飲食店の集客で重要な役割を担っている看板。そのノウハウを徹底解説いたします。
- 看板のデザインどうしよう
- 看板の文言はどうしよう
- そもそも訴求点なんだっけ?
飲食店の看板制作において、上記のようなお悩みを持たれる方も多いと存じます。本記事では、飲食店の集客で看板作りのノウハウについて、フォーカスしお伝えしていきます。
Contents
飲食店の集客と看板は深い関係にあります
店内レイアウト、素材、料理とこだわりの飲食店ができた、それなのに新規お客さまの来店数が伸びない。原因はどこだろうか…。
盲点なのがお店の看板かもしれません。ここをうたがってみましょう。なぜなら
飲食店の集客は看板の作り方に左右されるからです。
このような例があります。
10年以上もその場所に設置してある飲食店の看板。あるラーメンチェーン店のもので、注意をして街をながめていると結構見かます。
ところがその看板の書き出しは「中華」と書いてあり次に「焼肉」という文字が並びます。メインの場所には大きく商品名とチェーン店名が入っています。
それを見たある人は、中華料理のお店だと思い、ある人は焼肉店だと思っていたようです。有名なラーメン店の割には欲張った表示をしたせいで勘違いされています。
飲食店の比較的シンプルな看板でも人によって取り方が異なることが期せずして露見した事例です。
世の中には宣伝方法や看板のあり方を書いた記事を目にすることはあるのですが、そもそも何を看板で訴えればよいのか迷うことがあるのではないでしょうか。
はじめに、「看板でなにを訴求すべきなのか」というところから考えていきましょう。
飲食店の「宣伝」をする固定看板の弱点
飲食店の宣伝をする役割の看板。
例えばお店の入り口上部に掲げられている巻き看板、前面通りに突き出すように設置されている縦長やスクエアの「袖看板」、お店が通りから奥まっている場合の自立型看板の「ポール看板」などいくつもの種類があります。
今回は可動式のA型看板やタペストリーなどとは区別して固定設置タイプの看板に焦点を絞って考えたいと思います。
この設置看板にはいくつかの共通点があります。実はその共通点こそが悩みの種であるのです。
まず、これらの看板は飲食店がオープンする際に内装工事と一緒に施工されのが一般的です。また、お店の顔となる為ロゴやトレードマークなどを人に頼んでデザインしてもらうことが多く一度設置すると長い間更新されないという共通点があります。
飲食店がオープンする際の看板をどこまで考えて制作したのでしょうか。
つまり、お店の存在を知らせる目印としてだけの機能しか考えていなかったとなると相当売上を損している可能性があります。
冒頭のチェーン店を例に出すまでもなく何のお店かわからないものでは看板本来の売上貢献度は半減です。
もしこれから飲食店をオープンされようとしているなら、今後長きに渡り飲食店の宣伝塔として集客をしてくれる看板の依頼に際しどのような要素を含めるべきかよく吟味してオーダーすべきです。
飲食店看板制作のヒント① お店に来店する理由
ここまでお読みいただいても、店名とロゴと提供する料理以外に思いつかないという方も多いことでしょう。
ゆっくり考えてもそうなのですからましてやオープン前の忙しさでは看板まで気が回らないというのが正直なところです。さて、その絡まった思考をひも解きながら話を進めたいと思います。
最初に考えなければならないことは、店名と飲食の業種以外に盛り込まなければならない要素です。それは、「お客様がお店に訪れる理由」です。ここは大事な整理です。
今後の飲食店経営の根幹をなす部分です。まずは自分自身でその答えを考えてみて下さい。居酒屋だからとか洋食屋だとかいうのでは答えになりません。何を提供するからお客様がわざわざ来店しお金を払いリピーターとなるのかまさにその理由です。
