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飲食店開業 女性独立奮闘記にみる事前準備の重要性と先輩のアドバイス

飲食店-脱サラ-女性

StockSnap @ Pixabay

いつもお世話になっている管理会社の社長から電話が入りました。知り合いが飲食店を始めるので相談に乗ってやって欲しいとの内容です。

時間を決めてお会いした方は飲食店の経験のない女性でした。既に飲食店舗用に不動産を借りた後でこれから内装の相談をしたいとのことです。それなら工務店さんが本職ではありませんかと伺ったところお店のイメージはあるもののアイデアが豊富にあってまとめ切れていないとのこと。

どうやらくだんの社長は自分の手に負えなくなって電話をしてきたのでした。まずは腰を据えてお話を伺うことにしました。

今回は、お客様の頭の中を整理しながら脱サラ開業への準備に何が必用なのか考えてゆきます。

Contents

飲食店、独立の芽生え

美味しいものが好き、食べることが一番幸せ等々キッカケはいろいろとあろうかと思います。でもそれだけで脱サラしようとは思わないはずです。そこには強烈な原体験があっただとか、人知れず趣味の域で腕を磨いてきたなどの背景があるはずです。

実はこの部分が強くシッカリしていないと飲食店経営という荒波を乗り越えては行けないのです。

では彼女はどうだったのか?その質問にはこう答えてくれました。

もともと海外での生活経験があり、日本食の繊細さをもっと海外の方にも伝えたいと考えていたようです。また、現地の料理もあまり口に合わなかったようです。日本に戻ってからもその思いは消えなかったと言います。

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飲食店で独立を決断。そのキッカケは

お勤め先はとある商社、やはりここでも海外の方に接することが多かったと言います。帰国後お花やお茶といった花嫁修業をするうちに益々その思いは強くなり、折しもコロナが第5類に移行したのをうけ、本格的に飲食店を始める覚悟を決めたと語ってくれました。

飲食店の業種はどのように決めた?

人により業種決定のプロセスは異なります。それまで修行をしてきた業種で開業される方が殆どかと思いますが、彼女のようにこれから始めるにあたりフリーハンドに決めるという方もなかにはいらっしゃいます。

まず、今やろうとしている業種を思いついた経緯を聞かせてもらいました。

最初に日本文化を伝える上で一番分かりやすく、味についても受け入れられやすい物は何かと考えたそうです。

寿司、懐石料理など外国でも名の通ったものが浮かんだそうです。ただ料理をする職人さんのあてもなく早々に断念することに。

それを踏まえて同じ観点からすき焼き、しゃぶしゃぶはどうかとなったそうですが、肉の管理やスライサーなどの扱いを考えると自分の手に負えないとこれも断念。

特別な技術や機械などが必要なくて日本を強くイメージできるものは他にないかと悩んだ末に「甘味」にたどり着いたそうです。

日本を訪れる観光客が好んで買い求めるお土産の中に抹茶を使ったお菓子が数多く含まれているのは御存じだと思いますが、まさに抹茶やあんこ、寒天などを使った甘味屋だったのです。

飲食店開業経験者に話を聞く

飲食店を始めるのは初めての経験です。なにから手を付けていいのか分かりません。これまでの様に勉強するところから始めようと飲食店開業ノウハウ本を買いあさりすべて読破したそうです。ただ、いろいろと知識は増えるわりに実感が湧かなかったといいます。

そこで友人の知り合いをたどって飲食店を数店舗経営なさっている方にお話を聞くことができたそうです。どんな内容だったかをお聞きしたのですが、聞いたというよりその経営者から質問攻めにあったといいます。

また業種の甘味屋についてとやかく言われたのではなく事業計画の考え方と作り方を教わったそうです。

それまで安易に考えていた売上予測や仕入れについてあまりにも希望的観測であったと気付かされた語ってくれました。

一番強く言われたのが人の手配です。アルバイトなどすぐに見つからない現状と入れ替わりが多いことなど人で苦労する覚悟を強く教えられたといいます。

経験者の話はチャンスがあれば必ず伺った方が良いと言っていました。確かにその通りだと思います。

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飲食店開業に向けた物件情報取集

飲食店での独立、開業を意識し始めた頃からいくつかのWebサイトで物件探しを始めたそうです。チョットいいなと思うと賃料が高かったり、綺麗な居抜き物件だと思うと希望の場所から外れていたりとスグに見つかるものではないと悟ったそうです。

また、複数のサイトを毎日見比べていると同じ物件が複数サイトに掲載されていることに気づいたと言っていました。

今年の春以降、物件を借りるつもりで真剣に検索をしていたところこれはというものが出て来たそうです。それまで実際に居抜き物件を見に行くということはなかったそうですが、初めて見たその居抜き店舗に一目ぼれしたそうです。

仲介をしてくれた不動産会社の話では、他にも2件ほど申し込みが入っていて今申込まないと無くなってしまうと言われ、よく考えずに賃貸の申込をしたと話してくれました。

結果はあっさりと彼女が借りられることになったそうです。そもそも他に申込があったのかどうかは疑問の残るところです。

開業がゴールではなくてその先にある思い

話が進む中でこんな質問をしました。

「開業して順調にお店が運営出来た後はどうするのですか?」

彼女の回答は意外なものでした。

飲食店で独立、開業を志したキッカケが日本食を海外の人に紹介したいというものだった訳ですが、そこを一歩進めて来日する外国人に向けてのコト消費つまり日本を体験できるスペースも設けてこの甘味屋と合体させるところにあると話してくれました。実は今借りたお店はそのための修行の場でもあったようです。

脱サラに必要な開業資金の考え方

これから退職をして開業準備に入ると言っていましたが、今回の開業資金は全て自分が貯めたお金で賄うとの事です。

空前の低金利の時代に自己資金ですべてをやらなくても日本政策金融公庫などから借り入れをしても返済は7年の長期で返せるわけだから勿体ないと話したところ、借入は考えたものの、もし失敗しても誰にも迷惑が掛からないからという理由と、最初の店が上手くいって、体験スペースを併設した甘味屋をオープンさせる際に借り入れは行うのだとの明確な答えが返ってきました。

~まとめ~

今回の件に限らず、脱サラされる方々はいろいろとやりたいことが多くあって限られた資金の中で何を選択し、なにを諦めるのかなかなか決められずに悩んでいらっしゃいます。

そういう時は一体自分は何がやりたかったのか書き出すのが一番の方法です。もしくは、脱サラや開業経験のある方に順番に質問をしてもらいそれに答えるやり方でもずいぶんと整理がされるものです。

忘れていたことや、知らなかったこと、自分自身の希望的観測で立てた計画などいろんなものが見えてきます。本来ならここに登場する彼女も物件を借りる前に済ませておくべきことなのですが、まだ取り返しはつきます。

一旦頭の整理が出来れば、開店日までにやらなければいけないことを余すことなく書き出し、いつまで完了させるのかカレンダーに落とし込んで見える化しましょうと伝えました。

多分あれもこれもと気ばかり焦っていたのが嘘のように落ち着いて開業準備が出来るようになります。だまされたと思って実行してみてください。効果テキメンです。

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