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飲食店で売上が同じでも「利益」を増やせる3つの賢い方法

飲食店-売上

nosheep / Pixabay

「入るを量りて出を為す」(いるをはかりていずるをなす)これは中国の故事成語ですが、意味はストレートに事業計画をたて資金計画を見極めたうえではじめて支出を考えなさいというものです。人はともすれば支出を先に考えそれに見合うお金をどのように工面しようかなどと考えがちです。そもそもこの故事成語は国家予算について語られた内容ですが、飲食店経営にも同じことが当てはまります。

最初に客層を決め、客単価をいくら位に設定をするかによって店を出す場所や賃料を決めるべきところを、場所や居抜きの内装を気に入ってしまい高い家賃でも何とかなるだろうと背伸びをしてしまった結果、お店は長続きしないということがよくあります。

今回は、入るを量る前に「出」を決めてしまっていた場合の飲食店経営の改善策について3つのアプローチで考えて見たいと思います。

アプローチ1.メニューおよび原価の見直し

同じ一品を売り上げても原価率が違えば手元に残るお金の額は変わってきます。

例えば二つの単価500円のサラダがあったとしましょう。人気のシーザーサラダは原価率45%ですが、2番人気のわかめサラダは原価率15%です。1日に出るシーザーで15皿、わかめで10皿だとすると売上額だけの比較ですとシーザーが7,500円、わかめが5,000円とシーザーサラダに軍配が上がります。さてこれを粗利で比較すると結果が逆転します。それぞれの原価率を1から控除した割合を売上に乗じますと粗利となります。シーザーで4,125円(0.55)、わかめで4,250円(0.85)です。

ここで考えたいのは原価率の見直し価格設定です。これまでの構成を変えたりドレッシングを自家製に変更するなどして原価を下げるやり方と、逆にトッピングを変更しボリュームをアップさせ価格をもう100円アップさせることで今まで以上に利益が出るよう工夫します。

同じ考え方で、現在お店で提供している料理の原価及び原価率をすべて見直すことで残っていくお金が増えます。それを可能にする方法が「abc分析」と呼ばれる検証方法です。

飲食店 繁盛店は知っている「abc分析」で利益を出す【業界人が語る】

ABC分析とは

一般的にオーナーが一人で厨房に立ち調理できる品数は40品目と言われています。これらのメニューすべてが売上にどの程度貢献しているのか知る分析方法です。

まずすべてのメニュー毎に「売上」に占める割合を出します。一番売り上げの高いメニューから順に売上割合を足してゆきます。売上に対して「70%」を超えたところで一旦線引きをします。更に加算を続け今度は「90%」を超えたところでもう一度線引きをします。

以下のようにグループ分けをします。

  • 売上の高い順から70%を超えるまで積み上げたグループを「A」
  • 70%と90%の線に挟まれたグループを「B」
  • それ以降売上にあまり貢献していないグループを「C」

この分析をすると皆さん意外な結果に驚かれると思います。売上の70%は40品目あるメニューの内2割つまり8種類ほどのメニューが売上の7割から8割を占めることに。

逆に言えば残りの32品目のメニューが売上にあまり貢献していないことになります。このうち売上の1割にも満たないメニューは見直しが必要です。理由は以下の通りです。

滅多に注文の無いメニューの為の仕入れは無駄になる(利益を削る)可能性があります。同時にその様な料理の為に全体の調理時間が長くなることも十分予想されるからです。

大手の飲食チェーン店が毎日のようにこのabc分析の視点で各店舗の売上に目を光らせているのは、食材の無駄を削減し同時にお客様を待たせない(一人でも多くのお客様の来店)為の努力なのです。

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アプローチ2.人件費削減

単純に人減らしで良いというものではありません。それまでのオペレーションを変えずに人が減るだけだと必ずお客様から不満が出ます。料理や飲み物が出るのが遅い、注文で呼んでも来ない、間違いなく評判を落とすことになります。

