繁盛する飲食店舗の共通点  その6【メニューブック】

繁盛する飲食店の共通点  その6【メニューブック】

初めて入った居酒屋で何を見て注文すべきか迷った経験はありませんか。目の前にある木製のお品書きなのかカウンターや壁に掛けてある(貼ってある)短冊スタイルのメニューなのか、はたまた黒板に書いてある今日のおススメなのか。私は迷わず注文を取りに来た店員さんに人気料理を伺うようにしています。このメニューに関して意外と規則性があって、例えばメニューブックに相当するお品書きには定番の料理が載せてあり中には牡蠣や鱧(ハモ)といった季節限定のオススメなどが並びます。黒板にはその日入荷した新鮮な素材を使った料理や日替わりで出す品々が並んでいます。かたやエスニック料理を出す飲食店は写真にイラストをふんだんに盛り込み御客様が何を注文してよいのか迷わない工夫をしています。究極は大手のファミリーレストランでしょう。綺麗な写真にアレルギー物質表示。ご丁寧にカロリー表示まであります。至れり尽くせりです。また、レギュラーのメニューブックに加えキャンペーン中の料理ブックにデザートだけのメニューブックなど一度にいくつも渡されどれを見ていいのか迷う始末です。

飲食店によっては、一見無造作に作られているようにも見えるメニューブックですが実は隠されたノウハウが詰まっています。今回はこのメニューブックを営業ツールとして活用する方法を考えて見たいと思います。

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メニューと客単価の関係

居酒屋、寿司、喫茶店、食堂、そば、うどんなどメニューの表示に共通点があります。そもそもどこのお店でも似たようなメニュー構成の為メニューブックを置かずに壁にメニューを貼っているお店が多いという点です。大抵このスタイルの飲食店は学生街や商店街の中にあってリーズナブルな価格設定のところが多いものです。ところが、同じ業種のお店が銀座、青山、丸の内あたりになるとお店の規模も格段に大きくなり高級店の装いで営業しています。

こちらは、壁にメニューを貼るお店はほぼ皆無です。メニューが壁からメニューブックに移りお客様が手元で選べるスタイルになると客単価は一気に上昇するようです。その最たるものが銀座の寿司ではないでしょうか。一貫数千円の握りでお客様を唸らせます。(もちろん味でですが)こうなると店の中を見渡してももはやメニューブックなど存在しません。

もし、そのような意識がないままにメニューの表示を無造作に決めていたなら、表示方法によってお客様からの評価が下り、知らず知らずのうちにその客単価のお客様しか来店されなくなっているのではないでしょうか。そうなるといくら店側が利益率の高い商品に誘導しようとしても見向きもされません。

メニューブックの基本

表紙を付ける、素材を選ぶ

アルバムを開ける時の軽いワクワク感や成績表を開ける時のドキドキ感など人はその表紙の中に隠された内容に思いを馳せ気分が高揚するものです。メニューブックにも同じことがいえます。中身を想像させる手触りの素材や表装デザインが鍵となります。もちろんカジュアルさを出す目的で作られた1枚物のメニューカードや木製の物などよく考えた末の選択であればいいのですが、何処かのお店で見かけたスタイルのパクリであったり、道具街で安易に見つけたものであるなら改善の余地は大いにありです。

とは言え、余りにも高級なものやお店の料理イメージとかけ離れたものは避けるべきでしょう。重要なポイントがもう一つ。多くの方が手にされるメニューブック、当然ですが汚れますし傷みが早いものです。折角いい素材を使っているのにビニールの厚いカバーをかけるのは興ざめです。ここはメニューブック自体が消耗品と考え、定期的に新しいものに更新されることをお薦めします。

中身の素材

意外とメニューブックはハードな環境で見られることがあります。水にぬれたり、テーブル以外の場所に置かれたり、何人もの人に繰り返し開かれたり消耗著しいものです。必然的に直ぐに破れてしまうような素材や直ぐに手垢で汚れるような素材は避けるべきです。少々厚手の素材で紙素材などしわになりにくいものを選んだ方が無難です。

メニューの載せかた

メニューブックと客単価の関わりでもう一つ顕著な傾向があります。客単価が高くなるほどメニューブックが大きくなるという事実です。(ファミレスは一旦脇に置いておいて)

つまりある程度の客単価をねらうならそこそこ大きめのメニューブックを作るべきです。特に盛り付けや料理そのものの良さを伝える為に写真をふんだんに使いたいのであれば是非チャレンジしてみて下さい。お店側の意図がお客様に十分伝わると思います。

たまに店側で撮った写真をメニューブックに張り付けているものを見かけます。新しいうちはとても好感がもてるのですが、少しくたびれてくると逆にみすぼらしくなってしまいます。ここは金額を惜しまずにプロに写真を撮って頂きましょう。仕上がりのシズル感が格段に違ってきます。またその素材はウェブサイトなどにも活用できますのでかかる費用は結果高くありません。

あえてメニューの載せかたと表現したのは、メニューブックが情報ではなくお客様に対するプレゼン資料だととらえるべきだからです。いかに見やすくまた興味を引く工夫がなされているかを検証する必要があります。そこを意識するかしないかで格段の差が生まれます。

飲食店舗 繁盛店の メニュー について考える

メニューブックの表現方法

定番料理以外にも是非食べて欲しいサイドメニューが飲食店には存在します。例えば原価の何倍にも売ることが出来る商品がそれにあたります。分かりやすく言えば、牛丼店の味噌汁におしんこがこれに相当します。問題はサイドメニューだけにブックの中では端に追いやられている場合が多く目立たないのが悩みの種でしょう。そこを表現力で「こだわりの逸品」に押し上げるのです。

例えば料理名の前にいくつかのこだわりフレーズを付けて見ます。

「メッセージ」「ヘルシー志向」「産地」「量・大きさ」などです。ではコロッケを例にしてフレーズをつけて見ましょう

・「洋食屋さんが手間ひまかけたコロッケ」・・・メッセージ

・「オレイン酸パワーのヘルシーコロッケ」・・・ヘルシー志向

・「北海道とアンガス牛のコラボコロッケ」・・・産地

・「ワラジコロッケ」・・・量・大きさ

単にコロッケと表記するだけなら価格で選んでもらうしかないのですが、1日限定で10個、1個500円とすれば物珍しさも手伝って注文は入るはずです。

このように、期間や個数を限る料理に人気は出やすく、写真写りのいい料理であればSNSなどで拡散され、それを見たお客様が訪れる循環を生みます。

全ての料理にこだわりとネーミングを付けるよりは、お店が売りたい利益率の高い料理に限って表現されることをお薦めします。でないと逆にどれも目立たなくなります。お気を付けください。

究極のメニューブック

冒頭で銀座の寿司店の話を書きましたが、究極のメニューブックとはコミュニケーション力です。同じようにBarのバーテンダーさんや料理よりも高いワインをお客様に薦めるソムリエなど彼らはメニューがなくともお客様が今欲しがってるもの、つまりお客様自身も気が付いていない要求(ウォンツ)を見事に会話のなかから引き出します。卓抜した知識と経験がお客様の心に響き注文へと誘います。

もし、今よりも一段上の価格帯で集客を目指すなら、メニューブックの刷新と注文を取る店員さんのコミュニケーション力向上から手を付けるべきとなります。

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