今より売り上げを伸ばしたい。だけど何から手を付けてよいのかとお悩みの事業主様が多かろうと思います。
例えばお金をかけて宣伝をするのがいいのか、はたまた新しいメニューを考え出せばいいのか迷われていることと思います。
店の規模も業態も異なる飲食店に向けて同様の方法を論じるのはいささか無理があります。
100の飲食店があれば悩みも解決策も100通りある訳です。
今回は敢えて大まかに飲食店の経営状態を3つのパターンに分けて利益を出す改善点を考えて見たいと思います。少しでもヒントになれば幸いです。
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飲食店の状態を知るにはまず利益率の計算から
経済産業省のデータによると、飲食店の営業利益率は平均で8.6%と報告されています。業界で目標値とされているのは10〜18%程度と言われてはいるものの、ほとんどの飲食店が達成困難であるというのが現実です。
営業利益、営業利益率はともに以下のように算出されますが、
営業利益=「売上高-コスト」
営業利益率=「営業利益÷売上高×100」
売上高(=席数×満席率×客席稼働回数×客単価)を伸ばし、食材原価や人件費、水道光熱費や販売促進費などの変動費と賃料やリース料である固定費をいかに下げるかがポイントとなってきます。
飲食店の利益を伸ばす3つのパターン
売上を伸ばすために「もっと美味しい料理を作りましょう」というのはあまりにも失礼な話です。同様に、「仕入れを安くしましょう」というのも乱暴な話です。では残る大きな要素をいかに検討するかにかかってきます。
- 原価率
- 労働力
- 回転数
が主な要素です。
この3要素を使い「赤字の飲食店」「売上トントンの飲食店」「増店を考えたい飲食店」の飲食店で利益を出す取り組みを考えて見ます。
〇赤字の飲食店を救う方法
まず赤字であるということは、入ってくるお金よりも出て行くお金の方が多いということです。赤字の飲食店はシンプルに「出(いずる)を制す」です。
賃 料
緊急度合いにもよりますが、切羽詰まっている場合は恥も外聞もかまっていられません!
もし家賃の値下げがお願い出来るなら大家さんにお願いしてみてはどうでしょうか。管理をしている不動産会社を通じてお願いすることが一般的ですが、直接お話が出来るならそれに越したことはありません。
但し、いきなり訪ねて行って値下げしてくださいというのはあまりも無礼すぎます。急がば回れ、まずは手紙を書きましょう。今の窮状をしたためれば何かしらの反応が得られるはずです。なかには食べに来ていただける回数が増えたという話もあります。
人件費
なにも削減しましょうという訳ではありません。もともと余分に人を配置していないでしょうからシフトの見直しを行います。
お客様が少ないのに忙しい時間帯と同じ人員にしていないか、夕方の早い時間や片付けを始める時間に人を配置しておく必要はあるか?など曜日と時間ごとにアルバイトの時間を検討し直すことが重要です。
利益率
ご自身のお店がお客様が多いのに利益が残らないとすると利益率が低い可能性があります。それは原価率を下げる工夫を考えるべきだということです。
メニューの見直し(材料構成)あわせて、時々で変動するものの高い食材や、廃棄((無駄に)することが多い食材を使い過ぎていないか検証が必用です。
回転率
原価率は低く抑えているのに回転率があがらないという場合も考えられます。
回転率が低いというのは簡単に言えばお客様が入らない状態を指します。なぜ来店客数が延びないのか原因を見つける必要があります。
もし、味に問題があるようなら試作を繰り返し第三者に味の評価をしてもらいながら改善するしか道はありません。
また、「入り難さ」(入店しづらい)をあげるケースも多くありれます。
お店の中が見えないので入り難い、なんのお店かよくわからないので入り難い、価格が高そうで入り難い等々いろいろな入り難さが上がります。
思い切って看板や大型のタペストロリーなどでお店のイメージや味の良さ、こだわりの食材などが伝わる工夫、外に向かってのメッセージが必要です。
〇売上トントンの飲食店
一番このパターンが多いかもしれません。お客様も定着しコンスタントに売り上げがあるのに利益があまり出ないという飲食店です。
このパターンの飲食店は1日に1組から2組のお客様を増やす工夫が重要です。ランチ時や夕方にお店が混み合う時間のオペレーションが物を言います。
例えば、先に入ったお客様が4人掛けのテーブルにお二人でお座りになっていたとします。後から来られた4人組のお客様の為に席を譲って頂くお願いなどがそれにあたります。
もちろん最初に席に着く時後から4名か3名のお客様がいらした際は2人掛けに移動していただくお願いをしておく必要があります。移動していただいた後は店側から何か1品サービスを忘れずに。
席数を増やす工夫も重要です。
テーブルのサイズを見直すことで2人席が一つでも増えるなら実行すべきです。カウンターの端が物置やデシャップ代わりになっているならもったいない話です。同じくカウンターで焼き台やコンロで煙や熱の問題が発生してるようならガラスの衝立を設ける工夫をしましょう。
なぜ席数にこだわるかというと、仮に客単価が2,500円のお店だったとしましょう。1組2人の来店で一晩5,000円です。25日営業する飲食店なら125,000円の売上になります。これが2組増えれば250,000円となる訳です。
厨房で料理をされるオーナー兼料理人という方はこのあたりの現実が見えづらいと言います。今一度確認されることをお薦めします。
もう一つの改善策がテイクアウトです。ランチ時であれば仮に席が満席でもテイクアウトで利益を上乗せできます。同様にこれまで稼働していなかった朝などの時間帯を使って売上UPに繋げられます
3.増店を考えたい飲食店
最初のお店と全く異なるお店をつくる場合ではなく、同じ業態で増店する場合を今回は考えて見たいと思います。
そもそも増店をする意味をどこに置いているかですが、ほとんどの方が1店目で利益が出ているので同じ業態でもう1店舗出せば倍の利益が出ると思うからに相違ありません。
味やお店のイメージを合わせるのは言うに及ばずですが、重要なのは食材の管理や廃棄率の管理です。
1店目はオーナーが目を光らせている分厳しく行われることが、2店目以降は疎かになって行きます。同じような売り上げがあるのに2点目は利益率が低いというのはそのあたりです。
結果オーナーがテコ入れに入るのですがその時だけ改善するようなことが繰り返されると言います。
しっかりマニュアル化して最初に確認しておかないといけないのです。また、複数店舗の食材仕入れを一括で行えば、扱い量の増加と共に価格の交渉力が出て増々利益が出ることでしょう。
~まとめ~
飲食店が利益を出す改善点を売上や支出を構成する要素から探ってみました。もちろん店先で勧誘のチラシを配ったり、夕方早い時間をハッピーアワーと称して割安感を演出することも重要です。
ただ小手先での改善策は長続きしないばかりか徐々に体力を失うこととなります。是非根本的な改善策を取られた後に各種の宣伝や勧誘方法を試してみては如何でしょうか。
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