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飲食店の「店舗移転」4つのタイプで考える注意点〜融資から居抜き退去まで解説〜

飲食店-移転-注意点

rickbella @ Pixabay

飲食店を閉店する経営者の方とお会いする際に必ず伺うことがあります。この次はどうされるのですかと。

一番多い答えが「移転を考えています」という返事です。そこで移転をお決めになった理由を続けてお伺いするといくつかの似かよった答えが帰ってきます。

今回は、それらを4つのタイプに分けて飲食店で店舗移転によって解決できる問題点を考えてみたいと思います。

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Contents

飲食店店舗移転の目的には4つの理由がある

大きく4つの理由があげられます。

  1. 立地改善による売上アップ
  2. 業種変更に伴う移転
  3. 事業拡大に伴う拡張移転
  4. 規模縮小による経営改善

移転にあたって他にも気を付けるべきポイントがあります。

  • 物件選択の注意点
  • 金融機関の融資活用方法
  • 移転のご挨拶

さて、順番にキッカケと移転先について見ていきたいと思います。

1.飲食店の店舗移転 立地改善で売上アップ

このケースは「3.」の規模拡大と同時に起こることもありますが、まずは立地改善です。

一般的に立地から移転を考える場合は視認性や駅からの距離などにより、天候や曜日に来客数のバラツキが生まれ、これを改善したいと思い立つものです。

人気の料理があり固定客もついてはいるものの、もっと通行量の多い場所であればランチタイムの時間延長や夜も遅い時間までお店を続けられると考えるものです。

そこには視認性の改善が真っ先に浮かびます。となれば看板や広告に力を入れて改善となるのが通常です。

駅からの距離が少々あるせいでリピーターさんであっても雨が降れば来店されないという悩み、ましてや新規客は全く見込めない状況であるなら立地改善が一番の選択肢となります。

体力のある飲食店であればお店ごと引っ越すのが一番手っ取り早い方法ですし、居抜き物件などを利用すればさほど費用をかけずに移転は可能です。

【開業前に読む】間違いない飲食店の立地選び<失敗した店舗立地>を検証

2.飲食店の業種変更に伴う店舗移転

飲食店にはいろいろなタイプの経営方針があります。

食材にこだわった飲食店もあれば立地や場所に合わせて業種を変える飲食店もあります。コロナ前であれば、焼き鳥ブーム、串揚げブームに乗ってその人気にあやかる便乗業種も数多くありました。

居酒屋業態のなかで提供される焼き鳥や串カツなどと違い専門店だとブームが去ったからと言って直ぐに業態変換をするのは難しいものです。

同様に魚料理がメインだった飲食店を焼肉店に改装するとなると大掛かりな改装の為にどうしても工事期間が長くなります。当然改装をしている間お店を閉めなければならない為収入が無くなります。

一方移転であれば新規にオープンするお店を改装する間でも営業を続けることができますので収入が途絶えることがありません。

ただ家賃の重複期間が発生しますが、売上に占める賃料が一般的に考えて10%程なので、重複期間(工事期間)の賃料負担は予めストックしておけば問題解決です。

もっとも敷金や諸経費などはどの様に工面するのかは、後程融資のところでお話いたします。

3.事業拡大により拡張のための店舗移転

移転理由で一番多いのがこの拡張移転だと思います。

リピーターがついていて売上が安定してきたころから気になることが持ち上がるはずです。ランチ時や夕方の込み合う時間などにお客様が入りきれないことが常態化したり、年末や歓送迎会の時期は予約がいっぱいになり何件も予約のお電話をお断りすることが続けばこれはもう拡張移転のサインです。

この場合、すぐに移転を考える方より今のお店を活かしつつ同じ建物内でスペースを確保できないかが最優先です。

なかには、歩いて2~3分の場所に同様のお店を構えドリンクカウンターだけを作り料理は出前するというお店もあります。この時、スペースが分かれる分人件費が余計にかかってきますが、もう一つ新しいお店を造ることを考えれば安く済ますことができることでしょう。

4.飲食店の店舗移転 規模縮小により経営改善

多少はお客様の入りにバラつきはあるものの流行ってないわけではない飲食店は多くあります。

月の売上を計算してみるとあまり利益が出ていません。当初の事業計画に比べると毎月マイナスです。なぜだろうと疑問に思われる経営者の方が多いのですが、一番象徴的なことが金曜日の夜など一度満席になった瞬間に現れます。

