繁盛店は知っている 材料費の無駄をなくす知恵

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繁盛店は知っている 材料費の無駄をなくす知恵

ある食品メーカーの方からラーメンスープの素を頂戴しました。なんでも一般販売用ではなく業務用とのことです。早速自宅で試してみたのですが、驚いたことにお店の味と変わりません。後日その感想をお伝えしたところある有名店がチェーン展開する為に開発されたものだと教えてくれました。もちろん屋号は教えてくれませんでしたが。

長年の試行錯誤の上出来上がる銘店の味、インスタント食品や冷凍食品の世界で簡単に再現できる技術が開発されています。これを便利と見るのか味気ないと感じるのかは人それぞれですが、この技術が材料費の無駄をなくすことに一役買っていると聞けば興味がわいてきます。

今回は、これまで調理の現場で語られてきた材料費の無駄をなくす話に昨今取りざたされている加工食品の話を交えて検証してみたいと思います。

毎日の棚卸し

夜お客様がお帰りになった後お店では二つの作業が始まります。一つは清掃や後片付け、もう一つはお店に残っている材料の確認作業です。一般的に「棚卸し」と呼びます。

さて、この棚卸し、なぜ必要なのでしょうか。二つの意味があります。

一つは、正確な残量を把握することで、翌営業日に必要な材料の発注量を知る為です。

もう一つは、残った材料の状態を把握することにあります。万が一消費期限を過ぎていたとしたら廃棄する必要があるからです。食中毒など不測の事態を避けるためにも重要な作業です。

ここで漠然と棚卸しを行って、見落としたり、チェックミスが発生して翌日のオーダーに答えきれないなどの事態を避けるためにもいくつかの工夫が必要です。

1.材料を収納している棚には毎回決まった材料を収納する

2.棚毎や冷蔵庫、フリーザー毎の棚卸し表を作成し素早く確認できるようにする

3.毎回同じ担当が棚卸しを受け持つもとでミスが無くなる

4.容器に入っているものは容器ごと測るなど工夫をする

レシピの作成

棚卸しが終了し残った材料が分かったところで新しい材料の発注となるのですが、ご主人が全て切り盛りするお店等では、大体の目安となる材料の量が分かっていて残りとの差分を発注すれば大丈夫ということもあるでしょう。

ここでは、経験値から発注量を決めるのではなく以下の部分を加味して発注量を決めて見たいと思います。

まず、提供する料理のレシピを作り翌営業日にどの料理がどれだけ出そうか予想し、レシピに想定数を掛け合わせた分で必要な材料の量を決めます。これが出来るようになれば、貸し切りや団体客の予約が入っても慌てず人数分を過不足なく仕入れることが可能になります。また、予測の精度が上がってくれば、翌日の天候や曜日ごとの予測が立てられるようになり余分な材料発注が減ります。

材料費のロスを無くす

廃棄ロスを無くす

廃棄ロスと聞くと単純に消費期限が過ぎた物を捨てるイメージが強いと思います。これを防ぐために「先入れ先出し」つまり、先に買い求めた材料から先に調理することの徹底や当然ですが必要以上に仕入れないことが徹底されるべきです。その意味でも前段のレシピの作成や売上予想は重要です。

もう一つの廃棄ロスがあります。例えば牛肉の塊を購入した際、牛脂やスジなど料理に必要ない部位を取り除くと最初の状態から10~20%ほど少なくなってしまいます。この取り除いた部位が廃棄ロスにあたります。当然材料費は少なくなった分だけ割高になります。本来捨てられてきた部位をアイデアで別の料理やスープを採るための出汁として利用すれば廃棄ロスは抑えられます。

毎日材料の棚卸しと並行して廃棄をする材料についてのチェックも重要な作業です。その際、廃棄食材の一覧表を作成しておき廃棄になる確率が高い食材を割出し、仕入れ量や対象となるメニューについて必ず検討をしてください。

オーバーポーションロスを無くす

簡単に言えば、作り過ぎの事です。次から次へと舞い込むオーダー。一つ一つ丁寧に作るのですが、つい慣れで目分量の調理となりがちです。料理人の心意気として、出来上がりのボリュームが少ないよりも少々多い方が喜ばれるだろうとの心理が働きがちです。この小さなロスが1ヶ月、1年単位でみると大きなロスとなるのです。

こちらもレシピの登場です。決められた材料の量で正確に調理して行くことが重要です。チェーン店で器に盛り付けたご飯の量を計量器で測って確かめている姿は伊達ではないのです。お店ごとの取り組みと工夫が必要です。

賄いロスを無くす

お店を任せている場合などこの賄い(まかない)で使用される材料が問題となるケースがあります。本来、賞味期限が過ぎ消費期限前の材料や調理途中で作り過ぎてしまったもの活用など発想と腕の見せ所でスタッフのお腹を満たすものですが、高い食材を使用したり、新鮮な材料から使ってしまったりとお店ごとにルールを設けないと隠れたロスとなってしまいます。

冷凍食品、調理済み加工食品の台頭

特に洋食やエスニック料理のお店向けに、大手食品加工会社や食材卸会社のプライベート品などから数多くの加工済み食材が提案されています。家庭向けに売られているようなただ揚げるだけで提供できる加工品、レンジでチンするだけの加工品、かつては手間ひまかけて造っていたソースなど様々の種類が日々登場しています。本来調理人が材料から手間ひまかけて仕込み作って来たものがなぜ加工品にとって代わられてきたのでしょうか。

・調理時間の短縮

・加工食品=廃棄ロスゼロ

この二つが大きな理由ですが、材料だけを卸してだけだと利幅が少ない食品卸会社が考え出した儲かりの品でもあります。

昔ながらの味を守る老舗は、時間と材料の廃棄ロス分も含めて若干値段設定が高めのお店が多いように思います。でもそれが普通です。海外の工場で大量に作られた加工品を安いからと言ってありがたがって食べているようでは、日本の食文化の未来が心配でなりません。

ここはまずレシピを作成し人の手で廃棄ロスを減らせば、食品卸会社や大手食品加工会社に搾取されている分を自分たちの利益として取り返すことが出来ます。取り組むべき課題ではないでしょうか。

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