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飲食店「立地が悪い」は言い訳!繁盛店に変身する魔法の問いかけがある

飲食店-繁盛-立地

TeroVesalainen / Pixabay

不振を嘆く飲食店経営者の方にお会いすると、「立地の悪さでお店が繁盛しない!」とおっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。

はたしてそうなのでしょうか?では、以下の質問を考えて下さい。

  • もし今日テレビで取り上げられたらどうなると思います?
  • 車でしか行けないお店が流行っているのはなぜ?
  • 住宅街の真ん中にあるお店に朝から行列が出来るのはどうして?

たとえば駅1分の場所で成功している飲食店の理由がその立地にあるのと同様に、駅からバスでしか行けない飲食店が成功している理由に立地をあげる方はまずいないでしょう。

つまり、立地の良し悪しが必ずしも飲食店が「成功する」「成功しない」の本質ではないということなのです。

とはいえ立地も飲食店経営における繁盛のための重要な要素であることは間違いありません。

とかく立地至上主義に陥りがちな飲食店経営について、もし立地が悪いというハンデが存在するならそれを克服する飲食店経営はどうあるべきか経営者目線で考えます。

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Contents

飲食店立地についてあらためて考える

一般的に、飲食店の立地を〇〇等地と表現することがよくあると思います。

実はすごく誤解があって、その等級は飲食店が繁盛することを表すものではなく、家賃が高く取れるかどうかを表しているものなのです。

ですから一等地は一番家賃が高く取れる立地となり、1.5等地、2等地、3等地と下がるにつれ家賃が見込めない場所ということを表しています。
またその家賃の決め方も近隣相場と言って、周辺賃料がいくらで貸しているかという価格にもとづいて決まっています。

不動産会社が営業トークで、周りに比べて安いですよと言った説明はあくまでも比較論であって本当の価値ではないといえます。

さて駅に近くて人通りの多い手頃なサイズの店舗物件があったとしましょう、
何にを基準にその価値を量るのか頭に入れておく必要があります。不幸にも一目ぼれし、開店した後になって後悔することになります。

その基準は、収益還元法と呼びます。

その場所でいくらの売上が見込めるかという収益から適正賃料を逆算する方法です。簡単に以下のように求めることが出来ます。

適正家賃=想定売上×10% (月額)

家賃は、売上の1割以下に抑えなければ経営を圧迫します。

もし想定売上が月200万円と試算したならば家賃は20万円以下の物件を探すべきです。
間違っても立地や建物にほれ込み家賃30万円の物件に対し「ここなら絶対300万円は売れるだろう」という楽観論は避けなければいけません。

この評価方法で物件を眺めてみると、一等地と呼ばれる飲食店立地でお店が短期間のうちに入れ替わる理由に、高額の家賃が理由で経営を圧迫したことがうかがい知れます。

立地が悪いと嘆く前にできることがある

立地が悪いと言い訳したくなる元凶は「来客数が少ない」、「売上が想定まで届かない」ということがほとんどだろうと思います。

こういったピンチに陥った場合は漠然と問題を捉えるのではなく、いくつもの「ナゼ」に表現してご自身に問いかけてください。

  • お客様が来店されないのはナゼ
  • 注文が増えないのはナゼ
  • 夜9時をまわるとお客様が来店されないのはナゼ
  • ランチは入るのに夜はお客様が入らないのはナゼ
  • 雨が降ると途端にお客様が減るのはナゼ
  • お客様はそこそこ来店されるのに利益がでないのはナゼ
  • 利益を増やしたいのに増えないのはナゼ

徹底的にナゼをご自身に問うてください。そこから改善策は生まれます。

例えば、お客様が来店されない理由を客観的に見れば次のようになります。

  • 宣伝が行き届いていない
  • 提供する料理に対して価格設定が間違いる
  • 味付けの問題(不味くないか)

