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【人気の飲食店】アイデアと仕掛けで繁盛を続けているお店紹介

飲食店-仕掛け-繁盛

amsferguson @ Pixabay

かつて昭和の時代、飲食店は内装が豪華なお店が人気店となった時代がありました。椅子やテーブル、調度品に至るまでいかにもお金がかかっていますというものでした。利用する側も決して高いお店でなくてもにじみ出てくる高級感を楽しんでいた様に思います。

今風に言うとインスタ映えす飲食店ということになります。もっともインスタグラムに踊る写真の主役は内装ではなくお料理の方ではありますが。

時代は移り平成に入るころ飲食店を利用するお客様は以前よりも財布のひもが固くなり、内装の豪華さよりも料理自体のクオリティーに評価が移っていきました。そのなかで新しい取り組みが生まれてきたのですが、なかでも最近見かけた飲食店の他店にはないユニークな取り組みをご紹介しつつその仕掛けの本質に迫ってみたいと思います。

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目黒で見かけたコース料理のお店

JR目黒駅に程近いそのお店は地下にあります。入口にちょっとした仕掛けがあって、本棚がスライドして扉代わりになっています。実はここにこの飲食店のコンセプトが表現されているのです。

この飲食店では本(漫画や雑誌を除く書籍)が重要な役割を果たしています。洋風の居酒屋が出すようなコース料理を予約して本(写真集もOK)を一人一冊持ち込むと飲み放題プランが格安でセットになると言うものです。(以前は無料になっていました)

何かを持ち寄ることで飲み放題プランが格安になるというのであれば別に本でなくてもよいのではないかと思います。例えばCDやDVDのような物であったり昔のイギリスのコンサートなどで見られた缶詰めを一人一缶持ち寄るだとかでもよかったハズです。なのに本に拘った訳が店内に入ると分かってきます。

座り心地のよさそうなソファーとテーブルのあるコーナーがあったり、木製のしっかりした椅子のあるコーナーなどどちらかと言えばカフェを連想出せる作りです。つまりカフェで本を読んでくつろぐかのようなイメージでお酒と料理を楽しんでもらおうと言うコンセプトなのです。

自ずと客層もカフェを利用するような感性の方がターゲットとなるので出す料理の見映え、演出が仕掛けやすくなります。

その日の演出はトップに出されたスモークサーモンのお皿からドライアイスのスモークが溢れるものであったり、最後にローストビーフで表面が埋め尽くされたお重まで出てきます。どれもインスタグラムを意識したものばかりです。

本を介在させることで客層のセグメントが可能になるところはいいアイデアですし、飲み放題が格安でセットになるというお得感はスマートフォンからクーポンをダウンロードするよりもセンスが光ります。

考えてみれば、セットメニューの金額の中に初めから飲み放題分の原価が含まれているのですが、お客様にひと手間かけさせることでそういった疑念を抱かせなくするところが一番の発想と言えそうです。

ちなみに会計の後鍵を渡されロッカーを開けると人数分の本が入っています。最後は店側がチョイスした本を頂いて帰るという凝りようです。オープン以後リピート客が絶えないとの事です。

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酒飲みの心をくすぐる代々木上原にあるワインバル

こちらは代々木上原駅に近い飲食店です。売りはなんといっても60種類もあるワインが飲み放題というところです。一人2,200円弱なのですが時間制限がないところもよく考えられた仕掛けです。ちなみに650円程をプラスするとビールやハイボールまで飲めます。

いくら飲み放題だからと言って、ワインやビールだけを飲み続ける人はまずいません。必然的に料理をオーダーするのですが、やや小ぶりですぐにたいらげられるサイズとワインに合う味付けについワインと共に料理をオーダーをしてしまいます。

もうお気づきと思いますが、この料理が一人当たり何皿出るかがお店の収益に大きく関わってきます。幸い60種類ものワインが格安で時間制限なしの飲み放題であることと代々木上原という立地の良さで料理を注文しすぎる傾向にあるこちらの飲食店もリピーター続出のお店です。

四ツ谷にある立ち飲み居酒屋とバルのセット店

さして目新しくもない立ち飲み居酒屋とワインをグラス売りするバルなのですが、ここの特徴はお酒の卸しをしている会社の直営店だというところです。

1階にバル、2階に立ち飲み居酒屋を展開しているのですが特に2階の立ち飲みの拘りがすごいことになっています。通常ですとあまり手間をかけずにお客様の回転をよくするのが立ち飲みの儲かりのコツなのですが、こちらは一味違います。

季節限定の日本酒やなかなか普通の居酒屋ではお目にかかれない全国各地から取り寄せた地酒が飲めるのですが、4段階の温度調整に答える状態で提供されます。なかでも40℃前後の“温燗(ぬるかん)”がおススメと店内にはうたわれています。

日本酒や焼酎の種類が豊富なうえに、1合から頼むことが出来ます。料理はシンプルなものからハムカツのようなノスタルジックなメニューまで安くて豊富に取り揃えられていますが、ほぼ毎日変わるオススメメニューが一番出ているようです。

一見非の打ちようがないお店ですが一つだけ意見が分かれるところがあります。喫煙率の高さです。今どきのお店には珍しくどの席(丸形のハイテーブル)には灰皿が置かれています。逆に言えば喫煙をされる方の肩身が狭くなる中で喫煙を楽しみ受動喫煙を気にしない人で連日早い時間から混み合っています。

一方1階のバルといえば逆に禁煙とされていて純粋にワインを気の利いた料理で楽しむお店です。なかなか一本丸ごととなると価格もそれなりにする上級ワインだと手が出ないものですが、グラスで楽しめる為女性同士のお客様が目立ちます。

こちらも2階同様立ち飲みなのですが、天井が高く中央のオープンキッチンを囲むようにカウンターや樽で作られたテーブルが並びます。少ない人数で回すお店の基本のような造りです。

上下のお店ともにお酒が販売原価に近い価格で提供されているので酒好きにはたまらないのですが、飲み進む中に自分に合う銘柄が必ず出てくる、そんなお店です。

通りからは奥まっており普通なら目立つ看板や街頭でのチラシ配りなどを行わないと経営的に苦しいと思しき場所なのですが、周辺サラリーマンとOLの口コミで連日満員御礼の飲食店です。

~まとめ~

インスタグラムに象徴される、人に自慢したくなるような見映えのする料理で集客をする傾向は当分続くものと思います。同じ食材を使った料理でも盛り付けや演出方法を工夫するだけでお客様に喜んでいただけるならすぐにでも取り掛かれます。

ネーミングや小道具を使い飲食店の個性を演出したり、ドリンクと料理のバランスをとるよりもどちらかを思い切って原価に近づけるようなメリハリの効いた値付けもお客様にうける工夫の一つです。

特別な料理や入手困難な食材を取り入れるというよりも一つ一つの工夫を積み上げる不断の努力が飲食店の繁盛には欠かせない要素なのです。

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