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飲食店テナントが家賃を2ヶ月も滞納したら?大家さんがとるべき行動とは 

飲食店-家賃滞納-大家

Photo credit: Luzlum on VisualHunt

いままで毎月入っていた家賃が1ヶ月遅れた。最初は「来月入るから大丈夫」と思っていても2ヶ月続けて家賃が入らないとなれば大家さんは相当不安になります。

実は、家賃を滞納しているテナント側も心穏やかではありません。

事情がありやむなく滞納することとなれば、大家さんにどうやって言訳をしようかと悩んだり、催促がきたらなんて答えようかと悩んだりと。滞納に気づいた大家さんと同様に悩むものです。

これまでキチンと家賃を支払ってきたテナントであれば尚更です。大家さんは、どうしたんだろうか、何かの間違いか、催促していいものか、もう少し様子を見ようかなど落ち着かない日々を送ることになります。

これまでお会いした滞納を抱える大家さんの実例を参考にしつつ、大家として滞納をどうとらえるべきなのか考えます。

大家さん!飲食店で家賃滞納・未払い賃料を発生させない対策教えます

Contents

同じ家賃滞納でも異なる行動をとる飲食店の大家さん達

実際に滞納が始まってみて、大家さんが何を考えどのように行動したのか、一般論ではなく実例を3つ挙げてお話したいと思います。

①学芸大学にある飲食店舗大家さんの場合

地下1階に入居している飲食店は30席の焼肉店です。入居して5年程度で、リピーターも多く週末ともなると予約の取れないお店となりました。月末の25日には必ず入金がありこれまで滞納とは無縁だったこのお店、ある時を境に振り込み日が遅れるようになったそうです。大家さんは経営が上手くいっていないのか、気にするようになったと言います。

同じ建物にお住いの大家さんいつ声をかけようか迷っているあいだに、とうとう滞納が始まりました。そこで大家さんはある決心をされたのです。

「自分たちや親せき、知り合いに声をかけて客として利用しよう」

実はお店がオープンした時にお店のオーナーに招待してもらって以来の来店です。大家さんの顔を見つけた店のオーナーは厨房から飛び出してきて「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝ったそうです。大家さんも「こちらこそ、こんなに近いのにお邪魔もせず失礼しました。これからは家族、知り合いで利用させてもらうよ」と応じたと言います。

大家さんがどの程度ご利用されたかはわかりませんが、すぐに滞納は解消し、以前の様にキチンと入金されるようになったそうです。

②飯田橋にある飲食店舗大家さんの場合

長年ご自身で飲食店を営業されてきた大家さんですが、膝を悪くされ階段の上り下りが苦痛となったことをキッカケにお店のあった2階を居抜きでテナントに譲り、1階を改装してご自身の住宅として再スタートされたお話です。

場所柄すぐにテナントは見つかり15席程の居酒屋をオープンさせるのですが、半年もしないうちに家賃が遅れたり、滞納するようになりました。上下で住居と飲食店をシェアしている関係で遅れた家賃の催促はなかなか出来なかったと言います。

また、1階で暮らしていると2階にお客様がどれだけ入っているか手に取るようにわかったと言います。つまりお客様が入っている状態でないことは承知済みだった訳です。

滞納が2ヶ月を越えた時に知り合いの税理士に相談をしたところと滞納分支払いの督促状を出そうと言うことになり発送したのです。結果テナントが大家さんを訪ねて来てこれ以上お店を続けるのは難しいと言われたそうです。

困った大家さんは知り合いの不動産会社に相談したところ、無償で大家さんが譲った内装、厨房機器を第三者に売って滞納している分を回収してはどうかと提案されたといいます。

いくつも居抜き店舗を手掛けたことがあるその不動産会社は、物件の立地が良ければ一定の金額で造作が売れることを知っていたようで、すぐに次のテナントも決まり無事造作や厨房機器も売れたそうです。その結果、滞納をしていたテナントは、預けていた敷金を返還してもらうことができ、再スタートが切れると大家さんに感謝していたそうです。

飲食店が家賃を滞納するとどうなる?大家さんへの言い訳・対応策もお話します

③新橋にある飲食店舗大家さんの場合

こちらの大家さんは海外の私募ファンドでした。つまり顔の見えない大家さんです。その代りにPMといって物件を管理するプロパティーマネジメント会社が大家さん代わりです。そのPM会社は毎月ビルの収支を大家さんであるファンド会社に報告をする義務を負っています。

つまり、収入はいくらで支払いがいくらと事細かに報告が行われています。当然賃料が遅れるようなことでもあれば即座に対応しなければなりません。入金が指定日より1日でも遅れれば催促です。入金額が1円違っていてもすぐに連絡が入ります。

今回のテナントは1階と地下1階の2層を借りているのですが、お話を伺うと最初に地下1階を借りていたところ1階が空いたので借り増しをしたのだとか。それまでは滞納と無縁だったのが家賃負担が増えたことで滞納をするようになったようです。

毎月全額支払われるまで督促状は続き、滞納額が2ヶ月分になる頃には支払いを催促する内容と契約を解除するという文言が書かれた内容証明郵便を送ったそうです。慌てたテナントは、PM会社に会いに行くのですが、そこでPM会社は支払い計画書と本日付の解約通知を用意するよう伝えたのです。つまり、次に約束を破ったら解約してもらうと言うことです。最終的にテナントが出した結論は、1階だけ解約をして地下1階は残し、滞納分を清算すると言うものでした。

飲食店舗の大家さんが最初にすべき滞納対策とは

今回ご紹介した大家さんは三者三様と表現できる方々です。人情味あふれる大家さんに事務的な大家さん、ただ一つ共通していることが滞納に対して自らが何らかのアクションを起こしているところです。

これまで多くの滞納現場を見てきましたが、状況がひどくなる現場は、大家さんが何もしないで滞納を容認してしまったケースです。つまり額が膨らみ手が打てなくなってしまったと言うことなのです。

賃料の遅れ、滞納は大家さんにとって最初の動き出しの速さが何よりも重要なのです。手紙を出さずとも顔を見せるだけで意思は伝わります。督促の手紙を出すにしても早く出すほど、甘くない大家さんだと言うことが伝わると言うことなのです。もしどうすればよいのか判断がつかない場合は、時間を空けずにすぐにプロである不動産会社か弁護士などに相談することが重要です。

~まとめ~

昨今賃料を保証する会社が増えてきました。いわゆる保証会社と呼ばれるサービスです。彼らは、テナントの滞納リスクを肩代わりする代わりに一定の手数料を徴収しています。これまで、賃料の遅れや滞納のリスクは大家さんに付きものでしたが、そのリスクはもう考えなくてもよい時代になったのです。

もちろん解約リスクが無くなった訳ではありません。もし、解約リスクに備えたいというのであれば、サブリースと言って転貸事業を手掛ける会社と組むことで解約を心配するリスクも解消できます。もし、気になった大家さんは一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。役立つ時が来ると思います。

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