3つのタイプで考える 飲食店のランチ戦略

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photocredit:VisualHunt

3つのタイプで考える 飲食店のランチ戦略

お昼時神田駅を降りるとランチメニューを知らせる置き看板の多さに圧倒されます。中にはお店の前ではなく離れた場所にあるお店の看板も出ています。さすがサラリーマンの街といった印象です。また、ランチ500円とお値打ちなのが財布にありがたく大きな魅力となっています。逆の見方をするとそこまでの価格競争をしてまでランチを続ける意味がどこにあるのかという疑問もわいてきます。ここは一度原点に立ち返って考える必要がありそうです。

今回は、飲食店のランチメニューをどのようにとらえるべきなのか3つのタイプに分けて考えて見たいと思います。

カテゴリー分け

飲食店には昼も夜も同じメニューを出すお店、おそば屋さんやうどん屋さん、それに牛丼、カレー、ラーメン店などがあります。それに対し昼のランチに比べ夜は客単価が高くなる飲食店があります。居酒屋をはじめとするお酒を提供して食べるもので売上を確保している飲食店たちです。この両者の中間に夜客単価の高い食事をメインに出す店で、昼のランチだけ安く食事を提供するイタリアンやフレンチ、中華、寿司、天ぷらといった業態が存在します。この3つのタイプに分けて、それぞれのタイプごとにランチ戦略を考えていきます。

昼・夜客単価同一タイプ

このタイプは、昼も夜も同じメニューを同じ価格で出すのですから取り立ててランチという意識はないようです。それでも回転率(来店客÷席数)を上げる為に工夫をしています。あるうどん店では、ランチタイムだけ麺の増量をサービスしています。

またあるそば屋さんでは、ランチタイムだけのメニューを日替わりや週替わりで用意してお客様を飽きさせない工夫をしています。喫茶店などもこのタイプに入ります。最近はランチを食べ終わった後コーヒー専門店やコンビニのコーヒーをテイクアウトしてオフィスのデスクで飲むというスタイルが定着しています。

以前は、喫茶店でランチ(ピラフ、カレー、ホットサンド等が定番)にコーヒーをセットにして食べることが一般的でした。現在では食後にコーヒーを出すと限られたランチタイム内での回転率が落ちるということでランチを止めるお店もあるようですが、コーヒーで利益が出る事業計画であればランチタイムが例え1回転でも貴重な売上になると言えるでしょう。

ポイント:

・このタイプで考えるランチは、迷うことなく回転数を上げるための戦略です。例えば、喫茶店が朝にモーニングセットを出すように定番メニューにプラスαしたランチセットを定番メニューと同じ価格で提供するだとか、少々サイズをダウンさせてでも用意すべきです。

・特別な値打ちメニューを投入しなくてもランチ時は黙っていてもお客さんが来店されるお店なら開店時間帯で一番人気のない期間帯を補強することを考えましょう。例えばその時間が夜8:30以降だとすると、その時間帯に有効な割引券や一品サービス、ビール一杯サービスなどの割引券をランチに訪れた方に配布するのです。ラーメン店などで味玉サービス券などを雨の日来店時に配るお店がありますが同じ発想です。

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夜がメインのお酒で売上タイプ

このタイプは最近業種の呼び名が増える傾向にあります。定番の居酒屋にバルと呼ばれる業態。本来バルは立ち飲み屋を意味するものですが、最近では餃子バル、ラーメンバル、馬バルなど洋風居酒屋の代名詞のようになっています。

呼び名は別として、お酒を飲むことがメインでそのお酒にあう料理を出す飲食店の業態ではランチを単なる回転率アップのためのツールと考えるよりも夜に来店いただく為の宣伝ととらえることが出来ます。

なぜなら、お店によってはランチをやっていないお店が三分の一近くあります。彼らは宣伝をしなくても大丈夫、夜のお客様で十分稼げると判断していると考えられるからです。

ポイント:

