から50坪の客席を持つ店舗が多く厨房の広さもそれに比例して10坪から20坪程の広さになります。

厨房の目安としては概ね店舗面積の25%と言われています。

スケルトンから設計する図面をご覧になる機会はあまりないと思いますが、一般的に内装と厨房の設計は別々に発注することがほとんどです。

例えば、内装を施工する工務店は、厨房のスペースを空白にした状態でレイアウト図面を仕上げてきます。次に、その空白のスペースに厨房機器メーカーや代理店が厨房レイアウトを書き入れるという2段構えになっています。

お話を伺うと規格が決まっている厨房機器を必要な種類と個数を厨房内に収めようとするとパズルのようになることがあるそうです。

お分かりのように優先順位は必要機種をスペースに収めることで、本来の作業効率は二の次となっています。

その結果が早く料理を提供できないという現実となって表れてきます。何故か?先程の立ち飲み居酒屋を思い出してください。調理や配膳に無駄な歩数が生まれるということを意味するからです。

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最短動線の為に厨房機器を自社で開発

くだんの飲食店は、あらゆる厨房機器をメーカーと共同で開発をしてきたと言います。例えば

  • 魚を焼くマシンなどは、調理時間を短縮する為に遠赤外線が出るよう改良
  • 動線が交差するデシャップ付近(出来上がった料理を並べる場所)では、盛り付けや小鉢などちょっとした調理が出来る工夫を施す

厨房機器をカスタマイズするのには訳があります。既製品では厨房内での収まりが悪く動線を悪くしてしまうことを防ぐために、最適化された動線から逆算して厨房機器を作る凝りようです。

結果、注文から配膳までの時間を厨房内の動線を最適化することで最短を実現し、1日16回転もつめかけるお客様を待たせない工夫を毎日のように考えているのです。

なぜここまで?と伺うと、定番のメニューであれ新作であれ待たせてしまうと次に来店して下さらなくなるのが一番怖いからという理由でした。

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~まとめ~

駅前立地の1等地と呼ばれる賃料の高い場所に出店するチェーン店。なぜそんな場所で飲食店が成りたつのかを「速さ」の観点から考えて見ると、どの飲食店も注文から料理の提供までの時間が短いことに気づきます。大手ハンバーガーチェーンで「3分以内」と言いますから驚きです。他にも蕎麦、牛丼、カレー、寿司、ラーメン等々どれも早さが売りのファストフードばかりです。その早さゆえに、たとえ薄利であったとしても回転数を上げることで、高い賃料でも利益が確保できるということなのです。

ファストフードにスピードで後れを取る2話目に登場する飲食店チェーンが1階でなく地下1階や2階を選ぶというのは、回転数で劣る分同じ一等地でもやや賃料の安いフロアを選ぶことで利益を出す戦略なのです。

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