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飲食店の開業準備で食品・酒卸売業者の選定方法と賢いつき合い方

飲食店-食品卸売-酒卸売

Summaryーまとめー

  • 食品卸売業者はどのように決めた?
  • 4つのキーワード別に選ぶ食品卸売業者
  • 酒卸売業者を選ぶ際に知っておくべき事実とは
  • 飲食業態で商品の比較検討しながら常にメインとサブの使い分けをする

飲食店の開業準備は思いのほか大変です。あれもこれも一人でやることになればなおさらです。先達のアドバイスを聞くことが出来ない皆様に為に、これまで飲食店の現場で聞いた卸売業者に関するノウハウを公開します。今回は準備段階のなかでも店舗物件の選定や手直しといったハードの部分ではなく、食材やお酒の仕入れなどソフトの部分を中心に開業までの準備と付き合い方をチェックします。

食品卸売業者はどのように決めた?

物件の選定が先か食品を仕入れる卸業者の選定が先かと迷うところです。これまで飲食店を開業される方に同じような質問を繰り返し聞いてまいりました。物件を探されている時点で食品の卸売業者を決めてらっしるという方が大半でした。理由として多かったのは、「以前から付き合いがあり独立する際にはいろいろとこれまでの様な便宜を図ってもらえるから」というのが一番多かったように思います。

初めて飲食業界で開業しようと考えている方はそのようなルートは当然なくご自身で開拓していかなければなりません。さて、どれも同じように見える卸売業者ですがいくつかのキーワードを頼りに調べてゆくとその違いが見えてきます。

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4つのキーワード別に選ぶ食品卸売業者

ここでは実際に食品卸業者の選定について、4つのキーワードを頼りに考えてみたいと思います。

 1.ルーツに立ち返ってその卸売業者の強みを知って選ぶ

食品の卸売業者はどれも似たり寄ったりと思われるかもしれませんが、取材をしてみると意外な横顔が見えてきます。

今では総合食品卸と看板を上げていても最初は専門店からスタートしているところが大半です。魚屋、魚卸、精肉店、肉卸、乾物卸などそのルーツは様々です。それらの専門店が現在食品の総合卸に発展したからと言ってどこも同じかと言うとそうではありません。かつての専門店のコダワリを今でも持ち続けているところがほとんどなのです。

年商120億円程の中堅食品卸売会社は、もともと鳥肉を専門に扱っていた精肉店がルーツです。現在でも独特のルートで仕入れた高級ブランド肉を卸してくれます。焼き鳥店を始める方には願ってもない卸売業者です。逆に弱点もあります。鮮魚に弱く加工したものしか扱えていません。

もう一社築地で魚を扱ってきた卸売業者は鮮度の高い魚には強いのですが、ブランド肉や加工肉製品は扱っていないという弱点があります。

さて、上記の様な卸売業者に対しどのような取り組みをすればよいのでしょうか?

  • ご自身の店で提供する看板メニューにふさわしい食材を扱っている
  • 安定的に供給してくれる

この2つを兼ね備えている食品卸売会社を一番に選ぶべきです。

 2.配達回数と商品のストック可能か否かで選ぶ

食材は毎日届けてくれる訳ではありません。週に3回や2回というところが都内ではポピュラーです。以前は週3回が一般的だったのですが、デフレの時代に卸売業者が考え出したコスト削減の一つとして配達回数を減らしたのでした。その代り、届ける食材が無駄にならないよう季節や曜日で納入量を変える提案などをしてくれるようになったそうです。

この食品卸売業者の最大のメリットは「少量多品種の安定供給」にあるのですが、もちろん大量に仕入れて安く買うことも可能です。といっても、小さな店舗では大量に買った食品をストックスしておくことは到底無理でしょう。ここから卸売業者との交渉です。

大量に仕入れた食材を卸売業者の方で預かってもらい必要な分だけ届けてもらうのです。なかには受けてくれないところもありますが、一度聞いてみる価値はあります。

 3.プライベートブランドの豊富さで選ぶ

開業の強い味方になるのがこのプライベートブランドと呼ばれる加工品たちです。

はじめは胡椒やマヨネーズの様な調味料から始まり、グロッサリーなどの乾物にうどんやそばと言った食品など、大手が販売するよりも安く、もちろん同等の味で提供してくれます。最近は揚げ物や焼き物用の加工品も数多く作られるようになっています。

イタリアンやフレンチのお店用に最近は海外で加工したものをプライベートブランドで安く販売する卸もあります。各社特徴を打ち出して差別化を図っています。

これには訳があります。加工済商品を販売すのに比べ自社での開発商品はコストを抑えることができますので利幅が増えるメリットがあるからです。

飲食店にとってプライベートブランドの利用価値はその価格にあります。名の知れた加工メーカーの商品に比べ1~2割安く購入できます。つまりその分飲食店の原価率が下がり利益が出やすいということです。根気よく調べましょう。

