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物価上昇と値上げで問われる飲食店の価値を考える

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ponce_photography @ Pixabay

物価上昇と値上げで問われる飲食店の価値を考える

2021年10月は値上げが相次ぎました。小麦粉(政府売渡価格)・電気料金・ガス料金が主な値上げ項目です。世界的に油脂類の価格も上昇しておりマーガリンも10%前後まで値上がり見込みですし、円安と原油高が追い打ちをかける形でハウス野菜やイチゴなどの果物の値段が今後上昇してきます。またこの10月から最低賃金の値上げが加わりますので人件費の上昇もあります。まさに値上げの年末と言った具合です。

これまで値上げに慎重だった各業界もコロナ禍で窮状を訴えることで値上げが可能ではないのかと考え始めている節もあり消費者としては目が離せない状況です。

さて今回は、飲食業界で値上げをしつつ売上アップをすることは可能なのか、はたまた値上げはお客様を失うキーワードなのか考えてみたいと思います。

繁盛する飲食店がやっているメニュー作りのノウハウ教えます

同じ飲食業態で異なる経営方針

都内に駅を挟んで西と東に立ち飲みの居酒屋があります。どちらも酒屋さんが経営しているまさに角打ちと呼ばれるスタイルです。ところがこの店舗似たスタイルながら価格設定や提供される料理に大きな違いがあります。東側のお店はお酒の種類も豊富で1合から注文することが出来ます。料理と言えば、刺身盛りや串揚げ、冷ややっこといった定番の料理をリーズナブルな価格でやや少なめに提供されます。店内の様子もたばこ吸い放題で受動喫煙どこ吹く風と言った具合です。

かたや西側のお店は立ち飲みながら日本酒はコップで頼んでも一杯800円程します。手に入りづらいと言うお酒ばかりだそうで避け好きの間で評判です。お酒が値を張る分おつまみは価格押さめなのかと言えばさにあらず、サバの煮込みなど缶詰を上手く料理した結構ボリューミーな物ばかりで、ちゃんとした価格です。まさにお酒に負けていないと言う感じです。こちらは禁煙のためたばこを吸わない者にとっては大変ありがたいお店です。

さてこの2店舗どちらに伺ってもいつも満員御礼状態です。しかしお客様の顔ぶれを見てみると違いが歴然としています。客単価が低くたばこが吸い放題のお店は明らかにサラリーマンばかりです。それも30代よりも上の年代です。そこに連れて来られたと思しき女性がちらほらです。

これに対し客単価が高く禁煙の立ち飲み店は、会社をリタイアされたご年配のグループに若いカップル、外人客の姿まで見かけます。週末ともなれば予約をしないと入れない程の盛況ぶりです。多分角打ちで予約をさせるのは日本広しと言えどもおそらくここだけではないのでしょうか。

価格帯で異なる客層

お分かりの様に同じようなスタイル、商品を扱っているのにお客様がお店で使うお金は大きく開きがあります。たばこの有無は重要なファクターですが今はこの客単価の違いと客層について考えたいと思います。

一方は本当に安くお酒を楽しみたいと言うお客様ばかりの様に見えます。一方客単価の高いお店は、立ち飲みつまり角打ちというスタイルを楽しみに来ている感じがします。でなければ若いカップルや外国人がわざわざこの店を選ぶ理由が見つかりません。美味しいお酒と料理を立ち飲みで楽しむという2つの理由がこの店を繁盛店たらしめていると言うことなのでしょう。

別々の価値を組み合わせることで今まで以上に客単価を上げられるヒントが隠れているように思います。

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値上げに挑んだ横浜の居酒屋

一見どこにでもある居酒屋がメニューとお酒のラインナップを大幅に変更して大幅な値上げと売上アップに成功しています。どこの居酒屋とも変わらないメニューでこれまで営業して来たそのお店は一念発起してメニュー改革に取り組みます。まず看板商品を極上のウニで勝負すること、これまで出して来たお酒とは全く異なる高級な日本酒を多数そろえいい状態で提供することにしたのです。もちろん価格帯も一気に値上げしこれまでの倍近い客単価となります。これまで来てくれていたお客様は当然離れて行ったそうです。その代わりに少量でいいものを食べて飲みたいと言う新しいニーズを持ったお客様が来られるようになり結果同じお店でお客様の入れ替えを成功させたのです。もちろんお店の売上は今までと比べものにならない程になったと喜んでおられます。

複数の価値を組み合わせる

今回の横浜の飲食店の例は稀な例だと思いますが、成功の裏には先程の立ち飲み同様、異なる価値を組み合わせるところに値上げの秘密が隠れています。横浜の場合で言えば高級なウニ料理と高級な日本酒が結びついたところです。ちょっと前になりますが、高級フレンチを安く楽しめる代わりに立って食べることが話題になった飲食店がありました。こちらは流行りということもあったせいか今ではすっかり着席のお店になっています。

また、予約でしか入れないお好み焼き屋さんがありました。そこの特徴は安いお好み焼きを一本数万もする高級ワインで頂くと言うのがウリでした。大手企業の重役でも美味しいお好み焼きを食べたいというニーズを見つけたことと高級ワインでお好み焼きを接待に昇華させたアイデアは秀逸だと思います。いずれも客単価の高い繁盛店ばかりです。

~まとめ~

駅を挟んで西と東にある角打ちのお店を経営する酒店について面白いことを教えてくれた人がおりました。同じくお酒の卸をされている方です。彼曰く、同じ酒屋でもお酒を卸しているお店のレベルが全く異なると言うのです。一方の酒卸の得意先は、客単価が比較的控えめな飲食店ばかりなのに対し、もう一方は料亭や高級店ばかりだと言うのです。その違いがイコール直営店の価格帯、客層となって表れていると言うのです。確かに言われてみればその通りの様に思います。そのことが返って近い距離で両店が繁盛する理由なのでしょう。お客様はどちらのお店が好みがハッキリとわかれるからです。

街を歩いて見つけた飲食店が少しでも値上げのヒントになれば幸いだと思いご紹介いたしました。

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