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【保存版】まかないは経費?ご存じですか!意外と知らない飲食店で認められる経費のこと

飲食店-経費-まかない

Wow_Pho / Pixabay

「マルサの女」という映画がありました。脱税をした個人や企業を税務査察する捜査官の話です。公開当時バブルということもあり大ヒットした映画の一つです。

最近の国税庁は摘発の様子をネットで公開するようになりました。脱税した現金や金塊などの隠し場所にくわえその手口までも次々と明かしてゆきます。

この効果は、真似をすればバレてしまうことを暗に示しています。ゆえに脱税の抑止効果が絶大であると毎年公開されているようです。

さて、自営業による経費の水増し=脱税と言ったイメージが抜けないなかで、飲食店は経費をどのように仕分けしているのでしょうか。

これから飲食店を開業されたいという方からは、こういった経費に関する質問をお受けすることがあります。今回は、少々細かい話ですが経費について整理をしたいと思います。

Contents

飲食店の経費について原則を確認

よく勘違いされるのが、領収書さえあれば経費として認めてもらえるとお考えの方が相当いらっしゃいます。全くのNOではありませんが、ガイドラインとして知っておいて頂きたいことが2つあります。

  1. 飲食店を営む上で必要な費用であるかどうか
  2. 社会一般的にみて妥当な金額であるかどうか

この二つの視点が重要です。あえてもう一つあげるとすると、「良心に照らし合わせて恥ずかしくないものである」かということです。この説明の前提には個人事業と法人の経費に関する違いを説明する必要があります。

まず、法人が企業活動として計上する費用は基本すべて経費として扱われます。これに対し個人事業は事業と生活の切り分けの観点からどうしても制限があります。

当然法人化する方が多いのですが、だからと言って何でもかんでもOKかといえばそうではありません。

個人的な支出などは認められません。ですので「良心に照らし合せて」という一文が登場するのです。

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飲食店の経費仕訳を理解する4つの項目

飲食店の経費を大きく分けると4つの項目に分けることが出来ます。

  1. 料理を作ることに関するもの
  2. お店を動かす人に関するもの
  3. お店をオープンする不動産に関するもの
  4. 借入金や返済などの運転資金、税金などお金に関するもの

では順番に見て行きましょう。

1.料理にかかわる経費

  • 仕入れ・・・食材や販売用として仕入れた商品の代金など
  • 水光熱費・・・電気・ガス・水道料金
  • 燃料費・・・テーブルコンロのガスや七輪用の炭など
  • サービス費・・・有線放送やケーブルTV代、テーブルのお花やおしぼり代など
  • 衛生費・・・クリーニング代、洗剤や殺虫剤購入費など衛生上必要とおもわれるもの
  • 消耗費・・・割りばしやペーパータオル、包装紙や紙袋などサービスと共になくなるもの
  • 広告宣伝費・・・ホームページ製作費、チラシやショップカード製作費、グルメサイト掲載費など
  • 荷造運賃・・・商品を通販する際の段ボール箱代や運送会社への運送費など
  • 通信費・・・電話代やインターネットのプロバイダー費

2.人についての経費

  • 給料賃金・・・従業員への給料、ボーナス、退職金など
  • 交通費・・・従業員が通勤の為に支出する交通費
  • 福利厚生費・・・事業主の負担する健康保険・労災保険・雇用保険、慰安行事

3.不動産に関する経費

  • 地代家賃・・・お店を開くために借りた土地なら地代、建物なら賃料
  • 修繕費・・・お店の手直しや修理などにかかった費用
  • 火災・損害保険料・・・建物や厨房機器にかける火災保険料に食中毒に備える保険料など
  • 減価償却費・・・厨房機器や高額な内装費を一定の期間に分けて経費として計上

4.お金に関する経費

  • 利子割引料・・・借入れた事業資金の支払い利息
  • 租税公課・・・固定資産税、事業税、印紙税など

無数に存在するのではと思われる経費も4つに区分けをするとスッキリします。当然ここにあてはまらないものも必ず出てきます。そんな時は「雑費」という項目を設けてひとくくりにしておきましょう。

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さて、飲食店の「まかない」は経費か

結論から申し上げるとある条件を満たしていれば経費として処理できます。その条件とは次の2点です。

  1. 役員、従業員が食事代の半分以上を負担している
  2. 支給したまかないの会社負担額が1ヶ月あたり3,500円以下であること

例えば、まかない1回を300円だとしましょう。まず双方で折半していれば第一の条件はクリアとなります。つまり従業員はまかない1食あたり150円を負担すればいいわけです。

次に会社の負担に制限があります。3,500円を150円で割れば 23.3回 です。つまりその従業員は1月に23回までまかないを食べてもいいということになります。このような計算でまかないを出せば福利厚生費として経費計上できます。

逆に全くお構いなしにまかないを出していたとしたらどうなるでしょう。税務署の調査如何では会社から従業員に対する「現物支給の給与」として扱われるかもしれませんから注意が必要です。

最近の求人サイトを見てみるとまかないの出る店でアルバイトを探すという項目まであります。まかないは食べることに目を奪われがちですが、若い料理人にとってまかないを作る意味は腕を磨く修行の一部でもあります。是非経理のルールを知って適切に処理をお願いします。

~まとめ~

飲食店の売上に対する食材と労働に関する経費の割合をFL比率と呼び経営の指標とされています。概ね55%~60%とされています。

最近では、ここに賃借料などの家賃を加えてFLR比率と呼び新たな指標となっています。この根拠は、飲食店の賃料が売上に対して何パーセントぐらいが妥当かという議論の中から出てきたのですが、概ね10%というのが一般的に語られるようになっています。

従いまして双方をあわせたFLR比率は65%~70%ぐらいが妥当だということになります。

大きくこの3つの経費が経営に関する重要な要素であるのは間違いありません。対売上で利益を10%程に見てもまだ20%程の経費が残ります。飲食店経営では、細々とした経費をいかにコントロールするかで残って行く利益が大きく変わって行くということを数字で網羅的に管理してゆくことが大事なのだと覚えてください。

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