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店サポインタビュー企画【未来食堂×アソルティ】 女性経営者が経験した飲食店の起業~その①~

Summary-まとめ-

  • 未来食堂とは
  • 飲食店で開業する前に克服すべきこと
  • 飲食店を始めるのに立地は重要ですか?

今回は、店サポ初のインタビュー企画となります。お話を伺いましたのは、ブログ、書籍、報道など各方面で話題となっている未来食堂の店主小林せかいさん(以下、せかいさん)です。

ことの発端は、とある新聞のコラムで、せかいさんのお話を拝読し、非常に明快で分かりやすく、店サポをご覧の読者の方にとって参考になる話が伺えるのではないかと思い面談を申し入れた次第です。このお願いを快く受けて頂き、実際にお邪魔してお話を伺ううちにインタビュー企画へと発展したというものです。

インタビューの時間は約1時間、10項目を超える質問をさせていただきました。店サポではこれを3回に分けてお届けしたいと思います。

如何に女性経営者が起業を目指し、安定期までこぎつけたのか彼女の言葉がこれから飲食店で起業をされる皆様のヒントになれば幸いです。

Contents

未来食堂とは

東京都千代田区一ツ橋にある未来食堂は広さが8坪程、席数12席の小さな定食屋さんです。2015年9月オープンするのですが、オープン前からせかいさんが書くブログが話題となり、そのユニークな運営方法から開店後瞬く間に有名となり各メディアに取り上げられています。

未来食堂のストロングポイントは3つ
  • 一日一種類のメニューしか出さない定食屋(ただし毎日変わります)
  • 一回50分お店を手伝えば一食無料で食べられる(「まかない」システム)
  • 定食を食べた後、もう一品というお客様に食材、味付け、調理方法など好みに応じた料理を出す(「あつらえ」システム)

これらの特徴をご紹介するだけで店サポ3回分が終了するほどのボリュームとなりますので、今回はインタビュー内容を中心に構成したいと思います。

もっともっと知りたいという方には、今回店サポで参考にさせて頂いた著書

「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」太田出版

「やりたいことがある人は 未来食堂に来てください」祥伝社

をお読みいただくと一層理解が深まるものと思います。

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□飲食店で開業する前に克服すべきこと

未来食堂では、メニューが一日に一種類のスタイルやお客様が少し食べたらない時に、お店にある食材を開示してその時お客様が食べたい一品を提供する「あつらえ」で特徴を打ち出されています。この発想を店主のせかいさんは著書の中でこう語っています。

未来食堂が考える美味しさとは、店主のオススメやその日入った良い素材に左右されるのではなく、お客様ご自身の希望に沿った注文ができること。それがほんとうの“おいしさ”だと。

このような発想で飲食店を始められたせかいさんに、飲食店開業時の取り組みや心構えについて思うところを伺いました。

未来食堂にまかないという立場で修業に来られている一人の女性を例に次の様に語っています。

その方は30年以上主婦をやってこられた60代の女性です。60歳を過ぎてもんじゃ焼き屋を始めたいと言う理由で未来食堂に修行に来られています。ある時、なぜもんじゃ焼きなの?と聞いたところ、「料理が上手にできないから」という理由とともに「だって、もんじゃ焼きはお客様が料理するじゃないですか」との返事だったの。

もんじゃ焼きが好きで飲食店を始めるならまだしも、料理が出来ないからと言って、選択肢がもんじゃ焼きでは自分から心にブレーキをかけているのと同じじゃないですか。

もし、これから飲食店を始めようというのであれば、そんな心のブレーキを取り除くことが先決でしょう。最初から心に穴の開いた状態で飲食店にチャレンジするんじゃなくて、まず自分の逃げを無くすことから始めるべきです。と語って頂きました。

未来食堂にまかないとして訪れた多くの飲食店起業家の卵たちを見てこられたせかいさんだから語れる本質のように感じました。

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□飲食店を始めるのに立地は重要ですか?

未来食堂が入居されている千代田区一ツ橋にあるビルは、繁華街からは離れており、周辺オフィスのランチ需要のみと思われる場所で尚且つ地下1階にあります。夜の営業や土曜日の営業は定食屋としてはチョット厳しい立地の様に思える場所で起業されたせかいさん、立地への評価基準はどのようにお持ちだったのか伺いました。

長野県に「わざわざ」というパン屋さん( http://waza2.com/about )が人気なのを知ってますか?ものすごく不便な場所にも拘わらず人気を集めているのには秘密があってSNSを意識的に使っているからなの。その例で言えば立地はさほど重要ではないと思うの。以前と違い飲食店の魅力を個人でも公に向けて訴求しやすい環境となっているでしょう。いい例が、これまで食べログのようなグルメサイトは決まった内容(サイトの決めたフォーマット)でしか魅力を打ち出すことが出来なかったのが、ブログにしてもフェイスブックにしても自分軸で公開できるところが分かりやすくて一番大きいと思うの。

未来食堂も東京にあるといえども地下1階、オフィス街立地で決して恵まれた場所とは言えないものの、なんとか流行っているのは、多くのメディアの取材や口コミのお陰なんですよね。

そうお答えいただきながらも、“地方から見れば、なにいってんだと怒られるかもね”とクスッと笑った後に、口を開いた一言が印象的でした。

 

“多分ですけどね、人通りの多さや人目につく目立つ場所を飲食店の立地に求めるのは、飲食店を始める時の自信の無さの裏返しだと思うわ。”

未来食堂店主小林せかいさんとのインタビュー企画、第一回目は飲食店を起業しようとしている皆さんに向けての開店前の心構えと立地に関するせかいさんのメッセージをお伝えしました。

さて、毎日メニューを変える未来食堂、繁盛の秘密がここにも隠されています。次回はその秘密に迫ります。また、せかいさんが参考にされているWebサイトやこれまで読んで参考になった本などについてお答えいただきました。ご期待ください。

小林せかいさんプロフィール

経歴:東京工業大学 理学部数学科卒業、日本IBM、クックパッドのエンジニアとして6年勤務。サイゼリア、大戸屋、オリジン弁当などで修業を積み2015年秋未来食堂をオープン。

ご自身の生い立ちから、「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」という理念のもと、美味しいものを提供するお店ではなく、「その人にとっておいしい料理を提供する」をコンセプトに、これまでの価値消費型の飲食店とは対極にある飲食店を運営中です。

小林せかいさん

未来食堂

アクセス :千代田区一ツ橋2-6-2 日本橋教育会館B1

HP URL: http://miraishokudo.com/

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