飲食店舗 開業前の皆様からいただく最も多い4つの疑問・質問にお答えします

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慣れてしまうとさして疑問に思わないことでも、初めて接した時には全てが疑問に思えた記憶ってありませんか。不動産業界で長く働いており飲食店居抜き店舗を数多く扱っているとついつい説明を忘れて当たり前のことの様に扱う内容が多くあるように思います。キーワードで検索して来られた方にも違和感なく読み進んで頂けるよう気をつけて参りたいと思います。今回は、一年を通して頂く疑問、質問で最も多い4つをピックアップしてお答えしたいと思います。

1.居抜き店舗で、何十年も経っている内装や設備が高いのはナゼ?

まさに毎日のように頂く質問の一つです。これはは居抜きで飲食店舗をお買いになる側からの質問です。これに対し居抜きで飲食店舗を売る側が思う同じような疑問は、1,000万円以上もかけてスケルトン(床、壁、天井など何もない状態)から造り、まだ3年ぐらいしか経っていない新しい物件なのにどうしてそんなに安いの?ということになります。

さて、業界では、居抜き店舗の売買は、造作譲渡と呼ばれるのですが、その価格の決定プロセスについて業界的には次のように理解されています。

造作譲渡価格は、内装や設備、厨房機器の評価額や再調達価格ではなく、飲食店舗を引き継ぐ際の権利金に似た性質のものである。

売買といえども、大家さんから賃貸物件として借りている訳ですから、もしこのような権利金が発生するとすれば、本来大家さんに払われる筋合いのお金です。これを名称を変えることで大家さんではなく元の賃借人がそのお金を手に入れられる仕組みが居抜き店舗の造作譲渡料と言う訳です。

さて、ご質問の答えとしては、一等地と呼ばれるどんな飲食店でも出たくなるような場所にある居抜き店舗物件は造作譲渡料が高くなる傾向にあり、1.5等地やそれ以下の場所に立地している飲食店の造作譲渡料は逆に開店直後でも値段が安くなる傾向にあります。

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2.飲食店が深夜営業をする上での注意点は?

都内では全ての土地に都市計画で用途地域という制限が設定されています。この用途地域により住宅しかできない地域や工場しかできない地域など細かく指定がされています。よく頂く質問で、深夜12時以降アルコール類の提供をするにはどうすればいいのですか?と質問を頂くのですが、そもそも営業出来る地域とそうでない地域が存在しますので、飲食店を始める前に調べておかないと大変なことになります。

麻布や青山辺りは商業地域と住宅地域が混在している場所です。用途地域が「商業地域」では届出をすれば問題なく12時以降もアルコールの提供が出来るのですが、大通りから一本入った「住居地域」では12時以降のアルコールの提供が禁止されています。実際に、このことを知らずにBARを始められたYさんは、見込みが外れて大きく業態を変えなければならなくなったのです。

もし、一本裏通りは住宅街というような立地であれば事前に店舗のある最寄の区役所へ行き、都市計画課を訪ねて下さい。親切に教えてくれます。もしくは区役所のホームページによっては、都市計画を開示している場合がありますので先にそちらを調べるのもいいでしょう。

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3.飲食店を開業する際、屋上までのダクト工事は必要ですか?

必ずしも必要ありません。予め管理会社や大家様に営業業種を届け出た上で指示を仰ぐのが一般的です。但し、どの契約書にも近隣からクレームがあった場合は、借主の負担でダクト工事を施す等の文言が入っているケースが見受けられます。もし、クレームが発生した場合は、時間をかけて話し合いをするよりも早急に解決されることをお薦めします。なぜなら近隣との関係が壊れることは大家さんとの関係も悪くなることが多いからです。

臭いなのか、煙なのかその両方なのかによりますが、ダクト工事を発注する前に手っ取り早くグリスフィルター、アクアフィルターなどのフィルター類で改善できないか検討することをお薦めします。これらの脱臭フィルターは初期投資が高いものとランニングコストが高くなるものとがあります。高いお金をかけてダクト工事をする前にメーカーや施工会社に効果を問い合わせるなどしてみて下さい。

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4.食材卸や酒卸など、どのようにして選ぶのですか

食材や酒の卸会社を利用するメリットは、少量購入の際でもまとめて購入した場合の値引き価格で購入できるというメリットや、多品種の在庫を持つことなく必要な分だけ届けてもらえる手軽さにあります。

これにより、特殊な食材などを常にストックしておくことで余分なスペースを取られたり、時間が経って廃棄しなくてはならなくなるリスクを減らしてくれます。ひとつひとつの価格の安さも大事ですが、どれだけこまめに食材やお酒を届けてくれるのかが飲食店舗を経営するうえで重要なポイントといえるでしょう。

最近数の増えたネット卸会社は価格が魅力です。よく耳にするのは、冷凍ものや缶詰、調味料などのグロサリーを仕入れるには便利だけれど、生鮮ものの肉や魚といった類は実店舗にかなわないというものです。

二つの良さを上手く利用するとするならば、どちらか1社に限定した取引ではなく、食材別や季節による価格変動により、数社を使い分けるというのが賢い付き合い方です。

酒卸は競争が激しくどこも同じようなサービスのようです。中には、長期契約で冷蔵ショーケースなどの無償貸与をしてくれるところもあります。最寄の酒卸会社数社から相見積を取り寄せて検討することをお勧めいたします。

~まとめ~飲食店舗 開業前の皆様からいただく最も多い疑問・質問

上記の4つ以外にもお金の借り方や確定申告の準備などいろいろと質問をうけたまわります。「店サポ」では、出来る限り皆様の疑問にこたえるべく記事を増やしております。もし疑問に思われるキーワードがございましたら、検索窓に入力していただき検索してみて下さい。少しでもお役に立てれば幸いです。

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