・1階路面店ではなく空中階にある飲食店は、店内の様子が分かりづらくなかなか初めてでは入りづらいものです。そこでランチ時に気軽に入って頂き夜の来店に繋げるというものです。この戦略は女性に有効だと聞きます。例えば夜の女子会割引など予約で女性4名ならワイン1本サービス券などを配ってもすぐに元は取り返せるはずです。

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・シッカリ修行をされてこられた方が開業された時に往々にしてありがちな、入りにくさというものがあります。派手な看板を嫌い落ち着いた字体の店名がそう思わせるのでしょうか、一度食べて頂ければ他店との差別化が出来るお店は、周辺の飲食店と同レベルの価格で自慢の腕を披露すれば、この上ない宣伝となります。

ここで重要なのが、ランチタイムにも夜のメニューブックをわざと出しておいて吟味していただくことです。この味でこの品ぞろえ、ここ価格と分かれば夜に来店頂けるお客様は増えるはずです。

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・エスニック料理、地方料理

一言で言えば何が出てくるかわからないので入れない。どんな味なのかわからないので冒険したくないと考えるのが普通の消費者心理です。言ってみれば食わず嫌いなだけのお客様を気軽にチャレンジさせるのがランチ戦略です。

この場合周辺の飲食店と同じ価格で出しても同様の理由で敬遠されることが予想されます。ここは100円でも200円でも安く提供するか、コーヒーなどのドリンクサービス、無料Wi―Fiなどの設備を整えてお昼休みを時間いっぱい使っていただけるような場所にすれば女性客が徐々に増えて午後4時ぐらいまでランチタイムを続けてもお客様が入り続けるようなお店作りが可能です。

食事がメインの夜の客単価重視タイプ

高級店とまでいかないまでも、夜行くとランチに比べ一品ずつが高い飲食店というものが存在します。一つには、前のパラグラフで触れた様な敷居の高さを緩和するための宣伝ととることが出来ます。

ただ、夜の客単価が高いお店程ランチの値付けに苦労されると言います。安く設定すると夜が割高に感じられると言います。逆にお高目の値段だと今度は来客数が減ると言います。どこで折り合いをつけるのが良いのでしょうか。

ポイント:

・ランチにはサラリーマンやOLの為に存在するビジネスランチと昔流行ったパワーランチと呼ばれる昼接待の分野が存在します。いかに美味しいと言えども混み合う飲食店にランチではまとまる話もまとまりません。

チョット高くてもちゃんと話をしながら食事が出来る場所というものが必要とされているのです。ランチの数を限定したり、客単価を高く設定することでこういった接待のランチ需要を取り込むことが出来ます。

稼働率は(一回転当たりの席数の占有率)少々落ちますが、客単価を上げることでカバーができますし、お客様も余裕をもって座れますのでいい打合せが出来ます。

ランチメニューにストーリーを持たせる。ある高級フレンチのシェフが賄い飯で作っていた牛筋カレーがランチ時に一品しかないのですが人気になった話です。

このお店では、肉をブロックで購入し、筋の部位などを綺麗にそぎ落として提供するのですが、その捨てていた部位を使ってカレーをランチで提供しています。お値段は安くても十分利益が出るのですが、なぜそのフレンチのシェフがそのカレーを作るに至ったかを置き看板に書くからこそ話題となるのです。まさに一石二鳥です。

以前は、今ほどランチを出す店は多くなかったように思います。デフレ経済が続く中で売上に対する利幅が減った分少しでも売り上げを伸ばす為にランチを出されているお店も多いと思います。

逆に神田のワンコインランチはありませんが、一食当たりの原価率がどうしても高くなり50%近くを占めるようなら思い切ってその分を夜の時間帯で取り戻すことを考えた方が、アルバイトの人件費の節約、オーナー店長やオーナー料理人の方にとっても体力的に楽になります。

周辺の飲食店に比べて自分たちの強みは何か、もっと売り上げを伸ばすためにテコ入れをしなければならない部分はどこかを考える時に、ランチタイムのメニューが一つの軸になります。ただ売り上げの為というのではなく今一度立ち止まって再考してみて下さい。

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