飲食店舗にまつわる用語解説 知らないと損する言葉とは

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飲食店舗にまつわる用語解説 知らないと損する言葉とは

不動産業界は昔から言葉を造り出す才能があるようです。例えば地名。マンションデベロッパーは新しい地名を造り出します。中央区新富町を銀座東と呼んでみたり、同じく中央区八丁堀を東八重洲とネーミングするなど勘違いをさせることをよしとする風習があります。

飲食店舗不動産についても例外ではありません。あまり一般的ではない取引であることをいいことに勝手な理解で表現を変えて表示していることもシバシバです。

今回は、飲食店舗不動産の用語について正しい知識を持つことで後悔しない物件選びが出来るよう参考にして頂きたいと思います。

「居抜き」と「残置」はどう違うのか

一番不動産会社がありがちな間違いです。居抜きと残置の区別がつかないのかわざと区別していないのか定かではありません。

「居抜き」とは、飲食店営業に必要な設備つまり内装、電気、給排水、空調、厨房機器、椅子、テーブルなどが揃っており、食材や調理器具、お皿やコップを持ち込めばすぐに開店できる状態の不動産物件のことを指します。

一方「残置」の意味するところはどうでしょうか。一般的に残置と呼ばれる物件の特徴は動かせるもの、厨房機器や椅子、テーブルなどが撤去された後の状態を指します。なかにはエアコン類など高く処分出来る設備を外したものもあります。これでは居抜きと違い食材や調理器具を持ち込んでもお店を開くことは出来ません。

この違いを意識しないお客様に、残置物件を平気で居抜き物件と称して仲介をしようとする不動産会社が後を絶ちません。悪意があるというよりも彼らも二つの違いを説明できないことに起因しているように思います。

もう一つこの違いが分からない為に起こるトラブルがあります。居抜き物件が直前まで営業をしていた状態を引き継ぐのですから、もし不具合があっても事前に分かっていることが多く引き継いだ後に大きなトラブルになることはありません。これに対し残置物件の場合はよほど立地がよいか賃料が安い物件でなければ長期間空室になっていることが多くあります。仮にエアコンが据え付けてあっても冷媒が抜けてしまっていて機械自体は動くのですが全く冷えも温まりもしないということがよくあります。また、長い間空室になっていた飲食店舗は、排水管の中の水が蒸発していることが多く、そのことにより流れずに溜まっていた排水管内の脂分が固まってしまい詰りを引き起こすことが往々にしてあります。当然ですが、飲食店舗物件をあまり扱わない不動産会社がそのようなことを知るはずもありませんから、契約を結んでしまってから不具合に気が付き結局自分で高いお金を払って修理することになるのです。エアコンに関していえば必ず30分以上運転してみてちゃんと設定どおりの風が出てくるか確認をしましょう。排水管に関しては、引き渡しの前に高圧洗浄を大家さんにやって頂く交渉をするか、契約後3ヶ月以内に詰りが発生した場合の対応を大家さんにして頂くかどちらかを条件として契約するようにしましょう。

飲食店閉店 居抜き店舗明渡し時の注意点

「居抜き物件」と「リース店舗」はなにが違うのか

リース店舗はもとをたどるとクラブの居抜き店舗が始まりだといいます。赤坂や銀座にソシアルビルと呼ばれる建物が数多くあります。一見華やかな世界も残っていくお店はごく一握りです。契約書通りにその度に原状回復工事をするうちに次にクラブを出す人の負担があまりにも大きくなり借手がいなくなってしまったのです。そこで考え出されたのがリース店舗です。業態ごとに内装が著しく異なる飲食店舗と違い、クラブやバーの形態はほぼどこも同じ雰囲気です。厨房設備も大して必要ありません。そこで建物の大家さんは壁紙や床のカーペットを張り替え内装付きの物件を通常の家賃よりを高い家賃をとって貸すことを考え付いたのです。借りる側からすれば、最初のイニシャルを抑えることで開業しやすくなったことと、水商売の性格上、日銭は入ってきますから少々高い賃料でも支払い能力はあったということです。また、お店をやめる時も原状回復義務がないのも借りる方としては安心材料です。

営業譲渡と飲食店舗付属資産譲渡の違い

標題に掲げたこの言葉は不動産会社によって呼び名が異なる場合があります。営業譲渡は営業権譲渡と呼ぶことがあります。また、飲食店舗付属資産譲渡(内装設備、厨房機器、什器備品などの総称)については、造作譲渡契約や造作売買と呼ぶ不動産会社があります。同じ売買でも中身は相当違います。

まず、営業譲渡はもともと契約名義の変更からきています。契約自体を引き継ぐ契約変更なので、契約期間の残存期間を引き継ぎます。それだけならただの名義変更と変わらないのですが、その新旧賃借人の間で賃借権の変更にあたり売買代金のやりとりが発生するようなケースを営業譲渡と呼びます。

バブルがはじける前、このようなケースでは貸主となっている大家さんに一銭も入らない為、名義変更とは別に営業譲渡と呼び売買代金の10%~30%を承諾料の名目で徴収していました。

似た呼び名で営業権譲渡と呼ばれるものがあります。仕組みは営業譲渡と全く同じですが、営業権譲渡の方は従業員や取引先なども含めて会社丸ごとの譲渡を指します。

次に、飲食店舗付属資産譲渡についてですが、営業譲渡が賃貸借契約と店舗付属資産の双方を同時に売買する手法に対し、こちらは賃貸借契約を新たな賃借人と大家さんで結び、その契約対象物件内にある内装・厨房機器・什器の譲渡契約を新賃借人と旧賃借人との間で結ぶという違いがあります。

どちらも大家さん、建物を管理している不動産会社の承諾がないと成立しませんが、関係者が多いのと状態や権利関係を整理する必要から分飲食店舗付属資産譲渡の方がより専門知識をもった不動産会社をパートナーに選ぶ必要があります。

転貸なのか業務委託なのか

転貸借を嫌う大家さんは多くいらっしゃいます。権利が複雑になりトラブルが起こりがちだと勝手に思い込んでいます。(現実にはそうではないのですが)この場合業務委託という解決策があります。飲食店舗の名義は変えずに、その飲食店舗での経営を第三者に任せてしまうやり方です。俗に言う「雇われ店主」です。一般的には、家賃は業務受託者が負担し売り上げの何%かを業務委託料の名目で徴収する方法です。転貸借とは異なりますので業態や内装の大掛かりな変更がなければ特別届け出は必要ありません。ただかなりグレーな方法です。新橋や神田など古くから飲食店舗が立ち並ぶエリアで今なお存在しています。

契約名義が法人であった場合では、法人売買による権利移動の手法があります。この場合は、大家さんに代表者変更届を出す必要があります。

売買にせよ引き継ぐにせよ気をつけたいのはリース物品の存在です。売主が残債を整理しないうちに契約をしてしまったがためにリース物品をリース会社が引き上げていってしまったという話を聞きます。もし残せたとしても残債を引き継ぐことになります。また法人売買により店舗を取得される方も同様でその法人に隠れた債務がないかよく調べないと高い買い物になります。

どの取引形態であってもそれを扱う不動産会社に経験や知識が乏しいことでトラブルが発生します。マンションやオフィスを借りる場合と異なりまだまだ特殊な契約として扱われる飲食店舗にまつわる契約。不動産会社任せでなく物件をお求めになる方が勉強することで自己防衛がまだまだ必要です。

飲食店舗 こんな不動産仲介会社 とは付き合うな

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