繁盛する飲食店の原価管理とは

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繁盛する飲食店の原価管理とは

近くにある中華料理店で気になることがあるのですが、訪れる度に料理やご飯の盛り付けが違います。特に混み合っているランチの時間帯にその傾向が強く、極端に多い日や逆に量が少ない日があるのです。厨房がオープンに見渡せますので作る様子を眺めておりますと、あることが分かってきました。基本的には、注文が入ってから順番に作り始めるのですが、人気のメニューは追加分を見込んで少し多めに作っているようです。その料理が出来上がる頃に追加注文が入ると2等分して提供し、追加が入らない時は少し多めに盛り付けて出しているのです。料理を作るのはご主人お一人だけですからランチタイムに出来るだけ多くの注文をさばくために考え付いた方法なのだと思います。ただ、ちゃんと採算がとれているのかちょっと心配です。

対照的に、チェーン店にランチを食べに行くとお皿やどんぶりに盛り付けたご飯の量を計量している姿を見かけます。決められた量を守ってお客様に提供しています。同じ飲食店としてこの違いはどこにあるのか、その疑問を解くカギが原価管理という考え方です。

今回は、飲食店が出す料理の原価とその管理方法について考えたいと思います。

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原価計算をする

レシピをみれば使用する食材とグラム数、使用する調味料もグラム数や大さじ一杯などの分量が分かります。基本はこれに沿って金額を書き入れていけば完成するのですが、ただ食材のグラム単価に使用する分量を掛け合わせればよいというものではありません。

最初に料理を構成する材料の歩留まりをはじき出さなければなりません。会計用語で標準歩留と呼ぶのですが、ニンジンやジャガイモなどは調理をする際に皮を剥いたりへたをとったりして購入時よりも使う量が減ります。分かりやすいのが肉です。1㎏=4,000円、10㎏で4万円の肉を仕入れたとして、脂身やスジの部分を丁寧に取り除いた結果使用できる部分が8㎏になったとします。この時の標準歩留は、8㎏で4万円となり、1㎏=5,000円となります。もし原価を計算する時に標準歩留を考慮に入れないと原価率が知らない間にグンと上がってしまう結果になります。

料理の世界では一人前をポーションと言いますが、冒頭の中華店の様に決めたポーションよりも多く提供される料理をオーバーポーションと呼び、逆に少なく提供される料理のことをアンダーポーションと呼んでいます。原価を管理するには、提供するポーションの標準グラム数を決めなければなりません。お店がターゲットとするお客様によってこのグラム数は変わります。女性がメインのお店と学生相手のお店では同じ料理を想定したとしてもその量は大きく変わります。その上で、ポーションのグラム数を決め構成する材料を拾い出し先程の標準歩留から得られる金額を入れて行けば料理の原価は出てきます。

材料に限らず調味料も全て原価が出ます。例えば醤油500mlを250円で購入したとすれば、料理に使う量が大さじ2杯だとすると30mlです。250円×30ml÷500ml=15円と計算できます。他の調味料、材料も同じ要領で原価が出てきます。これらの総和がポーション当たりの原価となります。

原価率の目安と考え方

この原価率の利用については3つのアプローチがあります。

一つ目は、食材の標準歩留から求められたそれぞれの原価の総和に標準原価率から割り戻して求める販売価格の利用法があります。一般的に飲食店の原価率は30%と言われています。仮にポーション当たり原価300円の料理があったとします。原価率を30%とすると300円÷0.3=1,000円が販売価格となります。

二つ目は、販売価格から原価率を用いて原価や原価構成を決める方法です。ポーション当たり1,000円では高いと判断したとします。ターゲットから考えれば850円が限界であろうとなった場合850円×0.3=255円がこのポーションの原価となります。積み上げ原価に比べ原価をポーション当たり45円落とす努力が必要になります。素材のグレードなのかポーションの仕上り量なのか腕の見せ所です。

三つ目は、料理毎に原価率を変えることでより利益の出やすいメニュー構成に出来ます。原価率30%というのは飲食店で出される料理の平均原価率ととらえる考え方です。例えば、手間がかかっても原価率の低い料理があったとします。和食の煮物の様な料理です。仕込みに時間がかかる分原価を上げて半完成品を仕入れることで全体の仕込み効率があがる計算が出来ます。原価も手間もかからない料理は出来れば看板メニューにして一番のおススメとしたいものです。少々値段は高いが原価率が高い分人気の料理は、数量限定にしたり2人前以上からの注文にすることで売上と客単価アップに寄与してくれます。

このようにメニュー毎に原価と売値、原価率を並べて検討することで共通の食材が見えてきます。魚や野菜など季節や気候によって価格が大きく変動する材料などは原価率と相談をしながら別の材料で代用するか、思い切って安く仕入れられるものに差し替えるぐらいの工夫が出来るようになります。どうしても構成の変えられない定番メニューが食材の高騰などで原価率が上がるような場合は、原価率の低い季節限定メニューなどを投入して売り上げ全体の中で原価率が30%で落ち着くよう工夫をしてください。

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ところでご飯のポーションを考えたことがあるでしょうか。標準歩留の考え方からすると内容物が減るのではなく、逆に2.2~2.3倍に増えます。

お米を10㎏=3,000円で買ったとします。一般的にご飯のポーションは半合程度とされています。1合が150gです。これが2.3倍になると340gほどになります。つまり1合で二人前ですから一人前170gを提供するのにお米75gが必要になります。これを購入価格から原価を求めると、3,000円×75g÷10,000g=22.5円が原価となります。ファミレスやチェーン店がご飯の量を測るのは、この原価を忠実に守ることで利益を計算通り出すノウハウがあるからのです。

原価と原価率が理解できたところで、現実にこの二つの指標がクリアできているかどうかを検証します。その為には月末に棚卸しを必ず行ってください。棚卸しでは、3つのデータを確認します。①=前月仕入れた食材の残量とその金額、②=当月仕入れた食材の量とその金額、③=当月仕入れた食材の残量とその金額、この3つの数字を使い④=当月使用した食材の量とその金額を求めます。 ①+②―③=④ 

この④の額をその月の売上代金で割れば実際の原価率が出てきます。

今回は原価管理に着目したブログを書きましたが、次回は最初に机上でたてた原価率(理論原価率)と実際に活動後に得られた原価率(棚卸原価率)の乖離つまりロスはどこで生まれるのかについて考えてみたいと思います。

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