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業者で違う居抜き店舗手数料を徹底解説!具体例で売買(造作譲渡)マルわかり

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不動産の賃貸仲介をする場合や売買をする場合、宅地建物取引業法により不動産会社がお客様から頂く成功報酬料は予め決められています。

通常の不動産取引ならこの法律に沿って進めればよいのですが、
飲食店などの「居抜き店舗売却」(別名:造作譲渡)の場合は宅建業法ではなく別の法律に準拠した取引となります。
今回は飲食店の居抜き店舗売却、造作譲渡時に発生する手数料について正しく理解する為に今一度整理をしてみたいと思います。

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Contents

売買・造作譲渡の対象となる居抜き店舗の定義

  • 飲食店などテナント利用していたままの状態で貸し出されている賃貸物件
  • 電気や空調設備がそのまま残っておりすぐに使用できる
  • 間仕切りやカウンターなど内装造作がそのまま残っている
  • 冷凍冷蔵庫、コンロ、食洗器、コールドテーブル等、厨房設備が残っている
  • テーブルや家具などの什器備品がそのまま残っている

すぐに営業できる状態で貸し出もしくは売買される不動産物件のことを指します

【これで十分】居抜き店舗 とは? 居抜きの意味

飲食店の居抜き店舗売買(造作譲渡)の性質

飲食店の居抜き店舗では売買(造作譲渡)の場合、基本的には賃貸物件で取引されています。土地建物の売買が出来るほどの資金力があれば、わざわざ居抜きでなくてもスケルトンから造られることでしょう。

従って、大家さんとの賃貸借契約以外に、飲食店舗の現所有者さん( 飲食店居抜き店舗の売主)と の間で 飲食店舗資産の売買契約(造作譲渡)を結ぶ必要があります。

飲食店の居抜き店舗売買の賃貸借契約は未整備

飲食に携わっている方の間では居抜き店舗売買と呼ばれる取引はポピュラーになりつつありますが、一般的にはまだまだマイナーな取引です。それ故居抜き店舗の造作売買に関するガイドラインやルールは現在未整備のままです。

それぞれの不動産会社ごとに自主ルールを決めて仲介料を徴収しているというのが現状です。その額についても基準がなく不動産会社の言うままというのが現状です。

次に、2000年前後から自然発生的に始まった飲食店居抜き店舗売買(造作譲渡)の実例を見ながら今後のあり方を考えて見たいと思います。

飲食店居抜き店舗売買(造作譲渡)に関する法律

飲食店を開業をした後に売りに出される中古品なので「古物営業法」のしばりを受けることになります。
あまり聞きなれない法律かもしれませんが戦後まもなく施行されています。

古物営業法
古物営業法(こぶつえいぎょうほう、昭和24年5月28日法律第108号)は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的として制定された法律である

古物営業法 – Wikipedia 

古物営業法とはもともと盗品を取り締まる法律で、中古の物品を扱う場合所轄の警察署から許可を得る必要があります。

取り扱う物品が盗品だと判断された場合に警察に届けさせることを目的に中古品を扱う商売関係者を許可制にしたのです。

飲食店居抜き店舗売買の場合、売買対象となる 飲食店舗のうち、造り付けである内装はその対象になりません。一方厨房機器や椅子、テーブルなどの什器備品は古物営業法の対象となります。

この違いはなんだと思いますか?

実は持ち運びが出来るか出来ないかで判断します。

飲食店舗の造作売買 たった10日で売れる仕組みとは

飲食店の居抜き店舗は古物扱い

つまり持ち運びが出来るものは盗むことが出来るだろうという発想です。
変に納得してしまいます。
ただ、宅地建物取引業法のように仲介をするという発想がなかったのか報酬額についての規定はなく、自由に設定することができるようになっています。

余談ですが、テレビ東京で人気の鑑定番組は念のため古物営業法の認可を受けたと聞いています。飲食店居抜き店舗物件の売買・造作譲渡に関わる不動産会社はこの古物商の許可を受けている必要があります。

飲食店居抜き店舗売買(造作譲渡)を扱う不動産会とは

飲食店を居抜き店舗として売買(造作譲渡)する不動産会社は大きく分けて2つのグループに分けることが出来ます。

①サブリースグループ

一つ目は、自社で飲食店が閉店をする情報を集め、サブリース(不動産会社が一度自分たちが借主となって大家さんから 飲食店舗を借上げ、再度飲食店舗を賃借希望者に転貸する方式)方式などにより貸し出すグループ。

その際閉店を希望する現在のテナントから内装造作や厨房機器などを予め買い付けます。

このグループの特徴は、閉店物件を仕入れる為に独自の広告や宣伝を行いコストがかかっていますが、通常彼らが買取をする場合、お店を手放す売り手の手数料は不要の場合がほとんどです。

