Contents
無断で予約キャンセルされた飲食店の実態
10名を超える団体の予約が入って居たのに直前になって電話1本でキャンセルになった。さらに悪質なのは何の連絡もなしに当日誰も現れなかった。予約をしてきた幹事らしき人に連絡を試みるも電話に出てもらえない。最近飲食店の突然キャンセルいわゆるドタキャンを巡る記事が増えています。また、WEB上では予約キャンをさせない予約サイトも数多く立ち上り改善の方向かと思いきやその数は減らないと飲食店サイドは嘆いています。今回は、本来売上が確定する予約が一転損が出てしまう悪夢へと変わるキャンセルについてキャンセルされる飲食店側から理由を探ってみたいと思います。
キャンセルの中身
一概にキャンセルといってもいろんなタイプがあります。2人、3人の少人数もあれば10人、20人の団体客もあります。最近話題にのぼる飲食店のキャンセルは、後者の団体客のキャンセルをさして騒ぎになっているようです。確かに小さな飲食店であれば1日分の売上に匹敵する場合がありますから見過ごせません。だとしたらなぜキャンセルされることになったのでしょうか。
飲食店側でも予約を申し入れてきたお客様の団体が突然のキャンセルをしそうかそうでないかある程度判断をすることが出来ます。例えば会の属性です。会社や大学サークルなどメンバーが比較的近い距離にいるグループは突然のキャンセル率が高いと言っていいでしょう。なぜなら、参加者が全員近いところにいる分突然の事情変更に対応しやすいからです。
それに対し離れた場所からメンバーが集まってくるグループの場合、当日の変更は物理的に難しく先の近距離の団体に比べグッとキャンセル率は低くなります。店側でもそれとなく会の趣旨を伺っておくことでキャンセル対策をどこまですべきかかわってくることでしょう。
キャンセルされる飲食店とは
なぜキャンセルされるのか?これと言った理由はありませんが、一つ上げるとするなら、飲食店側がキャンセルに対し対策をなにもしていないことがあげられます。つまり予約をしてこられたお客さんはキャンセルをしないだろうという性善説に基づいているということです。これに対しキャンセル対策をしている飲食店は性悪説つまりお客様は対策を取らないでいればキャンセルするものだという立場に立っています。この立ち位置の違いが、実は団体客のキャンセルを呼び込んでいるのです。
キャンセルの抑止力とは
前金制
もっとも抑止力の強い方法です。仮にキャンセルになったとしても予約時にキャンセルポリシー(当日キャンセルは100%、前日50%などと予めキャンセル料を告知すること)を伝えておけば、本当にキャンセルになっても発生したキャンセル料を差し引いてお金を返すだけでいいのです。この話をすると、そんな面倒なやり方ではそもそも予約が入らないではないかとご指摘を受けます。ごもっともな意見だと思います。であれば形を変えて考えて見てはどうでしょうか。
例えば全額ではなく内金など少額のお金を入金頂く方法やPayPalのようなサービスを利用していれば、もしくは2~3分で加入できるサービスであれば予約時に加入頂き、指定額を入金していただきことは可能です。
ご存知の無い方の為に。PayPalのサービスは、予約をする側が必用情報を登録し自分の登録クレジットカードを指定します。お客様からはお店のメールアドレスを指定するだけで送金が出来るというサービスです。20年も前からアメリカで利用されているサービスです。同様に、今後アップルPayを利用しているIphone加入者同士で同様の送金が出来るようになります。このサービスが始まれば予約者と飲食店がアップルPayを利用していれば簡単に送金が出来るようになります。これで手間と送金のハードルが無くなります。
相手を特定する
予約をするこちらの情報が飲食店側に分かっているとなかなか突然のキャンセルは出来づらくなります。会社やサークルの事を電話でいろいろとヒアリングをするのかと言えば、こちらも先程の前金同様そもそもそんな飲食店に予約は入れてこないということになります。飲食店はどうすればいいでしょか。例えばLine@の活用があります。飲食店にLine@を通じて友達登録をしてもらえば少なくとも電話番号以上の情報と第三者が介在することで特にお団体でのキャンセル抑止力につながります。
同様に、カード会社のような第三者を介在させる方法も効果があります。カード会社でありグルメサイトを運営している楽天のサービスはPayPalやアップルPay同様に上手に使えばスムーズな予約や前金などのデポジットを預けてもらうには便利なサービスです。
それでも予約をキャンセルされたら
飲食店側がキャンセルポリシーにもとづき前金を預かっていれば突然キャンセルされても実害は出ないはずですが、全てが上手くいくとは限りません。それでも突然のキャンセルを被ることを念頭に置いたとすれば次に何を考えなければならないのでしょうか。それは、団体客用に仕入れた食材とキャンセル当日の売上です。
当日は仕込みが大変な料理は出来るだけ避け、直前に調理できるものを考える必要があります。また食材も日持ちする物を用意しましょう。サラダ系の物は捨てる覚悟で諦めるかマリネやカプレーゼのような直前に付け合わせる料理を考えたいものです。その点和食は大皿料理の様に日持ちする料理などを多めにし鮮度が問われる刺身系を減らすことが大事です。もっとも翌日煮るか焼くか、揚げるかと活用方法はたくさんあるのはありがたい食材と言えるでしょう。
最後に団体客が抜けた時間帯の売上をどのように確保するかです。ひところはツイッターで拡散(キャンセル出ました。助けて下さい。)と言った拡散ツイートが話題となりましたが、ご存知のようにツイッターは一瞬でその叫びが消えて行きますのでフォロワーがいるか誰かがリツイートでもしてくれないと正直言って厳しいと思います。このような場合は、Line@のお得意様に向けて、無駄になりそうな食材や料理を半額でで提供するぐらいインパクトのあるコメントでご招待と銘打てばキャンセルの事情も相まってファンは必ず集まってきます。また、店先でも予約客がいたであろう時間帯に限ってのタイムセールを打つのも分かりやすくて面白い企画だと思います。
今回はキャンセルされる飲食店側の立場を考えて見ましたが、なにもしないでいるとキャンセルはされるは、損害は出るはのダブルパンチです。しかしキャンセルは起るものとして団体客の扱いやメニューを考え直せば、忘れた頃に来る突然のキャンセル(ドタキャン)にも余裕で対応できるはずです。今一度キャンセルに対する付き合い方を見直してみてはいかがでしょうか。