 4.食品卸売業者を紹介するサイトの注意点

不動産のポータルサイトや不動産会社のHPを見ると、食品卸売業者のバナーが張ってあったり、ストレートに推薦するページを持っているサイトを見かけます。

これらは全て、そのサイトを運営する会社と食品卸業者が繋がっていて、仮にそのサイトを通じて取引を始めることになったとすれば、売上の数%がそのサイト運営会社にバックされる仕組みとなっています。つまり本来買える金額より高く買うことになります。

直接食品卸売業者に取引の依頼で電話を入れるとしつこく誰の紹介か聞かれることがあります。その会社はどこかの不動産会社などと提携しているとみてまず間違いでしょう。

開業前に必ずやっておきたい 飲食店のマーケティング

酒卸売業者を選ぶ際に知っておくべき事実

 1.酒の卸売業者は競争原理が働かないという事実

現在、酒卸売業者の免許はいくつかの種類に分かれています。以前は、複数のエリアにまたがって大量に仕入れて、大量に売ることのできる卸売業者にしか国は酒販免許を与えてきませんでした。

傍から見れば、酒卸売の看板をあげていれば何処も同じように醸造所からお酒を仕入れて卸しているのだと思われがちですが、一部の大手酒卸が大量にお酒を買って中小の酒卸業者に再販売をしているというのが実は実態なのです。最近ようやくその規制が緩和になりましたが、まだまだ大きな参入障壁となっています。この大手が中小の酒卸にお酒を売る弊害とは競争を阻害する要因でもあります。

大手も中小も同じように酒を飲食店舗に卸すのですが、酒を卸してもらっている中小は大手の販売金額に文句が言えないのは当たり前ですし、仮に中小の方が安く卸すようなことをすれば、途端にお酒を回してもらえなくなるからです。その為価格競争が起こりにくい業界だと言われています。

 2.ビールの販売単価は交渉次第、交渉のテクニックも

端的に言って、大量に仕入れる飲食店舗程ビールは安く買うことが出来ます。

実績次第で単価は変動しますのでここは交渉の余地がおおありです。ただ、酒卸業者さんの言い分では、ビールだけを販売していたのでは会社は潰れてしまうと言っています。日本酒や焼酎や洋酒にワインなどをバランスよく卸すことで利益が出るのだそうです。そのあたりを知ってビール交渉をするのが頭のいい交渉です。

 3.酒卸売業者による飲食店の囲い込み

昭和の時代から酒卸売業者は飲食店の囲い込みをやってきました。今でも契約をすると、ジョッキクーラーやクーラーボックスを無償で貸与してくれます。

特定のビール会社と契約をすれば、ビールサーバーを無償で貸してくれるのと似ています。明治、大正の昔から営業をしている老舗と呼ばれる酒卸でも、契約を交わしクーラーボックスを無償で貸与してくれます。その代わりに、他の酒卸から酒を買ってはいけないという禁止条項が契約に盛り込まれます。

そのような縛りのきついところは徐々になくなりつつあるようですが酒卸売業界がいかに閉鎖的であるかを知る話です。一般的に何社か見積もりをとって比較するのが本来なのですが、少量のお酒しか扱わない飲食店舗はそもそも相手にしてくれない場合もあります。

 4.酒卸売業者選定のポイントはどこに

最近ビール一本から配達しますと言って取り扱いを拡大させている酒卸売会社があります。ヒントはここにあります。

飲食店舗は基本少量多品種で、手間がかかるものです。急に宴会の予約が入ればストックを置いておけないお店はお酒を届けてもらわなければなりません。そんな時は、大手と違い自前で配送をしている中小の卸売業者が便利です。配達のサービスドライバーが営業マンのような役割もこなし困った時に無理を聞いてくれると言います。つまり小回りの利くところが小さな飲食店舗にはお薦めなのです。

価格、商品で卸売業者を使い分けるという考え方

肉のハナマサ、酒のカクヤスなど業務用販売と一般販売を並行して行うことで人気を博しています。特にカクヤスは少量の注文でも配達をすることで話題になりました。

でもすべてをそこに任せられるかと言えばそうではありません。仕入れのコストから言えば便利だが少々値段が高いそれらのお店は、困った時にちょっと補充するのにもってこいの存在だと言います。

~まとめ~飲食店の開業準備で食品・酒卸売業者の選定方法と賢いつき合い方

初めて飲食店を開業される方は、特定の卸売業者に依存しがちです。ベテランの飲食店経営者の皆さんは、いいもの安く仕入れる為に常に比較を怠りません。なぜなら、キャベツ1個の価格差であれば微々たるものですが、数店舗分を一括して仕入れるとすると年間で大きな差となるからです。

また、卸売業者をメイン(通常仕入れる卸売業者)とサブ(困った時や価格高騰時に仕入れる卸売業者)の使い分けは飲食店の業態によって随分変わると話される飲食店経営者は数多くいらっしゃいます。そもそも利益率があまり高くない飲食店ではこのあたりのやりくりが繁盛店へのコツだといえるでしょう。

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