ゴールデンウィークが終わる5月の第2日曜日は 母の日 です。 母の日 と言えばカーネーションなどの花を送るのが定番です。
コロナ禍に入る前は、 母の日 までの1ヶ月半で年間売り上げの3分の1を稼いでいたそうです。この3年売れ行きが低迷した生花業界も久々の売上復活と期待をしているようです。
また、ここ数年、母の日に新しい傾向が出始めています。 母の日 というイベントと飲食店との新しい関係が出来つつあるのです。この流れから新しい集客宣伝に利用していただこうと思います。
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データに見る母の日の贈り物の傾向は
あるアンケートによると、 母の日 に何かプレゼントを贈ることを決めている人は56%に上るそうです。さて、ここで言う母の定義ですが、9割近くの方がご自身の母親を指しています。以下義理の母が4割で続き、男性からは奥様をあげる方もいらっしゃいます。
こののように中身を詳しくみてゆくと、 母の日が日ごろお世話になっている女性への感謝の日ととらえていることがうかがえます。
故に、既にご自身の母親が他界されていている場合など感謝の対象が奥様ということになるようです。
母の日の予算、贈りものには如何ほど?
- 3,000円未満 ・・・ 37%
- 3,000 ~ 5,000円未満 ・・・ 48%
85%の方が予算を5,000円未満と考えています。
何を贈りますか(贈り手の希望)
- カーネーション ・・・ 31%
- ケーキ・お菓子 ・・・ 26%
- 花・観葉植物 ・・・ 24%
これに対しもらい手であるお母さんの希望はどうでしょうか?
- レストランで食事 ・・・ 27%
- ケーキ・お菓子 ・・・ 26%
- カーネーション ・・・ 17%
いかがですか?送り手ともらい手の気持ちに微妙なずれがあることがわかります。ここで注目してほしいのはお母さんが食事を一番に希望していることです。
母親 世代別贈って欲しいものランキング
30代~40代
- 1位 手紙・メッセージカード
- 2位 いっしょに外食
- 3位 いっしょに旅行
50代~60代
- 1位 いっしょに外食
- 2位 いっしょに旅行
- 3位 洋服・小物
母の日に送られたいものの傾向が如実に出てきました。
Twitterにみる 母の日 ワードの変化
母の日 のプレゼントについてワード数の推移を調べた結果が出ています。以下の通りです。
- 1位 「花」
- 2位 「ご飯」
- 3位 「手紙」
数年前までは、「バッグ」、「ケーキ」といった「モノ消費系」の言葉が並んでいましたが、最近では「ご飯」「手紙」といった「コト消費系」の言葉に置き換わってきています。
この傾向の裏には、送り手の育ってきた背景が影響しているようです。小さいころからクリスマスやお正月は家族そろって家で過ごすことが当たり前だったことが、大人になり 母の日の送り手になったことで生まれてきたようです。
また、2011年の大震災以降、コト消費の傾向が加速したと言われています。記念日を大事にし、家族や親しい人同士間でより感動を与えられるものを大事にする傾向が益々強くなっています。
飲食店舗の取り組み
あるグルメサイトを使って実験をしてみました。
「東京都」「母の日」と二つの言葉を入力してみます。結果は、57件の飲食店がヒットします。
今度は「東京都」「クリスマス」と入力します。結果は、1,183件でした。
母の日 の需要があるにも拘わらず飲食店舗の取り組みは5分の1しかないことが分かります。まだまだ少ないと言えるでしょう。逆に言えば各店舗がこぞって 母の日 プランを展開すればお店には予約が入ることは想像に難くないでしょう。
なぜって?さっきのお母さんの送ってもらいたいランキグをもう一度ご覧ください。
1位、2位は飲食店そのものです。お店側では、記念の写真とお店からカーネーションのプレゼントをつければ完ぺきではありませんか!
母の日 の行方
ある新聞社の調べで、 母の日 の経済効果は1,170億円との試算が出ており、父の日が580億円と約半分になることが発表されています。
これまでカーネーションやモノのプレゼントに大半が消費されていましたが、急激にコト消費にシフトしていることが分かりました。今後もこの流れは変わらないでしょう。
そのコト消費ですが、クリスマスやお正月が家族で過ごすのに比べ、 母の日 は同じコト消費でもお母さん一人の為に家族それぞれが感謝を示すものだけに、外での食事など多少のわがままも十分通ります。
さらに興味深いデータが出ています。子供さんやご主人、別々に 母の日 をお祝いしてあげたいと考えている人が実に50%を超えているのです。
感謝を受けるお母さんは5月の第二日曜日の前後に何度も食事に出かけることになるかもしれません。そうともなれば、和食にフレンチにイタリアンと選び放題です。
つまり、どの飲食店にとっても一日で終わるクリスマスやバレンタインデーと違いゴールデンウィークあたりから長く続くイベントになってゆくと考えられます。
飲食店がこのチャンスを生かさない手はないでしょう。