飲食店 造作売買の流れ 問い合わせから引き渡しまで

②仲介グループ(※ 手数料方式)

二つ目は、一般に公開されている 飲食店舗売却情報をもとに、ネットなどで集客した飲食店舗購入希望者に賃貸と売買を同時に仲介をしているグループ。

仲介がメインで、造作代金がゼロの場合は仲介手数料のみの場合が多く、仮に造作代金が発生する場合は、代金の4%程度を請求しています。
中には自社で仕入れた飲食店居抜き店舗物件情報を持っていて、独自の売買手数料で仲介を行っている会社もあります。

飲食店居抜き店舗取引形態別手数料

多少複雑になりますが、飲食店居抜き店舗の売買(造作譲渡)はおおむね3つのパターンに分けることが出来ます。それぞれかかる手数料の額が変わりますので整理したいと思います。

パターン1:不動産賃貸型仲介による居抜き店舗取引

売主:手数料支払いナシ ※他社で募集依頼が出来ないように「専任媒介」の拘束条項あり

買主:賃料1ヶ月相当分支払う (宅建業法に基づく仲介手数料 と別)

こちらは買い手に負担が掛かるため、買い手探しに時間を要してしまいます。
スピーディーに 売却 するには向かない手法です

パターン2:一般的居抜き店舗取引

売主:30万円または 飲食店 売買金額の10%のいずれか支払い

買主:手数料支払いナシ

最も一般的なパターンです。こちらは売り手に負担が掛かりますが、
その 手数料分を売買価格に上乗せして募集すれば売り手の持ち出しが無いのが特徴です。

こちらのパターンでは、下記のように一律金額の会社もあります。

売主:一律50万円

買主:なし

パターン3:買主は不動産賃貸型仲介・売主は一般居抜き店舗取引

売主:30万円または 飲食店 売買金額の10%のいずれか

買主:賃料1ヶ月相当分 (宅建業法に基づく仲介手数料と別)

こちらは売り手、買い手ともに高額な費用負担が掛かるため、あまりお勧めできません。
両者ともに費用がかかるうえに、売却までの時間が非常に長くなってしまいます。

仲介方式のパターン1、パターン3に共通するのが、買主(借り手)が賃貸借契約の仲介手数料以外に請求されている賃料1ヶ月相当額です。
名目は「情報提供料」とか「広告・企画料」などの名目です。これらは宅建業法とは全く関係ない手数料です。本来は法的には支払う根拠は何もありません。
でもこれを払わないと物件が手に入らないということなので皆さん疑問に感じながらも渋々支払っています。
賃貸借に関わる手数料以外の金額は、飲食店舗取得コストとしてひとくくりにする方がシンプルで納得しやすいかもしれません。

参考記事

飲食店 知らないと損する 「未公開物件」の落とし穴

飲食店居抜き店舗物件の情報公開方法

手数料以外に物件情報公開方法についても違いがあります。コストをかけている不動産会社のほとんどは、自社のWEBサイトのみの集客を行っています。ですから、他の不動産会社が関与しないクローズな営業スタイルです。

物件によっては成約まで大変時間がかかる場合があります。
その他各社それぞれに自社のWEBサイトを持ち合わせていますが、まずは自社のみで公開し、反響が少ない様であれば徐々に一般公開へと切り替えているようです。

本来、不動産取引の世界では、「専任専属媒介契約」(依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができない契約のこと)、
もしくは「専任媒介契約」(依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができない契約ですが、依頼者が自ら見つけた相手方と売買することはできる契約)を 飲食店舗売却依頼者と結んだ場合、国土交通省が指定している「レインズ」(不動産会社のみが検索できるデータベース)に登録する義務があるのですが、彼らは敢えてそこには登録せずにアンダーグラウンドで流通させています。

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飲食店居抜き店舗売買(造作譲渡)手数料の今後

物件の出現数に対して物件を探している方の数が圧倒的に多い分少しでも良い情報を欲しいと思う気持ちに付け込んだのがこの手数料だと思います。

今は大きなトラブルもなく売買されている飲食店の居抜き店舗物件ですが、引き渡し時のトラブルや引き渡し後のトラブルが多発するようであれば国も動かざるを得ないでしょう。仮に国土交通省が居抜き店舗物件を登録制にする通達を出したとしたら、売買手数料の相場は一気に均一となるでしょう。

そうならずとも業界団体が音頭をとって勉強会から始めて、ガイドラインを作成し周知をすることが、結果飲食店居抜き店舗の情報量増加につながり、1件当たりの収入は減るかもしれないものの取引数が増えることで全体の収益底上げにつながると信じております。

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