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いますぐチェック!飲食店が必ず直面する3大リスクとその対処法を伝授

飲食店-リスク-保険

cegoh @ Pixabay

ずいぶんと前ですが、ハンバーガーチェーンで提供するコーヒーの温度を巡り裁判がありました。そのコーヒーの温度が高すぎて危険だという原告の主張が通り当時64万ドル、今の価格にして約9,500万円もの賠償金が支払われたのです。

あまりにも有名な話なので記憶のいい方は、もっと高額だったような気がすると思われるかもしれません。実際懲罰的損害金として、世界中のコーヒー売上2日分(そのハンバーガーチェーン店のみ)2億7,000万円(当時円レート)の支払い命令も出たのですが、実際には支払われなかったようです。

同じコーヒーでまた高額な裁判が起こりました。緑の看板に人魚が目印のあのお店です。内容はこうです。特大サイズの「ベンティ」の容量は24オンス(約710ミリリットル)と決まっているのですが、実際に客が受け取るコーヒーは14オンス(約414ミリリットル)で残りは氷だというのです。

このことが客を欺く詐欺行為だとして訴えられているのです。なんとその額500万ドル、日本円にして7億4,500万円になります。こちらは店側が勝訴したようです。

このように、これまで普通に営業してきたのにある日を境に環境が一変する飲食店のリスクはいたるところに潜んでいます。今回はそんな飲食店が気を付けなければならない3つのリスクについて考えます。

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Contents

飲食店のリスクその①「食中毒」

飲食店の身近なリスクの最たるものは食中毒と考えるべきです。店の心構えとして、食中毒防止の「三原則」というものがあります。

  1. 付けない
  2. 増やさない
  3. 消滅させる

最近は、さらにもう一「持ち込まない」を加えて四原則が提唱されています。

では何をどのように気を付ければよいのか具体的に考えてみましょう。

財団法人全国生活衛生営業指導センターが定めている「一般飲食店営業に関する標準営業約款」が大変参考になります。40ページにも及ぶ約款集ですが前半に飲食店が日々確認すべき20項目からなる点検表が添付されています。いくつかご紹介しますと、

  • 調理場内に不要な物を置かず、整理整頓されているか
  • まな板、包丁及びふきん等の調理器具は使用目的に応じて区別しているか
  • 調理器具は洗浄・消毒後よく乾燥させ、扉のある棚に収納されているか
  • 冷蔵庫内の食品は、相互汚染が生じないよう専門容器を用い、又は区画して保存しているか
  • 作業前に手指等に化膿傷のある人や下痢等で体調を崩している人の確認をしているか

など6つの大項目から成り立っており、毎日確認することを奨励しています。これらを確実に行うことで食中毒のリスクは大幅に下がります。

ここに「持ち込まない」が入ったのは、食材が配達されてきた際にお店の軒先や裏口に置いてゆく業者がおり、段ボールなどに菌が付着するケースがあるからです。これを調理場ではなく別の場所で荷捌きをして厨房に持ち込むことを薦めています。

同時に調理場での履物と調理場の外での履物を分けることで足の裏に着いた菌が厨房内に侵入することもなくなります。

飲食店が食中毒に備える保険とは

食中毒のリスクヘッジは「保険加入」

いくら気を付けていても食中毒を起こさない確率はゼロにはなりません。もしもの時に役立つのはやはり保険です。繁盛店であればあるほど被害が拡大し社会的制裁もさることながら、被害者にたいする賠償金や見舞金などの支払額も大変高額なものになります。

標準営業約款にも食中毒の際の対応について記述があります。すなわち、被害者となられた方に対し誠心誠意の対応をし、簡易迅速(簡単な手続きで迅速に行うこと)に賠償金の支払いをするよう定めています。

ネットで調べますとこれら食中毒に関する保険は数多く出ているようです。いろいろあって迷われるのであれば、食品安全協会が出している「総合食品賠償共済」などに加入されてはいかがでしょうか。

食中毒対策には最後に「保険」も入れて五原則とするべきでしょう。

飲食店のリスクその②「店舗火災」

食中毒と同じぐらい飲食店のリスクとなるのが火災です。多くの人が集まる飲食店では、開店時の消防検査に、定期的な消防検査を含め取り締まりが厳しくなっています。

火災報知機や煙感知器、消火器の本数に、ガス漏れ感知装置などの設置義務のあるものは当然として、コンロ回りの熱から厨房を守るステンレスの保護範囲を増やす指導やダクト内を明るく見えやすくする電灯の設置などかなり細かく指摘を受けます。

最近飲食店舗物件の主流となりつつある居抜き店舗でも以前は一部の改造若しくは店舗の引き継ぎということで消防検査を受けなくてもよい時代がありましたが、現在は全てが検査対象となっています。居抜き店舗で開業される皆さんはよく覚えておいてください。最悪の場合使用停止命令が出ます。

飲食店にはどの火災保険が必要か

防火意識が最重要

消防署でおうかがいした話では、従業員に対する日頃の啓蒙でほぼ火災をゼロにすることが出来ると言っています。

  • まずは防火管理者をおく(2日間の講習を最寄りの消防署で受ければなれます。ただし、テキスト代が5,000円程かかります。)
  • 店内に可燃物を極力おかない(引火しやすい物は持ち込まない・不燃化の促進)
  • 漏電や発火の原因となるコンセントの埃やねじれなどをチェック
  • 日ごろから消火器の使い方など消火訓練をする
  • 万一の火災に備え、「通報」「初動消火」「避難誘導」をシミュレーションをしておく

また、調理やたばこの煙などで埃が付着しやすい環境では火災報知機の誤作動が発生しやすく、年に一度の点検や一定年数たったものは新しい機器に交換することも必要です。対象の機種について一度メーカーに問い合わせてみるのが良いでしょう。

飲食店のリスクその③「食物アレルギー」

最近コロナワクチン接種時のリスクとしても話題に出るアナフィラキシーショック。飲食店の場合は、特定の食物に反応するアレルギーのことで、突然呼吸困難に陥ったり意識障害を引き起こすとても恐ろしいものです。

そのような重篤な状況にならないまでも皮膚症状、嘔吐、下痢などの症状が現れることが良くあります。現在これらのアレルギーに関する飲食店の認知度はまだ低く、食品アレルギーを患っている側が自己防衛的に食事を選んでいる状態です。

ただ、先進国で患者の増加が報告されていて、日本でも2017年から特定食品への表示が義務化されました。

逆に言えば、食物アレルギーを持つ方は大変苦労して食事をとられている訳ですから、この事実を飲食店側がよく理解をしてその日のメニューを構成する食材にアレルギー物質を含むか含まないかを表示するだけでも大きなサービスとなります。

食物アレルギーを起こしやすい食品

牛乳・卵・小麦・そば・かに・えび・落花生

可能性のある食材

牛肉・豚肉・鶏肉・いくら・いか・あわび・さけ・さば・オレンジ・もも・りんご・バナナ・キーウイ・山芋・松茸・胡桃・ゼラチン

もしアナフィラキシーのショック状態が起きた際は、むやみに動かさずすぐに、お客様にアドレナリン注射などの薬を携帯しているかどうかを確認しましょう。携帯されているのであればすぐに注射し一時的に症状を抑えて救急車を待つようにしましょう。

現在100人に1人の割合でアナフィラキシー患者がいて、年間70人以上の方がなくなられています。飲食店としては大きなリスクとしてこの食物アレルギーに取り組むべきなのです。

知らないと本当に損する 飲食店舗 保険

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