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シーズン到来!全国の鍋料理を徹底分析~県別・男女別サーベイも~

飲食店-忘年会-鍋料理

Photo credit: fujikinoko on VisualHunt

晩秋から冬にかけて日本人は鍋料理をよく食べます。この日本人の鍋料理にかける思いとはどれほどなかチェックします。

日本は明治時代になるまでサラダという概念がありませんでした。それまでビタミンや食物繊維は煮物かおひたしでとるのが主流でした。そこに冬場の鍋料理が登場し、野菜を煮ることで繊維質を柔らかくするだけでなく生で食べるより多くの野菜を食べることが出来る健康食となったのです。

熱によって野菜から溶け出すペクチンなどは消化を助ける作用があるのですが、スープで取り込むことが出来るので無駄がありません。普段は食卓に上らなかったであろう魚や肉などは、当時の日本人にとって冬場を乗り切る貴重なタンパク源となったのです。

ひと昔前まではそんな高級品だった鍋も手軽に作れるようになり今では材料のコストも下がり大衆料理の代表格です。

今回はそんな鍋料理に対し、1万6,000人を越えるアンケートから浮き上がって来た日本人と鍋料理の関係について考えてみたいと思います。

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日本人の鍋料理大好き度を数字でチェック

最初に行った質問が、あなたは鍋が好きですかというものです。「とても好き」と答えた方が50%、「好き」と答えた方が38%じつに9割近くの方が男女を問わず鍋料理を好きと言っています。これはもう国民食と言えるでしょう。

更にこの中身を県単位で見て行くと興味深いことが浮かんできます。

59.8%の方がとても好きと答えた山梨県を筆頭に2位に大分、3位に宮崎以下香川、三重、和歌山と続きます。逆に一番少なかったのは青森の36.0%、次が鳥取の39.4%、ワースト3位に新潟が入ります。

こうやって見てみると鍋好きは西に軍配が上がります。意外なことに寒いエリアの青森、新潟が最下位争いをしているのが驚きです。

日本人がひと冬に食べる鍋料理の回数をチェック

ひと冬に食べる鍋料理の回数、日本全体の平均で「11.3回

仮に鍋の季節を12月~2月までの3ヶ月とすると15週あります。つまり1週間に1度近く鍋料理を食べていることになります。

これを県単位で見ると先ほどのトップ山梨で13.5回、最下位の青森でも9.2回となっており下位グループでも極端に鍋を食べないというエリアは存在しないことがこの数字からうかがえます。

鍋を食べたい思う時はいつ?

戦艦料理のカレーの様に決まった曜日に食べる訳ではない鍋料理。なのに週に1度は鍋を食べている日本人。一体何がそれほど鍋に駆り立てるのでしょうか。

アンケートの結果は60%の方が「寒かったと時」と答えています。日本人なら頷けます。面白いのは2番目に多かった回答です。「面倒くさい時」というのが13%、3番目の人が集まる時7%を上回っています。直感的には人が集まる時と答える方の方が多いような気がしますが意外です。

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日本人が一番食べている鍋料理をチェック

全国的に不動の一番は「寄せ鍋」です。二番目に来るのが「キムチ鍋」、わずかの差で「すき焼き」という順番です。以下しゃぶしゃぶ鍋、ちゃんこ鍋と続きます。

ただ、県によってはご当地色が色濃く出ていて、秋田の一番はきりたんぽ鍋、福岡ではもつ鍋となっています。面白いところでは、福井と長崎の二番がおでん、愛媛、和歌山の三番が水炊き鍋となっています。

これを男女別に並び替えると、男性が好む鍋の回答が、すき焼き鍋、湯豆腐鍋の順番なのに対し女性の回答はキムチ鍋、豆乳鍋の順になっております。

ターゲットになる客層次第でラインナップを変えるか、売れ筋は全て揃えておくかによって飲食店の売り上げが大きくかわるかもしれません。

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県別で鍋料理に支出する予算はいくら?

一回の鍋料理の予算を尋ねるアンケート結果がまた面白い結果になっています。鍋の具材に一番お金を掛ける県はなんと沖縄でした。沖縄の鍋ランクを改めて見てみますと、寄せ鍋、すき焼き、ちゃんこ鍋の順番で1回当たり「1,375円」の支出です。

逆に一番お金を掛けていない県はというと和歌山で「897円」となっています。実はこの和歌山、ひと冬に鍋を食べる回数で言うと第3位(13.3回)となっていてリーズナブルに鍋を楽しむ県民性がうかがえます。

ひと冬に食べる鍋の数が少ない沖縄が鍋に掛ける金額が高いというのも鍋に対する高級志向があるように思えます。

因みにひと冬の「鍋回数×1回の単価」で一番お金を使っている件は島根で、ひと冬当たり「14,541円」と堂々のトップです。僅差で兵庫という結果です。

鍋料理の魅力とは?欠点はあるのか?

この点については、男女の回答数で見てみたいと思います。

前出の鍋を食べたいと思う時の回答で、面倒くさい時というのが二番目に来ていたと思います。実はこの内訳を男女別にみると男性の回答の約2倍の回答を女性が面倒くさい時と答えているのが象徴的でした。

同じように女性から鍋の魅力に対する回答の2番目は料理がラク、三番目に片付けがカンタンという結果になっています。これに対し男性は、あったまると回答した人の数が約半数に上ります。

欠点に関する回答は男女ともに約4割の方が「食べ過ぎること」を上げており、二番目は特になしという回答でした。なんとも幸せな悩みです。

~まとめ~

日本を代表する調味料の一つに味噌があります。寒さの厳しい北海道は少々塩分多めの白みそが主流です。東北の仙台でも仙台みそは辛口赤みそで有名です。味噌の本場長野はどうでしょうか。寒暖の差が激しいどちらかと言えば冬場は寒さの厳しい長野県、やはり米麹と大豆でつくる味噌(米味噌)で、淡色で辛口を特徴としています。中部に下ると塩気よりもうま味や渋みが強い八丁みそが主流となり、関西以西は色も白くなり甘さが強くなります。広島の府中味噌などがいい例です。

こうやって見て来ても北に行くほど辛く、南に下るほど甘くなる傾向にあります。そのことが原因なのかわかりませんが、近所にある醤油をベースにしたラーメン店でもこの季節になると味の濃い味噌ラーメンが多く出ると言います。

どうやら人の味覚は寒さと共に塩分を求めるようです。外気の温度を見ながら鍋の味付けを調節するのも繁盛店のコツかもしれません。日中の外気温が15度を下回るようになれば鍋料理のシーズン本番です。今から一工夫考えてみてはいかがでしょうか。

参考文献:「日本の鍋事情」ウェザーニューズ調べ

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