この街には一軒も無い業態であったり、同じ居酒屋でも食材の産地にこだわった料理を提供するお店であったり、リサーチの結果周辺で一番安い価格帯で勝負するお店だとか、高付加価値キーラーコンテンツで勝負するとか、立ち飲みスタイルで夕方早くからオープンのお店にするだとか必ず街に受け入れられる内容を看板で自分たちの強みとして伝えるのです。
それこそがお店のアイデンティでありウリなのです。ただ思い入れのある店名と何の料理を出す店なのかだけでは何も伝わりません。
そこには、こだわりと強みを書き入れることでお客様はその言葉、内容に惹かれて来店されるのです。
飲食店看板制作のヒント② 修飾語の活用
店名に提供する料理そして自分たちの強みが出たところで更にその言葉をパワーアップする必要があります。例えるなら、表情をつける、シズル感を出す、期待させる、差別化すると言った修飾語を添えるとより効果的です。
表情をつける
「旨味が詰まった」、「キリっと美味しい」、「今までにない濃厚さ」、「こんがり」、「ホクホク」など味に表情が付くような言葉を添えることで人は自分が体験した味や料理と無意識のうちに比較をします。その記憶を呼び覚ますことが出来れば集客出来たも同然です。
シズル感
例えば調理方法でいえば、「備長炭でじっくり焼いた」だとか、「注文を頂いてから土鍋で炊いた」だとか身近にはないけれどもイメージとして想像できる内容が唾液を誘います。
また、こだわりの素材なども効果的です。「丁寧に育てられた宮崎産尾崎牛」と書いたり、「三陸は宮古港直送」とか同じ食材や料理でも受ける印象が格段に変わります。
期待感
第三者評価を看板に入れるのも分かりやすいでしょう。絶品とか極上とか自他で評価した等級を修飾語として付けるのもいいのですが、「世界が認めたとか1000年続く伝統の味」だとか具体的な言葉が道行く人の興味をそそります。
差別化
ある意味一番分かりやすいかもしれません。量や価格、バリューといったものを表現します。「ボリュームたっぷり」、「一串80円~」、「豪華マグロ3点盛り800円」など具体的に表現することでお店の商品を具体的にストレートに訴求することが出来ます。
飲食店の集客看板は「シンプル&インパクト」で
冒頭のチェーン店の看板でもあったような誤解を招かない為にも内容は吟味したうえで一番勝負したい部分を表現しましょう。あれもこれもと欲張ってはマイナス効果です。
さらに訴えたい内容や料理があったとすれば、A型看板やタペストリーなどに内容を分けて見せた方がお客様はインプットしやすいものです。
また、インパクトという意味ではドギツイ色の組み合わせというのではなく目立たせるところとそうでないところのメリハリを心がけて下さい。
特に看板制作のヒント②でお話しした修飾語などはなじみやすく、この一言だけは色を変えたり、文字を立体的にするなど強調する工夫やフォントなどの字体を変えて目立たせる工夫などが良いでしょう。
飲食店の集客看板に「地名を入れる」効果とは
最近では、店名に地方都市の名前を入れる飲食店が増えているそうです。都内で見かける福岡〇〇や北海道〇〇、能登〇〇など、地名が書かれているだけでその土地の名産品や郷土料理に地酒などを連想させる上手いやり方です。つまり看板効果と同様な発想が店名のネーミングにも生かされているということなのです。
その意味で看板のインパクトやお店のネーミングが一番伝わるのがラーメン業界や居酒屋業界ではないでしょうか。
素材や味付などが一瞬で分かる工夫が凝らされています。もし気になった方は今一度ラーメン店や大手の居酒屋の看板をじっくりとながめてみて下さい。きっといいヒントが見つかります。
飲食店はお客様目線での看板作りが大切
エゴを押し付けた看板制作は上手くいきません。
- 自分がお客さんだったらその看板を見て惹かれるか?
- 他の人気店に比べてどこが同じでどこが違うか?
- 見込み顧客の評判はどうか?
- 看板を見て訴求点がすぐにわかるか?
これらの質問に基づいて、お客様が来店する理由の明確化と修飾語の活用、シンプル&インパクトの法則を整理し長く活躍してくれる看板作りにいかしましょう。