短期間で飲食店が入れ替わる好立地物件の理由とは

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Photo credit: Fousty via Visualhunt / CC BY-NC

短期間で飲食店が入れ替わる好立地物件の理由とは

このところ何をやっても成功しない店舗物件、1年に3回もお店が入れ替わる物件など取りざたされている記事を目にします。

たまたま目にしたのがロードサイドにある飲食店が閉店した際の記事でした。かいつまんで説明をすると、道路を分断する中央分離帯が目の前にある為反対車線からの導入が弱い、信号機から100m付近にありスピードが出やすと言います。更に、下り坂の途中でもあり敷地に侵入しづらく、来店客が来た道を戻る際にもUターンする場所がないなどの悪条件が重なっていることをあげていました。

状況から見た場合の欠陥は比較的分かりやすいものです。商店街や駅前立地には理由がハッキリしないのによくテナントが入れ替わる店舗が存在します。別に視認性が悪いわけでもなく古めかしい訳でもありません。なぜか次から次へとテナントが入れ替わっていきます。ロードサイド立地と違い理由が見えにくい繁華街立地での理由に迫ってみたいと思います。

なぜ好立地でテナントが入れ替わるのか

一言で言えば賃料が高すぎるからです。どんなに人が入って儲かっているように見えても利益の大半が賃料で消えてゆきます。

好立地ですから目立ちます。オープン当初はもの珍しさも加わり来店客は伸びます。しかし長くは続きません。もし利益が上がらなければ、値下げか材料費の削減、はたまた人件費を削るかお客様にとってマイナスの方向のシフトですから客足は更に落ちます。結果お店は疲弊し閉店へと短期間で至るのです。

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店を出す側の勘違い

好立地なのにすぐテナントが入れ替わる理由はなにも貸す側の賃料の高さだけではありません。お店を開く方にも大きな勘違いがあるものです。それは人通りが多いから大丈夫と言う勘違いです。自分たちの店作りのコンセプトや商品に絶対の自信を持っている方や会社ほど陥りやすい間違いです。ここならほっといてもお客様は来てくれるから大丈夫だろうと思うのは今や奇跡に近いかもしれません。

それが証拠にあれだけ好立地で人が多く入っていたマクドナルドの都内店がいい例です。昨春一気に130店舗あまり閉店しましたが、これらの店舗は全てオープン当時から赤字続きだったといいます。マクドナルドは都心店で赤字を出してでも郊外の大型店が利益を出しさえすればフランチャイズオーナーに高値で売れる為やむなく営業を続けたと言います。

同社は昨今ビジネスモデルを原料販売とフランチャイズ店からのロイヤリティーで稼ぐ形に変換した為赤字店はもはや必要なくなったと言うことです。

本題に戻ります。吉野家、ドトールコーヒーなどのナショナルチェーンが通行量調査で出店を判断したやり方は類似店舗や安価な外食店舗が少ない時代の話です。

好立地であっても行き交う人の年齢層や周辺の企業の平均年収など自分たちの商品がターゲットとする人たちがどれほど存在する街なのか競争相手は誰でその相手に勝つためにどのような仕掛けをしなければいけないのかシッカリ考えて手を打ち続けなければ好立地を生かして利益を出すことはできなくなっています。

見えざる管理会社の思惑

意外に思われるかもしれませんが、繁華街の入れ替わり物件のオーナーつまり大家さんの傾向として、遠方に住んでいたりご高齢の方である場合が多く見受けられます。なかには台湾やシンガポールにお住いの外国人オーナーもいらっしゃいます。

当然どなたも管理業務やテナントの窓口には携わっておられずどちらかの不動産会社が管理を委託されその業務に就いています。それだけなら一般の大家さんと管理会社の関係と何も変わらないのですが、そこに管理会社の見えざる思惑が少なからず影響を及ぼしています。

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なぜ賃料はあがるのか?募集価格と入居希望者の関係

仮に繁華街にある物販、飲食店用店舗物件の募集を任されたとします。相場価格で募集をすれば電話での問い合わせや店内を実際に見たいと言う内見リクエスト、是非借りたいという申込の対応など、借りてもらうのは1人ないし1社にも拘わらず数十件分の対応を強いられます。

5人以下の事業所が90%を超える日本の不動産会社にとっては、ただでさえ忙しいことに加えこの状況では仕事にならないと言うのが実状です。では管理会社は何を考えるでしょうか?

通常の正規報酬額の賃料1ヶ月相当分を働きに見合うだけ欲しいと考えるのです。まず、募集賃料を上げることで報酬額が上がることを期待します。次に賃料が上がれば問い合わせも減りますので一石二鳥です。

不動産広告では一度広く公開した条件を途中で上げることはしないので(ただ、会員と称して自社サイトに登録をさせるような不動産会社は平気で値段を吊り上げますが)賃料を上げて出しても問い合わせが多いようだと次回の募集価格が上がるという循環に入っていきます。いくら需給バランスだといえ不動産会社が値段を吊り上げている図式が明らかです。

近隣から苦情の出ない業種

管理を委託された不動産会社のもう一つの傾向としてクレームの少ない業種を選びたがる傾向があります。軽飲食、寿司、そば、和食などあまり油は使わない、煙を大量に出さない、調理の臭いが強くないなどの共通点があります。これに対し、いわゆる重飲食といわれる業種(焼肉、中華、カレー、焼き鳥、豚骨ラーメン等)などは臭い、煙など近隣からのクレームになりやすいので大家さんに伺いをたてるまでもなく管理をする不動産会社が勝手にお断りをするケースがあるようです。

飲食業種のなかでも賃料負担能力のある重飲食業種を断り、競合する店舗が既に存在する上に客単価があまり高く望めない重飲食以外の業種を入居をさせようと言うのですから素人目に考えても無理のある話です。

原状回復工事での利益を出す管理会社

管理会社がもう一つ稼ぐポイントがあります。それは、賃貸借契約書の明渡し条項の中に必ず入っている、契約終了時に「原状に復して返還する」という部分です。

一般的には原状回復工事といって店舗物件なら床、壁、天井、看板にエアコンなど一切を撤去させられる内容です。たいてい管理側の指定業者工事というのが多いのですが、この工事業者を管理を委託されている不動産会社が手配をして、工事代金の5~30%程を工事業者から工事管理料の名目で上納させているのです。工事業者も黙って利益を差し出す訳ではないので、結局は元の賃借人が工事代の一部として彼らの利益分を負担しているのと何ら変わらないのです。

ここまでの流れでお分かりの様に大家さんから管理を委託されている不動産会社は、悪く言えばテナントが入れ替わるほどに儲かる図式なのです。

今流行のローストビーフ丼や二郎系ラーメンに象徴されるように、美味いだけではなく写真写りがいいだとかヘルシーだとかプラスアルファの価値を付けないとなかなか話題にならないものです。つまり、開店時から新規顧客とリピーターを作り続けられる店舗でない限り高額賃料立地は避け1.5等地と呼ばれる一本通りから入った賃料の安い場所でじっくり顧客作りに専念した方が成功の確率は高まるはずです。

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