繁盛店は知っている 人気店の料理研究とは

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繁盛店は知っている 人気店の料理研究とは

年によって料理や飲食店の運営スタイルに流行が生まれます。一時期のブリしゃぶしゃぶ鍋やローストビーフを使った丼物、最近ではキッシュやタルトもあればパンケーキまで幅広く流行が生まれています。海外からの進出もあれば地方からのオリジナルメニューが東京に進出してくるケースもあります。また、スタイルの方では、何百円均一を売りにする居酒屋が流行ったかと思えば高級食材を使った料理やステーキを立ったままで食べさせるものや、BARという表示で「バル」と読ませる洋風居酒屋が最近では目立ちます。こちらは、雑誌で紹介される人気店をコピーしたり、一捻り加えて似たスタイルだが別物感を演出する物まで様々です。

意外と新しいスタイルというのは、初めてお店をオープンされる方のアイデアよりも、数店舗経営されている法人が新業態としてチャレンジするなかから生まれてくるものが多いように思います。これに対し料理は、料理人により生み出されるもので本来個別性が高いはずなのですが、瞬く間にトレンドになって行くのにはある理由が存在するようです。今回は、料理人が密かに行っている研究の実態についてお話を伺いました。

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料理人T.Tさんの場合

北海道から東京に出て来られて料理の修行を続けていらっしゃるT.Tさん、ご専門はイタリアンです。料理のトレンドや新しいメニュー開発についての取り組みを伺ってみました。

Q.どのような形で勉強されていますか?

A.毎日料理をベストな状態でお客様に提供することに一番気を付けています。その中で情報を取り入れると言ってもなかなか大変です。料理人の専門誌である「料理通信」は参考に読んでいます。

別の料理人からも料理通信を定期購読しているという話は伺ったことがあります。

Q.他に参考にされることはありますか

A.他店に客としてお邪魔して実際に食べるということをよくします。

ただ食べるだけでも刺激を受けますのでいろいろと気づきがあるのですが、何かを参考にさせて頂きたいと思う時は、予め誰かに紹介を受けてからお邪魔するようにしています。カウンターなどお店の料理人とコミュニケーションがとれる席がある場合はそこで食事をしながらお話を伺います。厨房に入ってらっしゃる時はタイミングを見て声をかけさせていただいてます。

Q.企業秘密でもあるレシピをそんなに簡単におしてくれるものなのですか?

A.だからこそ紹介をもらってからお邪魔しています。それと共通の知り合いがいることが分かっている場合は、特別に紹介をもらわずともお邪魔して話を聞いてきます。もっと言うとこの飲食業界では、料理のコツやちょっとした隠し味など聞かれたらそっと教えるというのが暗黙の了解みたいなところがあって、実際自分の店を訪ねて来た料理人がいれば何でも教えます。

どうやら流行の料理が急速に伝播する仕組みの一端が見えた様な気がします。

最近気になること

ところで最近気になることがあると話されていました。以前に比べ料理人のレベルが落ちて来たと感じる時があるそうです。それを感じるのが食材の使い方だというのです。例えばこの夏の台風の影響で秋から野菜が高騰してどのお店も材料のやり繰りに知恵を絞っているというのに、何の工夫もせず以前のまま調理しているお店が結構あるというのです。彼曰く、スープの出汁をとる野菜の量を減らしてみたり、付け合わせやサラダを構成する野菜の量を減らしてみたり明らかに店側で量を減らしていることが分かるお店が存在すると言います。本来なら価格の影響の少ない野菜や根菜などを取り入れてボリューム出すだとかメニューそのものを変えてレベルを落とすことなくお客様に満足いただける内容を維持するのが料理人の務めだと力説されていました。

同じようなお話で、その日に安く手に入る食材をみて料理を考える料理人が少なくなっていると話されていました。良くも悪くも食材を卸す会社から料理の手間を省く様々な食品が提案され、あるのもは温めるだけで完成したり、あるものはフライヤーに時間通り入れるだけだったり、またあるものは解凍するだけでお客様に提供できると言います。確かに、食材の仕入れの手間や廃棄する部分が無くなる分コスト的にも安定します。なにより調理の時間が大幅に減る為少人数での飲食店運営を可能にしていると言います。ただ、悪く言えばファミリーレストランで食べるようなどこに行っても同じ味となるこの調理方法に飲食業界の危機を感じるとのお話でした。

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他にもこんなことを話されていました

現在の飲食業界における料金体系ではいいものは造れないというのです。海外でも修行経験のある彼は、日本の料理は安すぎるというのです。パリでもニューヨークでもランチは1,500円ぐらいが当たり前なのに日本ではその半額でしかないばかりか、更に価格を下げることを前面に打ち出すナショナルチェーン店は日本の食文化を破壊すると言い切っています。仮に今まで通りの価格でしかお客様が来てくれないとするなら、いい人材が集まる業界にならないというのです。つまり、収入が増えて行かないことが原因だと言います。一握りの高級店は別として一般的な飲食店はナショナルチェーンから価格の主導権を取り戻し利益を生む業界にリセットしたいと意気込まれていました。

一昨年ファミリーレストランがアベノミクス効果を得て値上げに転じたという飲食業界にとって明るいニュースがありました。今その流れはもとのデフレ状態に返りつつありますが、来年2月からはプレミアムフライデーといって月末の最終金曜日は午後3時に会社を終えて、買い物や食事に繰り出そうという政府肝入りの試みがスタートします。この年末年始はハッピーアワーよりはやく始まるプレミアムフライデー対策を考えて見るのはいかがでしょうか。

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