飲食店 従業員がいない!人手不足の働き手の気持

飲食店 従業員がいない!人手不足の働き手の気持

飲食店業界では人手不足を理由に閉店をするお店が後を絶ちません。またそのことが原因となり一人オーナーのお店では、無理をして健康を害される方までいらっしゃいます。これまで折に触れては取り上げて来たこのテーマですが、現場で働くアルバイトの声を聞いてみると世間でいわれる姿と異なる実態が見えてきます。今回は、若くて廉価な労働力としてこれまで飲食業界を支えてきたアルバイトについて考えてみたいと思います。

飲食業界にもシェアビジネスの波

シェアオフィス、シェアバイクなど世は所有から共有もしくはレンタルの時代に急速に変わりつつあります。かつては所有し独占するのが当たり前であった自動車もレンタカーの台頭が目覚ましく都心部では自転車さえもシェアする時代となっています。そんなシェアの波が押し寄せる中で、アルバイトという働き方もまた一種のシェアビジネスと呼べるのです。

日本において人が働き賃金をもらう形は、終身雇用として身分が保証されている代わりに、1社に限り独占されるものでした。ところが、賃金をこれまでの様にあげられない、業績次第では雇用も確約されない時代に入り雇用する側は副業を認める方向に舵を切っています。

転職を終身雇用に対し人材の流動化と表現するなら、副業が可能となることは人材のシェアリングと表現できます。つまり飲食業界で起こりつつあるのがこの人材のシェアリングなのです。

飲食店 アルバイト比率が84%の現実

アルバイト=シェアリングという考え方

一人の個人が一つの仕事に縛られずに働ける環境を人材のシェアリングと表現しました。このことがまさに現在進行形で飲食業界の現場で起こっています。

アルバイトAさんの場合

お話を伺ったアルバイトのAさんは、大学2年生の女性です。彼女は学費の足しになればと週に3日程飲食店でアルバイトをしています。そのAさんの働き方はこうです。通常1店舗に身を置き仕事の流れやメニューなどを覚えてアルバイト代を頂くと言うのが普通ですが、Aさんの場合はチョット違います。週に3日のアルバイト先がすべて異なるのです。3つの飲食店の掛け持ちをしていると言った方がよいかもしれません。

なぜそのような働き方を選んだのか聞いてみたところ意外な回答が返ってきました。Aさん曰く、

一つの店舗で週に3日も働くと店舗側から働き手としての期待が高まり、急な用事や体調不良でもなかなか休み辛い雰囲気にあると言うのです。

また、3つの飲食店と言ってもどれもイタリアン系の飲食店を選んでいて、多少のルールや商品の価格は変わるものの概ねオペレーションは同じなのであまり戸惑うことなくアルバイトとして働けるといいます。

最後に口にした理由が一番印象に残ったのですが、待遇や雇用条件など比べることが出来るからだと言うのです。ある店では残業がちゃんとつくのにある店ではサービス残業や急なシフトチェンジ当たり前なのだそうです。そうなれば、週に1日しかお店に出ないアルバイトは期待もされない代わりに自分に合わないと感じたらすぐに辞めることが出来ると彼女はいいます。

Aさんが口にした内容は、長年飲食業界が抱えて来た矛盾や雇用する側のおごりから身を守るために思いついた働き方の様です。

飲食店の人手不足解消 アルバイト定着作戦

働き手が職場を選ぶ時代に

これまで飲食業は、若い力を手っ取り早くアルバイトとして活用してきました。また働く側も面倒な手続きを経ることなくすぐに働き始めることが出来ることに何の疑問もなかったことでしょう。それが今、少子化とアルバイト先の多様化により必ずしも飲食業界を頼らなくとも賃金が手に出来る環境が整いつつあります。より条件の良い職場探し、つまり保険や働く環境などこれまでの時給額至上主義とは異なる時代に入っていることに飲食業界が早く気付くべきなのです。

今回のAさんが言う様に、同じ業種、同じ時給で働くのならどの飲食店が自分にマッチしているか、どの経営環境がアルバイトとして働く権利を守ってくれるのかが問われ始めていて、その情報は、スマホやSNSにより世の中で労働力をシェアリングしているアルバイター達に知れ渡ります。そうなればいくら宣伝広告費をかけてアルバイトを求人してもだれ一人も応募して来ないという悲劇が生まれます。

これからのアルバイトとの付き合い方

冒頭からアルバイトを人材のシェアリングと申し上げました。ポイントはここです。車であれ自転車であれオフィスであれシェアリングの有用性は必要な時に利用できる手軽さにあります。人材も同じです。モノではありませんから所有ではなく正規雇用をしない代わりにアルバイトという形で労働力をシェアします。他のシェアビジネスがテンポラリーに利用する分には安上がりな代わりに割高な料金設定となっているものです。同じ観点からアルバイトの時給を考えると正規雇用で人を雇い入れるほどは高くない代わりに割高な時給を支払うことで優良な人材が手に入るという図式となります。もうお分かりだと思いますが安く都合よく使うアルバイトの時代から割高な代わりにキチンと働ける人材としてアルバイトを迎え入れる時代に変わったのです。

大学生であれいわゆるフリターと呼ばれる人材であれ、個人の飲食店であっても人材教育(マナーや接客方法、レシピ等)をキチンと教えることが出来ないと今後はアルバイトを雇うことがより困難になって行くものと思われます。また、彼らを働く人材として雇用する側が認め対等に付き合える視線とより働きやすい環境を作るために積極的なコミュニケーションが求められることになるでしょう。

アルバイトの集まる 飲食店 「 社保完備 」の理由とは

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