脱サラしてラーメン店で成功する物件選び 5つのポイント

脱サラしてラーメン店で成功する物件選び 5つのポイント

よく相談を受ける内容をタイトルにしました。ただ先にお断りしておきたいのですが、物件の条件が良ければ必ず成功するのかと言えばそうではありません。提供する料理の質、お客様に対するホスピタリティー、価格設定などソフトの部分がまず重要です。順番から言えばそれらのソフト部分が一義的には重要で、どこで、どのように営業するのかは実は二次的要素であるということをお分かりいただいた前提で話を進めさせて頂きたいと思います。

ただ、残念なことに都心で起こっているのは、ソフトの部分(味や価格設定)が申し分ないのに間違った場所、仕様で開店されたが為に長続きしなかったラーメン店が後を絶たず残念に思います。これからラーメン店で脱サラしようとお考えの皆さんに少しでも参考になれば幸いです。

飲食店 家賃からみた「平均売上」を考える

1.面積=席数

最初に検証したいのが、厨房のキャパシティーと調理のキャパシティーそれに対する席数から適正賃料を導き出す方法です。

事業計画上では店内の席数が何席で1日何回転するから売上はいくらと計算されることでしょう。間違いではありませんが、少々現実離れしています。初めて飲食店を出される方は、往々にして物件から事業を組み立てようとされます。その結果、想定売上以上に高い家賃を払うことになることがよくあります。なぜなら、目の前の物件をもとに事業計画を作るからです。競合店の売上状況をよく観察し下記のようなシミュレーションをしてみましょう。

前提:契約面積 6坪、席数8席、1食の調理時間7分、1食の食事時間8分

入店から退店まで一人当たりの所要時間は15分となります。つまり1席当たり時間に4回転となります。席数は全部で8席ですからお店全体で1時間に32名のお客様に食べて頂ける計算になります。ランチは2時間ですが、12時から13時以外の1時間はガクッと稼働率が下がります。こちらは70%程度と見ます。さらに夜の2時間は稼働率は50%程度です。これを計算すると計128名のお客様が来店されることになります。

月の営業日が25日、想定の価格が800円だとすると月の売上は

86.4人 × 800円 × 25営業日 = 172万円/月

売上に対する賃料負担を売り上げの1割とすると家賃は月額17万円迄支払うことが可能です。想定が6坪でしたから坪単価@2.8万円となりますから都内でも比較的いい場所に出店が可能です。

飲食店 売上は 価格設定 と 回転数 で決まる その具体例とは

2.レイアウト

ラーメン店には必ず券売機があります。なぜだか考えたことはあるでしょうか。これは、人件費削減と回転率を上げることが目的です。店内で、注文を伺ったり代金の精算を行うことで裂かれる手間と時間を省く為です。その発想で言えば、ラーメン店はカウンターのみが一番効率が良いとされています。有名牛丼店なども同じ発想です。上記のような8席のお店であれば、ラーメンを作る調理が1名と配膳と下膳を担当が1名、計2名で十分です。夜稼働率が下がる時間であれば一人でも十分切り盛りできます。人件費などを考えると断然カウンターだけのお店が利益を生みます。なかにはテーブル席のあるラーメン店を見かけますが、最近流行のラーメンバルやチョイ呑みメニューが無いお店はやめておくべきです。運ぶ手間もさることながら、稼働率を下げる結果となり、その分賃料の支払い力が削がれてしまいます。

3.競合店調査

ラーメン店に限ったことではありませんが、近隣にあるラーメン業態のお店の調査は欠かせません。どのような味で出しているのか、価格帯はどうか、時間帯別にどの程度お客様が入って居るのかなどを調べます。もし、同じような味付けのラーメンで競合店が近くにある場合は、価格なのか話題性なのか勝機を見出さなければ出店は厳しいでしょう。

それとは別にラーメン以外の人気店の動向も重要です。ランチ時に流行っている店の価格帯や客層など重要なポイントです。彼らから客を奪う為に何が必用か考えなければ、オープン当初の物珍しさの時期を過ぎると客足が離れる可能性があります。ここは慎重にリサーチが必用です。

4.徒歩何分

駅前の商圏でお客様をつかまえるのか、ビジネス街でお客様をつかまえるのかなどどこで商売をするのか決める必要があります。つまり観光スポットでもいいわけです。俗に言う集客装置が近くにあるかどうかということです。駅やオフィスビルなどは少々離れていてもラーメン店へは目的を持ってお客様が来て下さるのでいいのですが、そうは言っても徒歩7分ぐらいが限界です。

例えば、ランチ時、往復14分の道のり、店先で仮に10分並んだとして、店内で正味15分の食事、これだけで39分です。途中コンビニによって買い物を10分すれば残りのランチタイムは10分しか残りません。雨の日であればなおさらです。一般的には7分限界説がささやかれる根拠はここです。

飲食店を悩ませる3つの問題 「宣伝」「稼働率」「距離」を考える

5.ラーメン店の居抜き物件は要注意

都内で1年に閉店するラーメン店の数が300店舗。それに対し1年でオープンするラーメン店の数は300店舗などと言われています。もはや都市伝説化する噂です。しかしこの陰にいくつものポイントが隠れています。

まず、利益の出るラーメン店はカウンターだけのお店が利益が出るとお話ししました。ということは、間口が狭く奥行きがある部屋型か、間口が広く奥行きがない部屋型のどちらかになります。結果、物件として限られるということです。

次に大家さんの承諾です。頃合いよく物件が出てきたとしてもラーメン業態を嫌がる大家さんが多いのも事実です。賃貸借の申込をしても断られる可能性は50%ぐらいあります。さらに、物件が少ない、大家さんの了解が取りづらいことを見越して、賃料を高く設定する不動産会社が見受けられます。その結果、賃料に売り上げの大半を奪われてしまい早期の閉店に至るケースが後を絶ちません。それらの物件が居抜き店舗物件として世の中に出てくるのです。自分は大丈夫と過信せず、十分に負担能力に関し検討を行ってください。

最後に、ラーメン店を始めるにあたり意外と盲点となっている存在をお教えします。

寿司屋さんとスナックの居抜き物件です。この共通点は比較的面積が小さくカウンターだけの作りが多いことです。改装にもさほどお金はかかりません。但し弱点もあります。ガス容量と排気です。寿司屋、スナックは3.5号の家庭用のガス引き込みしかなないところが多いのですが、足りない分は大掛かりな工事をせずプロパンガスで補いましょう。また排気はダクトの増設と有圧扇などの力の強いものをつけることは必須です。臭い対策では、消臭フィルターかダクトを少々高い位置まで立ち上げれば近隣からのクレームはあまり出ません。周りの環境を見ながらですが、業態変更をすることで賃料を抑えることが出来ます。是非挑戦してみて下さい。

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