総ての席が埋まり後から来られたお客様をお断りするのですが、問題はその満室の状態にあります。

4人席テーブルばかりのレイアウトにすべてのテーブルで2人しか座ってなければ満席と言えども満室率が50%となります。半分は空いているのにお客様をお断りしている状態です。

またあるお店では、テーブル席は全て埋まることはあっても団体客が入らない限り奥の座敷はいつも空いたままというようなお店です。

お店の経営者の方はこういいます。たまに団体の予約が入るから座敷は必要だと。これも満室率から言えば空気に家賃を払っているのと一緒です。

お店が流行っているように見えて売上が思ったほど上がらない原因の一つにお店の規模が大きすぎる為に売上分が家賃の支払いにまわっていることがあげられます。

一度借りた不動産を後から一部だけを返すというわけにはいきません。ここは思い切って満室率85%程度で2回転できるサイズに移転すれば十分利益が出るようになります。

ここでふん切りがつかないでいると徐々に体力が奪われ閉店に追い込まれてしまいます。

飲食店物件の選択ポイントは「営業許可」

一度でも飲食店の店舗探しをした経験があればお分かりと思いますが、大家さんによって同じ飲食店でも業種制限が結構あります。

特に重飲食と言われている中華・焼肉・カレーなどが絶対不可というところが半分以上です。ここを偽って営業を始めようものなら裁判に発展するほど揉めます。気をつけましょう。

本当にその物件が気に入ってどうしても借りたいと思うのなら、オープンを想定したメニュー(出来るだけ写真が多い物)や実際に提供される料理の写真集を作り大家さんにお見せすることをおススメします。

意外と大家さんは自分が食べたいと思う業種に弱い傾向にあります。仮に入居不可業種でも料理のネーミング、写真の綺麗さでOKとなることが結構あります。

最初から諦めずにトライしましょう。

飲食店の移転は公的融資を活用すべし

飲食店を始められた時に日本政策金融公庫から融資を受けた方は多いと思います。

もし、移転を考える時期に未だに返済の途中だったとしましょう。仮にそうであっても追加の融資を受けることは十分可能です。

毎年の決算報告をキチンと行っていれば、残額分を含めた追加融資で一旦残額を返済し、残ったお金を移転資金に充てるというものです。

心配しなくても移転に必要な金額が残るようちゃんと計算して融資してくれます。

どの理由による移転かは別として、仮に手元資金があったとしても、有事の際のお金として温存すべきです。

今であれば資金のほとんどを貸し付けてくれることでしょう。まずは事業計画書を作って窓口に相談しましょう。予約は不要です。

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移転の際にご近所へのご挨拶は丁寧に

例え近くに移転するのであっても周辺の飲食店舗へのご挨拶は十分に行いましょう。また、ご挨拶状もちゃんと出しましょう。これまでリピーターとなってお店を稼がせてくれたお客様には、なにがしかのおもてなし(割引や一杯ただ等)を用意することで、立地改善や規模拡大にこれからもリピーターとしてご来店いただけます。知らないうちに移転をしていたとなると折角のリピーターを失いかねません。

飲食店店舗移転までの流れ

簡単に移転すると言っても「解約予告期間」の問題や「原状回復工事費」などお金がかかることがいっぱいあり一筋縄ではいかないと思われるかもしれません。

確かに賃貸借契約書を見ると契約を解約しようとする場合2つの大きなハードルがあることに気づきます。

解約を申し入れても家賃を払い続けなければならない「解約予告期間」、長いものでは6ヶ月というものがあります。

もう1つ、内装や設備すべてを借りた時の状態に戻す「原状回復工事」義務というものが書かれています。

契約書通りであればその通りなのですが、大家さんが造作や設備をそのままで次の人に引き継ぐいわゆる「居抜き」での名義変更を承諾してくれれば解約予告期間に拘わらず名義変更が出来ますしお店もそのままで明け渡せばよいということになります。

ここは勇気を出して相談しましょう。

飲食店舗居抜き引き継ぎの実務と注意点

まずは、お店を引き継いでくれる方をまず見つけることが先決です。

その方にお店を引き継ぐタイミングと次のお店の工事が終了するタイミングが合えば、大家さんを尋ねて居抜きでの名義変更交渉です。

ここで大家さんの承諾が取れないうちに移転先の不動産を借りてしまうと、最悪額面通りの費用負担となり大きく計画が狂う可能性があります。ここは綿密な計画とコミュニケーションが求められます。

実際には飲食店を経営しながらこれらの手続きや打ち合わせは大変です。ここは飲食店の居抜き物件を数う多く扱う経験豊富な不動産会社を味方につけた方が交渉のアドバイスも含め上手くいくものと思います。

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