飲食店 本当に必要な電気容量 は?

設備容量と使用電力の関係

真夏に、エアコンを3台運転していてドライヤーをつけたところでブレーカーが落ちてしまった経験ありませんか?もしくは冬場、エアコンとドライヤーをつけている時に電子レンジのスイッチを入れた瞬間だとか。

契約電力以上に電流が流れると、自動的に回路を遮断する役割をブレーカーが果たしています。この日常的な光景が、設備容量と使用電力の関係を見るうえで重要なポイントとなります。今回は、飲食店で必用とされる電気容量契約について実例をもとに検証したいと思います。

なぜ契約電力に違いが?

ブレーカーがなぜ必要なのか考えたことがありますか?もちろん契約した以上の電流(過電流)が流れてショートサーキットを起こし、発火などの事故につながらないようにする安全装置であることは間違いありません。しかしながら、家庭用だけでも10A(アンペア)から60Aの7段階に分けられている意味は説明がつかないように思いますます。実はここに電力会社の大きな思惑が働いているのです。

ご存知のように、水力、火力、原子力であれ一度作り出した電気は溜めおきすることが出来ません。当然造り過ぎれば無駄なコストがかかり経営を圧迫します。かといって不足となると電圧が下がり、会社でもご自宅でもコンピュータの電源が落ちて大変な騒ぎとなります。だから電力会社は、7段階もの区分分けをし、時間帯や季節に応じてどれぐらいの電気を作らなければならないかを綿密に予想して電気を作っているのです。

ところで、夏の盛り8月の上旬、甲子園で高校野球が行われている午後2時頃に一年中で一番電気需要が発生すると言われています。一方、冬の夜などはその電力の半分以下まで需要は落ち込むと言います。電力会社は夏のピーク時にあわせて設備投資を行う為、夜は設備の能力が余ってしまいます。この為深夜電力という夜間割引を行い、稼働率アップに努めているのです。

電気製品とアンペアの関係

東京電力のホームページに面白いコーナーがあります。題して「でんきシュミレーション 我が家のアンペアチェック」なるものです。これは、家中にある家電製品(コンセントから電気の供給を受けて作動するもの)を入力して、一体どれだけの電気契約をすればよいのかをチェックする為のものです。一度ご自宅を想定して試してみて下さい。

「でんきシュミレーション 我が家のアンペアチェック」

ご家庭で一度にどれだけの器具を使うかが契約アンペアを選ぶ際のポイントになります。お客さまの適切なご契約アンペアをチェックしてみましょう!

ほとんどの方が、積み上げ結果と実際の契約電力とのかい離に驚かれると思います。ここでは単に 電気設備容量 を積み上げているだけで、すべての家電製品のスイッチを一斉に「ON」にした際の状態でどうなのかという計算にすぎません。つまり、ありえない状態でのチェックなのです。

電子レンジにエアコンにドラヤーを常時同時に使用することはありません。そもそも、家電製品を買いそろえる時に契約アンペアを気にして購入する人など皆無のはずです。また、発熱量が大きな電化製品は昨今省エネ型に改良されており、以前の電化製品の考え方ではなくなってきています。そのいい例がエアコンです。

最近のインバーターエアコンであれば、スイッチを入れて直ぐの時の消費電力とお部屋が十分想定温度になっている時の消費電では格段の差があります。前者を100とすれば後者は60ぐらいです。余談ですが、少し前まではエアコンはこまめに電源をOFFにした方が電気を節約できたのですが、最近はあまりON/OFFはせずに運転する方が電気代は安上がりとなるようです。

なぜならインバーターは、最初にフルパワーで温度を一気に調整し、あとはその温度を維持するようセットされているためだからです。その為消費電力に格段の差が生じるのです。昔のように同じ温度を出し続ける時代のものと違うのです。実は同じようなことが、TVやパソコンなどにも共通しています。現実に、一度にスイッチを入れなければブレーカーは落ちないとよく言われる所以はこのあたりなのです。

症状から考える対策

1:特定の回路ブレーカーがよく落ちる場合

一般的に飲食店舗の分電盤は、主幹(親)ブレーカーと言って、外からの送電を遮断するブレーカーと親ブレーカーの先に複数ぶら下がっている分岐(子)ブレーカーの2種類に分かれています。ここでは親ブレーカーではなく、子ブレーカーが度々落ちるケースを考えます。

まず考えられるのは、その回路に複数の家電製品が繋がっており、稼働率も高い器具であろうと思われます。電子レンジに単体のIHヒーターを同じ回路で使用しているとか、食洗器とエアコンが同じ回路だとかいろいろな組み合わせが考えられます。その回路が度々落ちるからと言って契約アンペアをあげる必要はありません。この場合、電流が多く流れる製品を同じ回路で使っていることが原因なのでどちらか一方を別の回路に差し替えれば問題は解決です。

2:親ブレーカーが度々落ちる場合

これは、子ブレーカーが落ちるのと違い、全体の電気が足りていないことを意味しますので契約アンペアをあげる必要があります。例えば、30Aだったのを50Aにあげると言うことです。但し、その場合の基本料金は月額858円から1,430円に7割近く値上がりします。もっとも使用した電気代は変わりません。後からやっぱり40Aで十分だったと分かっても一度変更した電気契約は1年間となり、1年後でなければ変更できませんので注意が必要です。

因みに、よほどの大掛かりな工事が伴わなければ、ブレーカーの交換工事は電力会社の負担で工事してもらえます。

知らないと本当に損する 電気設備

まとめ

2016年4月から電力の自由化がスタートします。これまで地域に一つ電力会社があり、選択の余地なくそこから電気を買わざるを得ませんでした。これが複数の会社から電気を買うことが可能となりました。商社、電鉄会社、製鉄会社、ガス会社などなど、旅行会社というのもあり、多種多様のセット料金となっています。

その光景は、NTTが独占していた長距離電話が自由化され、何社もの電話会社が出来たころと同じです。いずれ数社に統合されてゆくものと思われます。仮にそうだとしても単純に考えて、飲食店舗ならガス会社のセット料金で一番メリットがありそうですがどうなのでしょうか。参考までに、ラーメンチェーン幸楽苑は新電力契約と照明をLEDに切り替えたことで年間1億8,000万円の削減効果が出たと報じれれています。この機会に経費の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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