ここで提案したいのはアルバイトなどを必要とする時間の見直しとそれに伴いレイアウトなどを見直しオペレーションを効率化することです。

週の内月曜から金曜まで毎日ランチ時に11時から14時の3時間と夕方は5時から11時までの6時間アルバイトに来てもらっているとしましょう。1日9時間×5日×1,041円(東京都最低賃金)で46,845円の計算です。(残業代は今回考慮せず)

ここで1週間を振り返って分析をします。月、火曜日は満席にならない状態でお客様が入れ替わっていくようなら思い切って一人オペレーションで乗り切れないか。水曜、木曜は9時以降注文が食べるものからドリンク中心になって行くためここも一人オペレーションで乗り切れないか検討する必要があります。週末やランチはこれまで通りです。

これで人件費は週当たり10時間×1,041円の10,410円が削減できます。仮に年間52週の内50週の稼働であれば、年間520,500円のコスト圧縮になります。

但しここからが重要です。アルバイトの人工分はオーナーの負担となってきます。先程の評判を考えると自分のペースでという訳にも行きません。ここはお店のレイアウト厨房の動線を見直す必要があります。

飲食店によっては厨房から客席が見えない造りのお店があります。この場合厨房から客席が見渡せるようにするか逆に厨房を客席近くに移動させることを検討します。オーダーも料理作りも下膳もスムーズに行えます。少々お待たせするような時でもちょっとした料理をサービスすれば災い転じてリピーター造りに繋がります。

もし現在でもオープンキッチンの様なレイアウトであったとしても厨房内のレイアウトを検討しましょう。先程の7割を稼ぎ出す料理を作る際の動線が何度も厨房内を行き来したりで歩数が多くなっていないかの検討です。ここでコールドテーブルとコンロの位置を動かせば1日あたりの厨房内の移動歩数が減ることが予想できたなら即座にレイアウト変更です。年間の歩数になおすと何千歩もの違いが出ることになります。その歩数こそが売上アップにつながるのです。

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アプローチ3.お店のサイズ、テーブル等の見直し

モデルケース:15席(10坪)、月額賃料15万円、月額売上150万円、週6日営業、平均回転率1.5回転

このモデルケースを使い検討をして見ます。1ヶ月の売上150万円を月の営業日数25日で割り、さらに平均回転率1.5回転に席数15席を乗じた数22.5で割る(1日当たりの来店数)で割ってみましょう。そうするとお店の客単価が分かります。この場合客単価は@2,600円程になります。

ここで着目したいのが平均回転率です。こちらを訪れるお客様のグループがお一人が多いのかお二人が多いのかはたまた3人以上なのか分析をします。15席程のお店ですカウンターが7席、テーブルで4人席が2卓というのが標準的でしょう。ここで先程のグループがお二人か三人が多いとなれば次のような仮説が立てられます。

4人テーブル×2卓に2人組と3人組のお客様が来店された場合、次に来店された2人組はカウンターが開いていなければ入店できなくなります。しかしこれを2人テーブル×4卓に変えたならばどうでしょうか、先の2人で1卓、後の3人組で2卓、後から来店された2人組も1卓用意できます。

このお店の平均回転率が1.5ですから2席×1.5で1日あたり3人分通常よりお客様が入ることになります。これに客単価2,600円と25日を掛け合わせると月額195,000円の売上アップとなります。

~まとめ~

3つ目のアプローチは利益アップの為のアプローチとなりましたが、簡単に賃料は下げられない為限られたスペースで稼働席数を増やす内容としました。

飲食店は仕入れと販売という単純なものではありません。ニンジンやタマネギ、牛肉に鶏肉など同じ素材を仕入れたとしても中華料理にもイタリアンにも和食にも姿を変えます。このことは素材の廃棄率と原価率の違いによって残る利益が異なることを物語っています。

同様に、同じ料理を出す業態でも原価率の見直し、人件費にかけるコスト、回転率を上げるための工夫次第では利益に大きな差が生まれてしまいます。今回例示した3つのアプローチのどれも普段からデータをちゃんと採っていないと対策がたてられないものばかりです。料理の味を決めるのが計量とさじ加減と同じように飲食店の経営はデータ管理、係数管理なのです。

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