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飲食店の資金繰りは通帳の残高では分かりません!正攻法を学びましょう

飲食店-資金繰り-通帳

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その日の売上代金を夜間金庫に預けて帰られる飲食店のオーナーは多いと思います。ちょっとした規模の飲食店でも一晩の売上代金を店内に残して帰るのは心配です。

お店を閉めた後最寄りの銀行に預けて翌日通帳に記帳して確認という作業がほぼ日課となっているのではないでしょうか。昨晩預けた金額が間違ってないか口座にいくらお金が溜まっているか毎日チェックです。

今月はいつもよりお金が入っているぞとニヤリとするかもしれません。今月はキビシイかなとため息をつくかもしれません。そんな一喜一憂を繰り返していても月末の支払いはやってきます。

残高不足になりそうで焦った経験の一度や二度はあるはずです。毎日の売上とある時点での残高、それと月末の支払いが通帳を見ることでなんとなくわかっている状態、実は飲食店にとって非常に危険です。今回は、そんな皆さんに向けた資金繰りのお話をしたいと思います。

Contents

資金繰りをちゃんと理解する

読んで字のごとくお金のやり繰りを資金繰りというのですが、「キャッシュフロー」とも言います。ここでは、通帳を眺めているだけではわからないお金の流れについて考えて見ましょう。

もう少し言葉を変えるなら、資金計画となります。つまり未来に渡ってお金の出入りを予測し管理することを意味するからです。もし通帳だけを眺めているとすると昨日の売上や今月月初から積み上げた売上金や支払った販管費は把握できても、月末や来月末のお金の管理は出来ません。

なぜそのようなことが起こるかというと、支払と入金のタームつまり時期が異なるサイクルだからです。

例えば売り上げは毎日キャッシュで入ってきますが、食材卸などの仕入れは翌月払いということもあるでしょう。また現金払いばかりではなくカード決済のお金も契約によりますが、数日から長いもので翌月末というものまであります。

物を買って料理として販売するという単純なことなのですが、お金の流れはことのほか複雑です。これを可視化しないと思わぬ落とし穴が待ち構えることとなります。

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まずは入出金予想をたてましょう

第一に現金の残高管理です。月末に支払が生じる分だけ口座の残高が確保できるか予想しなければなりません。それには日々の売上予想と実際に発注した食材の支払いに家賃、アルバイト代など集めてみるとまとまった額になります。

そこにもってきて6月など雨の多い季節は売上が落ちるでしょうし、そもそも仕入れも控えるかもしれません。今月もいつも通りだとたかをくくっていると消費税の納付月でまとまった支払いがあることを知り大慌てということもあるでしょう。

賃貸借契約も2年か3年に1度更新があり更新料が1ヶ月余分に出て行くことがあります。大抵慌てるのは支払いを忘れていた、気が付かなかったなどによるところが多いのです。

これを避けるためにも毎日の通帳記帳と共に資金繰り計画書を作ることをお薦めします。エクセルを使えば簡単に出来るものですが、紙ベースでも十分管理できます。例えば、カレンダーの様に日付が縦一列の表を作り、最上段に左側から日付、入金額、支払額という升目を作り予想額を入れて行きます。

その後、金額が確定したところで予想額を実際の金額に入れ替えます。そうすれば月末の大体の収支が日を追うごとに正確に予想できるようになります。

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売上予想と現実の乖離をどのように埋めるのか

二番目に売上管理です。日々の売上と通帳の残高だけを見ていると日々一喜一憂と申し上げたとおり天気や気温、曜日による変動要因が売上を左右しているとの錯覚に陥りやすいのです。

予め売上予想額が入っていると、実際の売上高と予想額の違いは何故生まれたのか考えるものです。つまり反省です。雨だったから客足が落ちた。これをよしとするのであれば何も言うことはありませんが、ちょっとでも売り上げを伸ばしたいと言うのなら頭を使うはずです。

アメリカのレインチケットの様に次回来店時に割引がもらえるチケットをお出しするとか、雨の日は特定の料理や飲み物を思い切って半額にするサービスを始めてみようかだとかがそれです。

逆に予想より売上が上回った場合は、予想額が低かったのか何か要因があったのか分析することで別の日にも応用が効きます。

これを続けて行き1年が経てばほぼ売上予想と売上の差がなくなります。経営の安定化につながりますし、売上を伸ばすための材料がその中なら必ず見つかります。

 公私の区別

飲食店を経営されていると、日々の売上が発生し現金が入ってきますので月初めから月末前までに相当な額が積み上がってゆきます。

昭和の時代、ドラマや映画に取り上げられる飲食店の店主は、午後のひとときタバコをくゆらしながら競馬新聞を読み、奥さんの目を盗んでレジから馬券代をくすねるという描写が定番だったと記憶にあります。

今の世の中でこんなことをする経営者がどれほどいるかはわかりませんが、ここで言わんとしていることはお店の売上は経営者の収入ではないということです。レジから1万円を借りたからあとで返せばいいやと言う甘い考えが売上金を使い込む温床となります。

ここはレジのお金は公金扱いにして絶対に私的に流用しないという大原則を守ってください。そうでないとそもそも資金繰りではなく「お金の工面」となってしまい別の問題を引き起こすからです。

~まとめ~

今回のタイトルにもあります通帳を眺めるという行為は長年の経営のなかで感覚的にわかっている方が数多くいらっしゃることは否定しません。これはある程度リピーターとなる固定客がついたが故の結果です。

もし飲食店を開業されてあまり時間だ経っていないにも拘わらず同じような感覚経営をすると何かの社会的要因(例えば消費税値上げ)や自然現象(地震・コロナ等)などで利用されるお客様の消費マインドが冷えるようなことでもあればたちどころに資金ショートを起こしかねません。

目標を持って確実に入出金の管理をなさることをお薦めします。なぜなら通帳は過去を写す鏡となっても未来を見通す望遠鏡とはならないからです。

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