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飲食店 無断キャンセルに対抗する決定的なサービスはあるか

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飲食店 無断キャンセルに対抗する決定的なサービスはあるか

10月も半ばを過ぎると年末を意識するようになります。年末年始の計画もさることながら、会社の行事や取引先との忘年会など今年はどのように乗り切ろうか頭をよぎります。同じ忘年会でも呼ばれる側と呼ぶ側で事情が変わります。呼ばれる側は気楽なものです。今年はどんなお店か楽しみにしているだけでいいのですから。呼ぶ側はそうはいきません。今年の鍋の流行はなにか、新しいお店の評判はどうかなど相手の顔を思い浮かべながらあれこれと思案しなければなりません。やっと決めたお店でも週末となれば早い時期から予約は取れなくなります。既に予約でいっぱいなのかと舌打ちすることもあるでしょう。

年末、飲食店としては1年で一番稼ぐ時期だけに突然のキャンセルは避けたいものです。他のお客様を断ってまでとっておいた席が当日埋まらないというのは大きな痛手です。ましてや団体となればなおさらです。

こういった当日の突然キャンセルに対抗すべく2016年あたりからいくつかのサービスが立ち上がっています。この10月にも「飲食店の予約当日キャンセルを50万円まで返金保証、favyとフリークアウト子会社が新保険サービスを提供開始」という記事が目に留まりました。今回は今までに提供されているキャンセル保証サービスを振り返りながら無断キャンセルに有効な手立てを考えて見たいと思います。

無断で予約キャンセルされた飲食店の実態

無断キャンセルの実態

飲食店向けの予約管理や顧客台帳サービスを手掛ける会社が以前行った調査があります。過去8ヶ月間に予約システムを経由した飲食店の予約160万件のうち無断キャンセルは9,600件(0.6%)あったとの結果だそうです。この数字をどのように見るかですが、意外と低いのではないかと思います。おおよそ予約170件に1件の割合で無断キャンセルが発生するという具合です。やはり予約サイトを利用されるお客様の意識が高いように思います。

またこうも考えられます。お店の無断キャンセルをどうにかしたいと考えている飲食店オーナーに向けて、予約サービスを利用すると無断キャンセルが減りますよというメッセージでもあるでしょう。

ノーショー保証サービスとは

さて今回の記事にあったノーショー保証サービスについてです。そもそも飲食店に限らずヘアサロンやホテルといった利用でも事前に予約をしておきながら何の連絡もなしに現れない無断キャンセルの事を「No Show」ノーショウー=姿を見せない、といいます。

このシステム、お客様がfavyのシステム経由でお店に予約を入れなければなりません。お店側にとっても、事前にキャンセル一人当たりの保証額に応じた利用手数料を払わなければなりません。1人当たりのキャンセル料が5,000円の場合だとサービス利用料が550円となり20席をカバーしたいのであれば、月額利用料は11,000円ということになります。またこれとは別に年額10,000円の基本料が必用です。この仕組みを見る限りでは、不動産会社が賃貸物件の契約時に導入している家賃の保証会社の仕組とソックリです。キャンセル料はfavyが先にお店に立替払いをした後キャンセルをした方から同額を徴収するという仕組みだからです。

これまでにもあったように、予約をされるお客様にクレジットカードの登録を要求するシステムだと少々ハードルが高いかもしれません。

飲食店 突然の予約キャンセル ドタキャンを防ぐ対策を考える

先行するクレジット決済

このfavyに先行してノーショー対策をしてきたのがトレタです。例えば、1人当たりの金額が決まっているようなケースであれば予約時にカード決済を済ませてしまうことが出来ます。それに対し、お店での飲食次第で金額が変わる場合はカード決済を基本とし、カード番号を事前に登録させる方法をとっています。こちらのサービスは12,000円~20,000円程度の月額利用料を支払うことで一人当たりの保証料はとっていないようです。

ここでも重要なポイントとしてカードが登場します。海外では予約時にカード番号を告げるというのは当たり前ですが、日本ではまだまだ抵抗を感じる人が多いようです。多分これらのサービスを利用される皆さんは、仕組みを理解して利用する為そもそも無断キャンセルをしないのではないかと考えられます。

カード会社の取り組み

予約時の心理的ハードルが存在するカード情報を逆手に取ったサービスが2017年8月にスタートしています。「ダイナースクラブ」ブランドのクレジットカードです。サービスの内容はこうです。予約の取りづらい人気店や高級店で予約のキャンセルが出た場合、ダイナースクラブカードを運営する三井住友トラストクラブが空席を買取、自分たちのカード会員向けて、空き席数、入店時間をLineを通じて告知、希望者がいれば事前にポケットコンシェルジュから決済という仕組みです。予約が取れないお店に関しては、お客様もお店も満足の仕組と言えるでしょう。

ぐるなびのキャンセル保証もあった

2017年9月に、キャンセル料を保証するサービスをぐるなびが発表しました。名付けて「ぐるなび法人予約サービス」です。これは法人に限ったサービスで、予約を入れた法人がキャンセルした場合ぐるなびが一時的に立替えるという仕組みです。今後ぐるなびも個人のキャンセル保証にも乗り出してもらいたいと期待します。

小型飲食店の無断キャンセルへの備えは

冒頭の数字が表すように、予約システムを利用することで無断キャンセルを減らすことは出来るようです。ただ、年間の保証料や一人当たりの手数料をどの様に評価するかはお店の経営者次第です。最近よく遭遇する無断キャンセル防止策としては、当日もしくは前日に予約の確認を店側から連絡先にして確認が取れた時点でようやく予約確定とするお店が増えています。原始的ですが、かなり効果があるようです。ポイントは、直前の電話が繋がらないとお店の側からキャンセルとなることをよくご理解頂くことだそうです。

今後は、PayPayのような手軽な電子マネーが飲食店のデポジットつまり事前保証金として活躍するのではないかと考えております。スマートフォンを持っていれば、Lineでもグルメサイトからでも簡単にアクセスでき、日時、人数により予約確定時にお客様の方でデポジットを電子マネーで預ければいいだけです。

そのデポジットがキャンセル時には戻ってこない仕組みであれば小型飲食店でも負担をかけずに無断キャンセル対策が出来ると思います。早期のサービス開始を望みます。

インバウンド復活で心配される飲食店舗の「無断キャンセル 」との付き合い方

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