閉店する飲食店の共通点 中期売上計画がない

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閉店する飲食店の共通点 中期売上計画がない

お店のオープン1周年祝いを持って訪れた時のことです。ご挨拶の言葉も終わらないうちにこう切り出されました。

「儲かっているのか、儲かっていないのか正直わからない。」

その日は週末ということもありお店はお客様で賑わっていました。
こちらは、謙遜のお言葉と受け取り通り一遍の受け答えをして帰って来たのですが、同じ思いを感じながらお店を続けている方が大勢いらっしゃるのではないかと考えるようになりました。今回は、ある基準をお持ちいただくことでメリハリのある店舗運営がして頂けるよう考えて見たいと思います。

儲かりの基準

「儲かりまっか?」「ボチボチでんな。」関西商人の挨拶を表す典型として知られています。聞かれた方は、順調に儲かっていると言うニュアンスです。

これが東京に来るとどうでしょうか。
「お店の売上はどうですか?」「なんとかやってます。」関西と同じトーンのようにも聞こえますが、いささか苦しいというニュアンスが混じります。
もしボチボチを東京で表現するなら「お陰様でなんとか順調です。」となるでしょう。

さて、儲かっているか否か、順調か否かの分かれ目はどこにあるのでしょうか。この問いかけは、あなたは幸せですかという問いに似ています。
つまり人それぞれ基準があり何をもって幸せかどうか異なるように、人によって儲かっているかそうでないかの基準も違うということです。
とはいえ、まがいなりにも黒字が続いているなら儲かってる証拠だろうとも言えますが、2店舗目、3店舗目をすぐに出そうと考えていたとすれば儲かっている基準は格段に違ってくると思います。では、儲かりの基準はどのようなものなのでしょうか。

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中期売上計画の作成

儲かる、幸せだと思う基準は十人十色、千差万別と申し上げました。
であるならば何をもって儲かっているか、どこまで行けば幸せなのかをご自身で決めればいいだけの話しです。
これから飲食店を始めようという方には是非中期売上計画をロードマップとして活用いただき、飲食店経営が順調なのかそうでないのか、儲かっているのかそうでないのかを知る材料にして頂きたいのです。
もちろん現在すでに飲食店舗を開業なさっている方々にも今からでも遅くありませんので活用していただければと思います。

Step1.事業計画の策定

初めて飲食店を始められる方にとってスタートは出て行くお金が重要です。家賃や人件費などの固定費に材料費、諸経費などお金が出て行く項目と数字を拾い出し、次に月の売上を計算します。

「客単価×客席数×稼働率×回転数×稼働日」

売上はこの式で求めるのが一般的ですが、注意すべき点があります。

ランチと夜の営業で客単価が異なります。例えば、ランチは客単価850円、夜は客単価3,000円などがいい例です。

また、客席数と稼働率の関係も重要です。4人掛けのテーブルに常に4人が座るとは限りません。カウンターに10席あったとしても、2名様が3組で間に1席ずつを挟めばそれだけで8席となり、あとはお一人様席となります。
週末などは詰めてお座り頂くことでご理解を得られると思いますが、ウィークデイは致し方ないと思います。つまり14席でも11席しか埋まらないので満室の稼働率は80%ということになります。

回転数は曜日により差が出ます。天気によっても差が出ます。週末は当然お客様が多いと見込めますが、週初めの月曜日や火曜日はあまり期待できないと考えたなら、標準日を作り平均的なお客様の入りを想定して、週末は何割増しとするか、週の前半は逆に何割ダウンと見るか予想します。
また、ここで立地との兼ね合いも考えなければなりません。駅から離れている場所であれば、雨の日のランチや夜の営業は晴れた日に比べ客足は落ちることを考慮に入れなければなりません。なぜなら、東京の降雨日は年間で110日程度もあるのです。つまり3~4日に一度は雨が降ると想定しておかないといけません。

Step2.原価計算

Step1では月の売上を求めましたが、飲食店を運営して行く上でこれでは不十分です。
なぜならいくら売り上げが上がっても料理の原価が高ければ利益つまり儲けは出ないからです。
一般的に言われる人件費と原材料のコストの合計が全体の売上に対して60%~65%に収まっていることが望ましいと言われています。
メニューの数を欲張りすぎて廃棄となる食材が増えない工夫や看板商品のバリエーションなどを増やすことで原価を抑えるメニュー作りが重要です。売り上げを伸ばす作戦を練る上でこの原価計算は欠かせません。美味しいだけでは利益は出ないと思ってください。

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Step3.中期売上計画の策定

売上と原価計算で導き出される利益つまり儲けは、飲食店を始める前の計画段階でどの時点を指すものなのかをはっきりさせるべきです。
どういうことかと言えば、オープン当初から計画通りに売り上げが上がるというのは極々限られたお店であって、例えばスタート時は計画の70%、半年後には100%のような想定をするべきなのです。
仮に3ヶ月後には軌道に乗り想定通りの売上が出たとしましょう。
その後は、ずっと同じ売上と利益で推移するのでしょうか?逆に想定した売上が甘かったせいで売上が全然伸びないということも十分考えられます。

中期売上計画とは事業計画でたてた売り上げに到達する日にくわえ、1年後の売り上げアップ、2年後の売上、3年後の売上と想定し、どのような工夫をすべきか予め想定をしながら日々改善をすることが重要なのです。
その為には売り上げたメニュー分析をもとに売れないメニューの削除や、原価率の低い商品をもっと投入する必要が出てきます。原価構成の見直しは利益を増やすだけでなく、たどり着くべき場所(数字)に導く重要な指標です。ここから知恵も工夫も生まれます。

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日々、仕込みと営業の繰り返しだと目標を見失いがちになります。
今月は売上多かった。今月は目標に達しなかったというだけでは、お客様任せの営業となります。
自分で決めた儲けの基準に対して売り上げが達成したのか利益は出たのかなど毎月を振り返りながら来月に向け手を打っていかないと冒頭の様に自分のお店が置かれた位置が分からなくなってしまいます。

閉店をするお店の多くがこの事業計画、原価計算、中期売上計画を持っていないと言われています。
昭和の時代のように、出て行くお金と入って来るお金の差額が儲けの様な日銭商売では今の飲食店は成り立たなくなっています。
飲食店を開業されようとしている皆さんにとって中期売上計画が全てのスタートなのです。

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