飲食店「焼肉」プロが教える居抜き店舗物件活用法とチェックポイント

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  • 焼肉業態を買う立場で気をつけるポイント
  • 焼肉業態を売る立場で気をつけるポイント

都内の大家さんで焼肉、カレー、中華といった重飲食業種を嫌う方は結構いらっしゃいます。その理由をうかがうと煙、油、臭いのお決まりのフレーズが返ってきます。そこで意地悪な質問を敢えてしてみます。焼肉なら賃料を今よりも高く設定できますがどうしますかと。明らかに迷いの表情を浮かべられますが、やっぱり嫌だとなることの方が多いですね。

実際に居抜きで焼肉店を探されている方の数に比べマーケットに出てくる居抜き物件の数が少ないものですから人気となっています。ゆえに、立地や程度が良いものは少々賃料が高くてもOK、内装・設備を買取る価格が少々高くてもOKという方が数多く出てくるのです。

さて、そんな人気の焼肉店舗居抜き物件ですが、やっと出会えたからと言って飛び付いてしまうと大きな痛手を負うことになります。今回は、居抜き物件を買う際の注意点、逆に高く売る為のポイントをプロの視点でまとめてみました。

飲食店居抜き店舗を高値で売却するたった5つのポイント

飲食店「焼肉」業態を居抜きで借りる場合のチェックポイント

一般論として、飲食店を居抜きで借りる場合の注意点は、下記を参照頂き今回は焼肉店の居抜きに限って発生する問題点に絞ってお話します。

飲食店居抜き店舗で失敗の共通点【具体例で見る】

排気ダクト(店内・店外)

ポイントを2つに分けて解説します。

①店 内

店内の排気システムは概ね3つのパターンに分かれます。

  1. 無煙ロースタータイプ
  2. 卓上集煙タイプ
  3. 天井集煙タイプ

店内に充満する煙の少ない順に並べてみました。

以前は肉を焼く際に出る煙を床下に設置された排気ダクトを通して店外に出すタイプもあった無煙ロースターも最近は技術革新が著しくダクトのいらないスタンドアローンタイプが主流になっています。また、肉を焼いた際に網から落ちる脂分も機械の中で受ける仕組みになっていますから手間いらずです。反面、一台の価格が高い為高級店でなければ導入を躊躇することでしょう。そのせいか、無煙ロースターだけが店外に運び出されていた居抜き物件を以前見たことがありますが、中古でも十分需要があり品薄のようです。

問題なのが卓上集煙タイプです。

見た目で言えば肉を焼く網の上部にシュノーケルのような筒があるタイプです。このタイプは、ダクトだけの比較的安価な金額で施工が可能で、焼肉業態では一番多いタイプなのです。ただし問題が一つあります。筒状のダクトから上部に煙が吸い込まれてゆく間に、ダクトが曲がっている場所、通称エルボーと呼ばれるところに油がどうしても溜まります。ここに肉を焼く火が引火しダクト全体に火が燃え移る火事を引き起こすのです。ダクトには火が燃え移らないようダンパーと呼ばれるシャットアウト装置がついているのですが、メンテナンスが悪いとキチンと作動しません。居抜き物件ではここが要チェックポイントです。

②店 外

焼肉店では、大量に発生する煙を店外へ吐き出す為に特別な換気扇を使用します。

  1. 有圧扇
  2. シロッコファン

有圧扇というのは、店外に強い風が吹いていても煙を外に出せる強力な換気扇の事です。先程のタイプでも店内の煙を一ヶ所で吸い出す大衆店では必需品となります。まずこの圧がちゃんと掛かっているかチェックが必要です。

ここで注意したいのは外部からの空気つまりOAが入ってくる量が計算されているかどうかです。もしバランスが悪ければ、ただ室内が負圧になるだけで煙は外に出ていきません。内見時に必ず換気扇をまわして確認しましょう。

また、密集地やビルインのお店の場合排気ダクトを屋上まであげていることがありますが、如何に有圧扇でも階数が上がると力が弱まります。そこでダクトの出口にもう一つファンを装備するのです。それがシロッコファンと呼ばれるものです。

このファンは有圧扇のようなプロペラ型ではなくドラム型と呼ばれるものです。これをベルトでモーターと繋ぎまわすのですが、ベルトが劣化していたり、モーターを固定するゴムが劣化していて大きな音を発することがあります。ここも要チェックポイントです。

排水管

肉を専門に扱うお店はどこもそうですが、排水管に脂分が付着してしまいます。そのままにしておくとつまりの原因になります。物件を購入する際は、排水管清掃を最後にいつ行ったか、どのような方法で洗浄したのか記録を見せてもらいましょう。場合によっては引き渡しの前に高圧洗浄等の清掃を条件にすることもよいでしょう。

飲食店開業で内装工事費の節約法教えます 物件のチェックポイントまでも

飲食店「焼肉」業態を居抜きで売却する場合のチェックポイント

前段で書きました借りる側のチェックポイントが即ち居抜きで内装を売却する側のチェックポイントになります。もし不具合があるようですと値下げ交渉の材料となります。ケアされることをお薦めします。その上でさらに気をつけたい点を列挙します。

エアコン・フィルター

焼肉店の煙には大量の油が含まれておりこれらが様々な問題を引き起こします。その最たるものがエアコンのフィンに付着した油分とフィルターに付着した油分です。フィンに付着した油分は埃の沈着を促し熱交換の妨げになります。つまり効きが悪くなると言う訳です。次にフィルターの詰りも十分な風量を確保できないため、こちらも風が弱くなり温度が下がらないばかりか機器本体の寿命も縮めてしまいます。最近は業務用エアコンの清掃費が安くなっています。普段からメンテナンスをするように心がけましょう。

グリストラップ

調理場で出た切カスや油が直接汚水桝に流れ込まないように厨房内で一旦ろ過する装置です。物件を選定に来られた方は必ず蓋を開けてチェックされます。油が溜まっていたりすると印象は悪くなります。毎日清掃するようにしましょう。これにより、排水管の詰り予防にもなります。

床・防塵マット

焼肉店に入店した際に床が油分でネチョネチョすることがあります。これも清掃が行き届いていないことをさらけだすようなものです。毎日スチーム清掃を心がけたいものです。また、油分で汚れて黒くなった入口のマットも洗い替えを数枚用意しマメに変えるようにしましょう。第一印象はとても大切です。

~まとめ~飲食店「焼肉」プロが教える居抜き店舗物件活用法とチェックポイント

令和2年の年明けから猛威を振るうコロナウイルス。この感染予防対策の一環として同年4月に緊急事態宣言が政府より発出されました。この影響により飲食店はどこも自粛を強いられ売り上げを落とすことになるのですが、3ケ月4ケ月と時間が経つなかで、あることがわかってきました。夜お酒を中心とした飲食店に比べ焼肉やラーメン、回転すしなどの食事系の飲食店が自粛の中でも検討していて前年度と同等かそれ以上の売り上げを記録したのです。

今回は、題名を焼肉店舗の居抜きについてお話しましたが、冒頭でご紹介した重飲食とよばれる業態では、どれも焼肉店に似たポイントを押さえていれば間違いないでしょう。売手にしても買手(借り手)にしても気をつける内容はほぼ同じと言えます。焼肉に限らず、中華料理屋カレー、イタリアン等の業種の方も参考になさってください。

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