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飲食店 究極の「回転率」5回転に挑戦!秘訣は裏技と営業時間の工夫で売上アップ

飲食店-回転率

conan_mizuta / Pixabay

回転率とは「入店されたお客様÷席数」をさします。

料亭、高級割烹、高級フレンチこれらの飲食店に共通しているのが、一人当たりの客単価が高いことと滞在時間が長いことです。当然一晩の回転率はせいぜい1回転から2回転が限度です。

これに比べセンベロと呼ばれる居酒屋や角打ちと呼ばれる立ち飲み形式のお店は、客単価が低いことと滞在時間が1時間ほどで次から次へとお客さんが入れ替わる共通点があります。

この二つを比較すると、飲食店は「客単価を上げてジックリ稼ぐ」か「客単価を低く抑える代わりに来店される人の数で稼ぐ」か大きく分かれると言うことです。

コロナ前から人気の飲食店、フレンチにせよステーキにせよ焼き鳥、串カツ全て回転率で利益を上げているお店ばかりです。今回は、この回転数に着目をして利益アップの方法を考えてみたいと思います。

Contents

飲食店の回転率についてのおさらい

改めて回転率についておさらいをしてみたいと思います。

飲食店の席数が20席を前提として話を進めます。これは、テーブル席やカウンター席などお客様が着席可能な席数の合計です。一晩に訪れたお客様の数が全部で30名だとします。

この時、一晩の回転率は、30人÷20席=1.5回転となります。これが40名だと40÷20で2回転となります。

ここで注意したいのが稼働率です。お店がお客様で一杯となり入店をお断りすることがあると思います。でも、4人掛けのテーブルには3名しか座っていない、カウンター席も隣り合わせのお客様と御客様の間に1席空席を挟んでいるだとかすべての席が埋まっている訳ではありません。

これを満室時に埋まっている席数の割合を稼働率とか満室率と呼んでいます。例えば、20席の飲食店でも満杯の状態で16名だとすると、16名÷20席×100=80%となります。

厳密に回転数を考える場合この稼働率を加味して考えるのが普通です。この回転率と稼働率の関係でいえば、最初に手を付けるべきはまず稼働率(席の無駄をなくす)をあげることですが、今回はあくまでも延べのお客様数を全席数で割ったものを回転率と呼ぶことにします。

飲食店は、なぜ回転率を上げる必要があるのか

ここで簡単なシミュレーションをしてみたいと思います。

席数20、来店者数20名、客単価3,000円、原価率30%」の飲食店をモデルに

①回転率1回転の粗利

20席×1回転(20名)×@3,000円×0.7(1-原価率30%)=42,000円

②回転率2回転の粗利

20席×2回転(40名)×@3,000円×0.7=84,000円

当然ですが粗利は倍になります。少し構成する数字を変えてみましょう。

③20席×2.5回転(50名)×@2,500円×0.6=75,000円

③は①に比べ客単価を抑えることで回転数を上げる考え方です。現在値ごろ感で人気のお店はこういった型での集客です。

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飲食店で回転率を上げる仕掛け

客単価を下げるやり方や原価率を上げてコストパフォーマンスを高めることで果たして回転率が上がるのかと言えばそうではありません。

これはあくまでも集客のための仕掛けです。この方法で訪れたお客様が開店から閉店まで席を占領していたとすれば、回転率は「1」のままです。ではどうすればよいのでしょうか。

一般的には、時間制をとることで解決します。ただ、あくまでもお客様が引きも切らさず訪れて下さるという前提です。年末の忘年会シーズンやクリスマスの予約は概ね2時間ほどで入れ替えです。これでもやっと2回転です。

要は、営業時間を伸ばすことで2回転、3回転目を確保します。例えば、深夜営業です。稼働率は下がりますが、他店を時間制限で出されたお客様の受け皿としての営業や、周辺の飲食店にお勤めの方が閉店後に来店されるニーズを拾います。

この営業時間を伸ばし、時間帯によってメニューを変えることで回転率を上げる方法があるのです。

1早朝・2昼(ランチ)・3中間帯(カフェ)・4夜・5深夜で回転率を確保

それぞれの時間帯に回転率を1回転確保すれば一日のトータルは5回転となります。

早朝

一般的な飲食店はランチメニューと夜のメニューの2種類で営業されているケースが殆どではないでしょうか。ここに朝のモーニングメニューを追加することで、イートインを基本としながらもテイクアウトのニーズも拾えます。

和の飲食店だからと言って和にこだわる必要はなく周辺環境にあわせたラインナップにすればいいと思います。オフィス街であればマフィンやトーストにベーコン、スクランブルドエッグでコンチネンタル風なメニューやワッフル、パンケーキとコーヒーなどの組み合わせも考えられます。郊外でモーニングをだすコーヒーチェーン店が流行るのを見てもニーズは十分あります。

中間帯

ランチ営業の後は、カフェタイムです。洋風の店作りなら頷けても居酒屋などの和テイストの店はどうするとお叱りを受けそうですが、ここはあんみつお汁粉などの甘味類をベースに、抹茶などの飲み物を用意すれば立派な和カフェです。

ポイントは、宣伝方法の工夫です。店先の置き看板やチラシの配布などアイデア次第です。間違いなく、おしゃべりを楽しみたい奥様方や、お一人の時間を大切にしたいOLなどの需要を掘り起こせます。店舗内のイメージも照明を追加することでランチや夜の時間と差別化することで変化がつけられます。きっとお客様も違和感無くご利用いただけると思います。

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回転率を上げる裏技

営業時間を延ばし時間帯でメニューをすべて変えることで回転数を上げる提案をしました。これは、席数が変えられないことを前提にした考え方です。この数の呪縛を解くカギはテイクアウトの導入です。モーニングやランチ、カフェタイムのテイクアウトにより席を増やさずに売り上げを伸ばすことが可能です。

~まとめ~

時間延長にせよテイクアウトにせよ利益が伸ばせる選択肢が少ない中で人材確保の問題やオペレーションマニュアルの問題、食材の仕入れや廃棄にかかわる問題など現実には入念な詰めを行わなければならない課題はたくさんあります。とは言え、新たな時間帯に新たなメニューで打って出ることでこれまでのレギュラー時間の集客にプラスになることは間違いないと思います。もし現状を打破し売上アップを考えた時に、食材を変更し原価率を抑える方法や人件費を削って利益を残すことを考える前に、是非挑戦してみて下さい。

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