震災や台風などの自然災害が起こった後やリーマンショックやブラックマンデーのような急激な株価の下落などが起こると人の消費意欲は一気に萎えるものです。その影響が一番先に現れるのが飲食店やヘアサロンだと言われています。コロナウイルス感染防止の観点から営業時間や人数制限、お酒の制限など飲食店は何重もの苦しみの最中にあると言えるでしょう。
また、お客様が来ないからと言って人件費や注文を想定した食材などの仕入れをやめる訳にもいきません。そうなると大きな支出である家賃の支払いに影響が出始めます。
もし家賃の支払いが遅れることになれば滞納となるのですが、大家さんがなにも言ってこないからと甘えていると深刻な状況になりかねません。
今回は不動産を借りている飲食店に向けて滞納の影響を考えます。
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飲食店の家賃滞納を定義すると
滞納とは読んで字のごとく「納める」が「滞る(とどこおる)」と書きます。かたく表現すると、金銭などの支払いが決められた期日を過ぎたことにより発生する債務の事です。同じような表現方法に「遅延(ちえん)」や「延滞(えんたい)」といった言葉も使われます。
飲食店が大家さんに支払うべき家賃が滞ることが滞納と呼ばれるわけですが、この滞納の定義を賃貸借契約書に書かれている条文から考えます。
ほぼすべての契約書には賃料をいつ納めなければならないかの期日が指定されています。またハッキリとは書かれていませんが、賃料は持参債務といって本来は大家さんにお金を持参して支払わなければならないものなのです。とは言え双方にとって煩わしいので銀行振込に変えているのです。なぜ持参なのかと言うと、テナントがお金(家賃)を払うから大家さんに取りに来てくれと言われるとどこまでもいかなければならないことになるからです。
話しを戻します。家賃の支払いが遅れた場合の罰則も細かく賃貸借契約書に規定されています。
- 遅延損害金
- 敷金相殺禁止
- 契約解除
遅延損害金
家賃を滞納すると「遅延損害金」を請求されることがあります。これは支払うべき家賃の他に支払がおくれたことに対する罰金のようなお金で年利5%~14.6%が一般的です。ただ、大家さんの方で遅れる度に請求するのは大変なので請求されないことも結構あります。
敷金相殺禁止
敷金や保証金を定めた条項に必ず書いてあるのが、家賃の支払いや滞納を「敷金や保証金から取り崩すことは認めません」という相殺禁止の文言です。
契約解除
滞納に関する条文で一番厳しいのが契約解除条項です。一般的には「賃料を2ヶ月分滞納をした場合には理由の如何を問わず契約を解除する」と書いてあります。たまに2ヶ月が3ヶ月というところも見受けますが。この条項、読み方によれば2ヶ月以内の家賃滞納なら先程の遅延損害金さえ払えば許容してもらえると言うことです。また、本当に契約書に記載されている月数を滞納したからと言って直ぐに契約が解除となり明渡しをしなければならないかと言うとそうでもありません。
大家さんは支払の催促、催告、解除通知、裁判、強制執行などの手続きを経てはじめて物件を明け渡しが完了します。その上で滞納金があれば別途支払いの催促をすることになります。この間概ね6ケ月間です。ただ、事業所である飲食店では住居と違いそこまで粘る方はほとんどいません。その前に人件費、お酒や食材を買う資金が尽きてしまうからです。
賃料の滞納をしてしまった飲食店は
何かの都合で振込が遅れてしまった場合やどうしても家賃を用意できない場合はどうすればよいのでしょうか。初めて遅れてしまった時などは慌ててしまうものですが、大家さんなり管理会社にお詫びの電話を一本入れましょう。もしどうしてもすぐに払えない場合は、書面でいついつまでにいくらお支払いをしますと言う返済予定を提出することをお薦めします。
なかには来月末に2ヶ月分まとめて払いますと言う方がいらっしゃいますが、支払うあてがあるならまだしもそうでなければいたずらに時間を浪費するだけで更に支払いがきつくなるだけです。次の支払いまでの1ヶ月間で分割してでも少しずつ返した方が結果ずっと楽なのです。
賃料滞納の常態化を避ける決断
もしそのようなことになれば飲食店経営を続けるかどうかの検討をするべきです。何故なら事態が好転しないのであれば、月を追うごとに運転資金(手持ち資金)は少なくなります。
もしお店の売上を改善させる方法やメニューがあり、固定客が戻るまでの運転資金として借り入れを行うのであれば問題ないのですが、解決策苦も無く一時しのぎであるなら事態を悪化させるだけです。
それよりは、体力(資金)の残っているうちに閉店をして清算をした方が、次のチャレンジにつながります。ここの判断は冷静に行ってください。
家賃滞納の飲食店~まとめ~
大家さんから見てテナントがキチンと家賃を入れてくるのは当たり前のことなのですが、もし遅延や滞納をおこしてしまっても迅速で誠意ある対応をすることで逆に信用が上がることもあります。当然何回繰り返すのは論外ですが。
遅延や滞納をキッカケに結局は更新時や解約時の時に大きな差となって表れてきます。大家さんも人ですから、お金のことで苦労を掛けられた人に対して便宜を図ろうとは考えないものです。逆に信用を勝ち得ていれば手心は加えてくれます。
何かと忙しい月末でウッカリを無くすためには自動振替など毎月大家さんの口座に決まった日に決まった金額だけ振り込まれる方式がいいと思います。手続きは意外と簡単です。お取引のある銀行にお尋ねください。
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