夜早く客足が途絶えるのに訳があり、例えば、安くてボリュームのある飲食店であれば、早い時間に行くお店として認知されていることが理由として考えられます。つまり、ある程度お腹が満たされたあとの二軒目、三軒目として選ばれないということです。

そこで思い浮かぶ解決策は、2店目、3店目を目指すお客さに向けたメニューや度数の高いお酒を用意するか、逆に〆のお店としてお茶漬けやハーフポーションのラーメンなどをメニューに加えることで新たな客層をつかまえることが出来ます。

利益を増やしたいなら仕入れの見直しと、食材の廃棄率の低減などをまず最初に疑いましょう。つまり出て行くものをまず見なおすべきです。売上はすぐに結果が出ませんが、削減ならその日から結果が出ます。

限られた席数でこれ以上売り上げは増やせないとあきらめる前に、お弁当の販売やケータリングなどを検討しましょう。最近は出前の環境が変わり、出前専門のサイトや出前を代行するサービスが始まっています。これらを利用しない手はありません。

同様にすべてのナゼに答えて行きます。
回答が見つからない場合は、先輩や同業の知り合い、税理士等どしどし質問しましょう。必ず解決策の糸口はつかめます。

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繁盛店への道のり「問題を放置しない」

ナゼと問いかけ、答えが揃い、原因や努力目標が定まっても実際に実行に移さなければなにも変わりません。

たとえば電球が切れていることに気付いてもすぐに交換しなかったり、厨房機器に不具合が生じてもすぐに直さなかったりと忙しさにかまけて問題を放置しまいがちです。

経営者が本気でお店を改善しなければ何も変わりません。

繁盛店への道のり「結果が出るまで努力を続ける」

一度やって結果がでないからと辞めてしまう方がいます。
また、せっかく人からいただくアドバイスに”以前にやったけど効果がなかった”となにもしないでいる方、ここが飲食店経営の繁盛店と不人気店とを分けるポイントなのです。

繁盛している飲食店は最初から人気店ということのほうが稀で、経営努力を続けてリピーターが増えたことにより結果繁盛店となっていることがほとんどです。

「手を打つ」 ⇒ 「宣伝する」 ⇒ 「結果を見る」

それで満足できないならまたナゼを問い、解決策を考え、

「手を打つ」 ⇒ 「宣伝する」 ⇒ 「結果を見る」この繰り返し。

結果に満足することなくこのサイクルを繰り返してください。

繁盛店への道のり「結果に満足しない」

ナゼで始まる一連のサイクルで結果が出てもその効果がいつまでも続くわけではありません。

流行のメニューを導入してもブームが去ってしまえば元に戻り、季節や月単位で新しいナゼを問いかけて行かないと徐々に客足は遠き、売上が上がらなくなります。

なかには順風満帆でナゼが思いつかない飲食店経営者の方でも、さらに状態のよい飲食店の研究を続けて下さい。仮に改善の余地がなくてもアイディアやヒントは沢山もっていましょう。

複数店舗経営をされている場合

  • 接客態度
  • クリンリネスなど清潔感

更なる繁盛のヒントになります。

いずれにせよ今の経営にプラスできる要素を他店から盗んででも、自分の店舗に合うよう工夫していかしましょう。

老舗飲食店に繁盛する秘訣を聞きました

長年飲食店を続けてらっしゃる飲食店経営者の方にお話を伺った時の事ですが、お店を長く続ける秘訣は何ですかと単刀直入に伺ってみたところ、

  • 「手を抜かない」
  • 「妥協しない」

手を抜いたり、妥協しているとお客様にすぐバレてしまうから怖くてそんなことできないとのコメントでした。食材ひとつとっても満足のいくものが仕入れられない時はメニューから外すというこだわりようです。こういった姿勢にリピーターが増えるのです。

最後に一言

立地の良し悪しは飲食店が「成功する」「成功しない」の本質ではなく

本質は、飲食店経営者自身がお店に対するナゼに向き合い続けられるかにかかっています。

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