昭和の時代結婚式といえば専門の式場を利用するのが定番でした。昭和から平成に移る頃から結婚式と披露宴会場が別々になり、教会での結婚式のあとホテルやフレンチレストランで披露宴が定番となって来ました。平成も10年を過ぎるころから邸宅でのウエディングを模したハウスウエディングが流行はじめましたが、最近の披露トレンドはコロナの影響もありまた新しい流れが出来ているようです。
タイトルにある6月と言えば、ジューンブライド。この季節に結婚式を計画するカップルは今も昔も多いと言います。そもそも国民の休日がない6月は海外旅行をする人が落ち込む時期です。そこで結婚式を挙げたカップルを取り込もうと両業界が考え出したキャンペーンだと思っておりました。
そんなジューンブライドも今ではすっかり定着し、逆にウエディング関係の出版業界やウエディング施設業界はこぞってこの言葉で毎年特集を組んでいます。
今回は、洋風の飲食店業界だけが潤っているように思えるウエディング関係ですが、昨今和のテイストで披露宴を盛りあげる流れが出ています。今回は和食とウエディングの関係について考えてみたいと思います。
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昨今の披露宴事情
そもそも欧米の披露宴を模したハウスウエディングは、「人とは違う」、「結婚する当事者で考える」というところからスタートしています。ところが、最近では以前の結婚式場のごとく増えたハウスウエディング会場、もはや人と違うハズが人と丸被りになってきています。こうなると人と違う披露宴をしたい派は別の事を考え始めます。ここが第一の変化です。
もう一つ変化があると言います。晩婚化が叫ばれ始めて久しい日本ですが、リーマンショック、就職氷河期などを経て、なんらかの事情で披露宴をしなかったカップルが最近になって披露宴をささやかに行うケースが増えていると言います。
そこへコロナによる大勢の披露宴の自粛や、食事制限などなかなか人が集まる環境が持てなかったのですが、ようやく感染者も減少のトレンドに入り食事会のスタイルで行われる披露宴が増えつつあります。
どちらも出席者は気の置けない友人ばかりでそれぞれにお子様連れといことも珍しくないと言います。
また、日本人の離婚適齢期が30歳から34歳という記事もあったように、離婚後再婚をしても派手な披露宴は行わず内々で行われることも多いようです。
いくつかの事情が重なり合って、これまで洋装の披露宴一色だったのが和装や和食のテイストをいれた披露宴が増えていると言うのです。差別化もここまで来たかという感じです。
飲食店が出来る披露宴とは
一口に披露宴と言っても飲食店のサイズ次第で考え方が大きく違ってきます。ましてや居酒屋で披露宴をやるのかという疑問の声もあるでしょう。これからあげる内容は実際に披露宴でおこなわれているアイデアばかりです。参考にすればこれまでになかったお客様が開拓できるかもしれません。
特に力を入れている部分がメインイベントのケーキカットです。多分ここが一番差別化できるところでしょう。
カツオ一本化カット
ケーキの代わりに水揚げされたばかりのカツオを一本丸ごとまな板に乗せ、新郎新婦お二人で入刀します。その後は板前さんが解体ショーを行いさばきたての刺身を参加者全員で食べると言うものです。新郎はタキシードの上からハッピにネジリハチマキで会場は盛り上がります。
餅つき
ケーキカットは結婚した新郎新婦の初めての共同作業という位置づけですから拡大解釈をすれば縁起をかついで食べるものを使ったセレモニーであるなら許されるものです。ましてや二人で杵をつき、式に参加された人たちも参加してつきたてのお餅を新婦から新郎に食べさせると言うのもおめでたいものです。
鏡開き
古来おめでたい席での鏡開きはある意味伝統行事でもあります。お二人が木づちで酒樽の蓋を割るのは正にケーキカットそのものです。また、会場にお出での皆様からも一緒にお約束の掛け声をかけて頂ければ一層場は盛り上がります。もちろんその後は枡にお酒を取り分けて改めて乾杯でもいいでしょう。
鯛の塩釜割り
余り大きな会場でなければこの鯛を使った塩釜焼の焼き上がった外側を木づちで割る作業も十分おめでたくケーキカットの代わりになります。これならシェアして食べて頂くことも可能ですし。何人かに一皿でもいいでしょうしご予算次第といったところでしょうか。
肉のブロックカット
若干洋風ではありますが、ローストビーフのような大きな肉の塊にナイフを入れるセレモニーもあります。もし和風の飲食店でジックリ焼く機器が無ければ近くの洋風店に協力してもらいましょう。きっといい関係が出来ると思います。
簡単に出来る他にはない演出
これまでメインイベントのケーキカットに代わるセレモニーを考えてきましたが、そこまで気合を入れなくても差別化が出来るアイデアが他にもあります。
いつも取引がある酒屋さんに頼んで、野球場などでビールの売り子さんたちが背中に背負っているビールサーバーを借りるのです。新婦のお色直しをしたタイミングで新郎がビールサーバーを担いで登場し、キャンドルサービスならぬビールサービスをして各席を回るという嗜好です。もし贔屓の球団があればそのユニホーム姿もまたいいものです。
もう一つ6月ならではのサービスがあります。昔懐かしいカキ氷をデザート代わりに出すのです。その際機械ではなく手で回す昔ながらのタイプが雰囲気を盛り上げてくれると思います。場合によっては、お客様ご自身で体験してもらうのも楽しい思い出になると思います。
~まとめ~
ジューンブライドを利用して企画で披露宴を呼び込むアイデアを考えてきましょたが、発想は共通しています。メインとなるものは「口に入るもの」、「縁起の良い物」、開く(割る)といったことが含まれるものとなります。それ以外ではインスタ映えする、人に自慢できる写真が撮れることが一番の差別化となります。
これまで結婚式の披露宴や二次会は洋風飲食店の独壇場とあきらめていた和風飲食店の皆さん。工夫次第で潜在的なニーズはまだまだあります。元号が令和になって早4年。ウイズコロナの今こそ新しいアイデアで勝負しましょう。