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飲食店がオーバーポーションと食材ロスを無くして利益を出す具体的な5つのポイント

飲食店-オーバーポーション-食材ロス-利益

jacquisosa @ Pixabay

飲食店が利益を出す方法とは?

  1. 毎日食材の棚卸しをする
  2. レシピの作成をする
  3. 廃棄ロスを無くす
  4. オーバーポーションを無くす
  5. 賄いロスを無くす

勘や経験に頼るよりもこの5つの見える化が重要です。

長年の試行錯誤の上出来上がる銘店の味が、インスタント食品や冷凍食品の世界で再現できる技術が開発されています。これを便利と見るのか味気ないと感じるのかは人それぞれですが、この技術が材料費の無駄をなくすことに一役買っていると聞けば興味がわいてきます。

今回は、これまで調理の現場で語られてきた材料費の無駄をなくす話に昨今取りざたされている加工食品の話を交えることで利益が出せないか検証してみたいと思います。

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Contents

1.飲食店は食材を毎日棚卸しする

夜お客様がお帰りになった後、お店では二つの作業が始まります。一つは「清掃や後片付け」、もう一つはお店に残っている材料の確認作業です。一般的に「棚卸し」と呼びます。

さて、この棚卸し、なぜ必要なのでしょうか。二つの意味があります。

一つは、「正確な残量を把握することで、翌営業日に必要な材料の発注量を知る為」です。もう一つは、「残った材料の状態を把握する」ことにあります。

万が一消費期限を過ぎていたとしたら廃棄する必要があります。食中毒など不測の事態を避けるためにも重要な作業です。

ここで漠然と棚卸しを行って、見落としたり、チェックミスが発生して翌日のオーダーに答えきれないなどの事態を避けるためにもいくつかの工夫が必要です。

  1. 材料を収納している棚には毎回決まった材料を収納する
  2. 棚ごとや冷蔵庫、フリーザーごとの棚卸し表を作成し素早く確認できるようにする
  3. 毎回同じ担当が棚卸しを受け持つもとでミスが無くなる
  4. 容器に入っているものは容器ごと重さを測るなど工夫をする

2.レシピの作成で余分な発注をなくす

棚卸しが終了し残った材料が分かったところで新しい材料の発注となるのですが、オーナーが全て切り盛りするお店等では、大体の目安となる材料の量が分かっていて残りとの差分を発注すれば大丈夫ということもあるでしょう。

ここでは、経験値から発注量を決めるのではなく以下の部分を加味して発注量を決めたいと思います。

まず、提供する料理のレシピを作り翌営業日にどの料理がどれだけ出そうか予想し、レシピに想定数を掛け合わせた分で必要な材料の量を決めます

これが出来るようになれば、貸し切りや団体客の予約が入っても慌てず人数分を過不足なく仕入れることが可能になります。

また、予測の精度が上がってくれば、翌日の天候や曜日ごとの予測が立てられるようになり余分な材料発注が減ります。

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3.オーバーポーションのロスを無くす

簡単に言えば、作り過ぎの事です。次から次へと舞い込むオーダー。一つ一つ丁寧に作るのですが、つい慣れで目分量の調理となりがちです。料理人の心意気として、出来上がりのボリュームが少ないよりも少々多い方が喜ばれるだろうとの心理が働きがちです。

この小さなロスが1ヶ月、1年単位でみると大きなロスとなるのです。

こちらもレシピの登場です。決められた材料の量で正確に調理して行くことが利益を生むために重要です。

ファミレスチェーン店で器に盛り付けたご飯の量を計量器で測って確かめている姿は伊達ではないのです。継続した取り組みと日々のチェックが必要です。

4.食品材料のロスを無くす

廃棄ロスを無くす

廃棄ロスと聞くと単純に消費期限が過ぎた物を捨てるイメージが強いと思います。これを防ぐために「先入れ先出し」つまり、先に買い求めた材料から先に調理することが必用です。

それと同時に必要以上に仕入れないことが徹底されるべきです。その意味でも前段のレシピの作成や売上予想は重要です。

もう一つの廃棄ロスがあります。

例えば牛肉の塊を購入した際、牛脂やスジなど料理に必要ない部位を取り除くと最初の状態から10~20%ほど少なくなってしまいます。この取り除いた部位が廃棄ロスにあたります。

当然材料費は正味量が少なくなった分だけ割高になります。本来捨てられてきた部位をアイデアで別の料理やスープを採るための出汁として利用すれば廃棄ロスは抑えられます。

毎日材料の棚卸しと並行して廃棄をする材料についてのチェックも重要な作業です。その際、廃棄食材の一覧表を作成しておき廃棄になる確率が高い食材を割出し、仕入れ量や再利用できるメニューについて必ず検討をしましょう。

まかないロスを無くす

お店を任せている場合などこのまかないで使用される材料が問題となるケースがあります。

本来、賞味期限が過ぎ消費期限前の材料や調理途中で作り過ぎてしまったものをまかないに活用するなど発想と腕の見せ所です。

スタッフのお腹を満たすものですが、高い食材を使用したり、新鮮な材料から使ってしまったりとお店ごとにルールを設けないと隠れたロスとなってしまいます。

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5.冷凍食品、調理済み加工食品の活用

特に洋食やエスニック料理のお店向けに、大手食品加工会社や食材卸会社からプライベート食品など数多くの加工済み食材が提案されています。

家庭向けに売られているようなただ揚げるだけで提供できる加工品、レンジでチンするだけの加工品、かつては手間ひまかけて造っていたソースなど様々な種類が日々登場しています。

本来調理人が材料から手間ひまかけて仕込み作って来たものがなぜ加工品にとって代わられてきたのでしょうか。

  1. 調理時間の短縮
  2. 加工食品=廃棄ロスゼロ
  3. 料理人の人材不足(給料の高騰)・経験不足

この3つが大きな理由ですが、食材料だけを卸すよりも利幅が大きくなるプライベート食品は卸会社が考え出した儲かりの品でもあるのです。

まとめ

昔ながらの味を守る老舗は、時間と材料の廃棄ロス分も含めて若干値段設定が高めのお店が多いように思います。でもそれが普通です。

海外の工場で大量に作られた加工品を安いからと言ってありがたがって食べているようでは、日本の食文化の未来が心配でなりません。

ここはまずレシピを作成し人の手で廃棄ロスを減らせば、食品卸会社や大手食品加工会社に搾取されている分を自分たちの利益として取り返すことが出来ます。是非取り組むべき課題ではないでしょうか。

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