食べたり飲んだりできる「馴染みのお店が一軒あるだけで幸せな気分にしてくれる」といった作家がいました。本当にそうだと思います。またその店に連れて行った人がお店を気に入ってくれると幸福度は一層増します。そんなお店に選ばれる要素で特に気を配りたいのが季節感です。今回は和・洋・中に拘わりなく参考にして頂けるヒントをいくつかご紹介いたします。
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飲食店の衣替えとはなにを工夫すべきか
お店で給仕をする仲居さんにウエイター、ウエイトレスさん、どのお店でも秋冬服から夏服に衣替えをすることと思います。夏は白や薄い色をベースにあまり色を多く使わない方が涼しく清潔に見えるものです。
高級店ではクリーニング仕立ての制服を用意して、まめに着替えをしているようですが、一般的にはなかなかそうはいかないものです。
もっと言うと制服など用意していないというところも少人数のお店だとあるように思います。では季節感はどのように演出すれば良いのでしょうか。
座布団・クッション
居酒屋の椅子や靴を脱いで上がる個室があるお店で気になるのが座布団です。意外と気が配られていないと感じるお店を見かけます。まめに洗い清潔感が求められるにもかかわらず、くたびれたせんべい座布団が敷いてあるぐらいならない方がましです。
まめに洗濯をして頂きたいのですが、この座布団カバーを衣替えするとお店の雰囲気ががらりと変わります。今の季節に「い草」や「麻」が入った素材を使えば肌触りや座った時の清涼感が夏らしくてとてもよいと思います。ともかく手を抜かずに洗濯してください。
最近カフェなどで流行のソファー。クッションが置かれているのはお約束です。このクッションも座布団同様夏物に衣替えです。色や素材でソファーが引き立ちます。座布団と違い夏は明るいソリッドな色の方が映えます。
椅子の背もたれカバー
木製や革張りのスツールに夏場だけ白いカバーを背もたれの部分だけかけるのも涼しげで夏の演出になります。最近でもお見掛けするのが高級鮨店などです。白く少々厚手のコットンで背もたれを掛けるだけでお店の雰囲気は見違えます。必ずアイロンがけをしてご使用下さい。
冷えたおしぼりのサービス
最近はウェットティッシュの普及によりどの飲食店も使い捨ての紙おしぼりを出すようになりました。価格は貸しおしぼりの20分の1ですから無理もありません。
でもあのよく冷えたおしぼりの使い心地はたまらないのもがあります。夏のトップシーズンだけでもキンキンに冷えたおしぼりを出してみるのも季節感のあるサービスです。
お店の外と入口付近
夏は打ち水です。一説には温度を2℃程度下げる効果があると言います。客席が土間や石ならあまり多くの水を使用せず、手ですくう程度でOKです。
後は軒先。夕方の開店直前にまけば効果は絶大です。理想は直射日光が当たらない場所にまくのがベストですが、日が落ちてからなら大丈夫でしょう。間違いなく夏の気配りがお客様に伝わります。
タペストリー、のれん
お店の顔となるタペストリーやのれん。ここも汚れが目立ちやすく折角の特注品も台無しとなる部分です。洗い替えを用意するほど余裕はないとお考えの方が多いなかで、思い切って色違いを用意されてみてはどうかと思います。
お店が夏仕様になったとアピールになります。夏の新メニューのお披露目と併せてやれば集客力はアップします。
照明の調整
店内を模様替えすると今までの照明の明るさでは、居心地が悪く感じられるかもしれません。そんなときは照度や明るさの色合いを変えて見ましょう。
照明の明るさを変えられるボリュームスイッチがあれば手っ取り早いのですが、もし設置されていない時でも大丈夫です。明るさの色合いを変えましょう。昼光色 昼白色 白色 温白色 電球色などいろいろなものが出ています。思い切って夏色に挑戦してみてはいかがでしょうか。
~まとめ~
長い期間店内や外回りの模様替えをしてこなかったお店ですと、一ケ所、二カ所を変えることでなんとなく全体のバランスが取れなくなり、結局いろいろと手を入れることになります。
それはそれでいいキッカケになることは間違いないでしょう。普段は気付かないことが(お客さんは目ざとく気づいている)わかるいいチャンスととらえて取り組んで頂きたいと思います。
その努力は必ずお客様に伝わります。是非季節感を大事になさって下さい。なんといっても日本には素敵な「四季」と言うものがあるのですから。