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知らないではすまされない 飲食店「課徴金」制度スタート 改正 景品表示法 を知る
そもそも「改正 景品表示法 」とはなにか?
2016年4月にスタートした「課徴金」とはこれまでと何が違うのか、皆さん薄々気が付いていることなのですが、皆やっていることだからと見過ごせなくなりそうです。
今回は知らなかったでは手遅れになる課徴金のスタートに合わせてもう一度改正 景品表示法 をおさらいしたいと思います。
改正 景品表示法
景品表示法 とは、
この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする(景品表示法第1条)
とあります。
つまり、商品やサービスを提供するものが価格や品質を偽って表示をして、一般消費者に間違った認識をさせることを制限、禁止した法律です。ようは、ウソの表示や偽の食材、高くもないものを安く見せるなど不当表示を取り締まる法律だと再認識してください。
課徴金(2016年4月施行)
課徴金とは、行政庁つまり消費者庁が違反事業者に対して課する金銭的不利益のことです。ポイントはここからです。
「消費者庁が行政処分として課徴金の納付を違反業者に対して命令できる」ところです。
つまり、刑罰ではなく行政処分なので裁判所の判決を必要とせず発動される点がこの課徴金の怖さです。
これまでとはなにがちがうのか。
違反業者に対するペナルティはあったのですが、消費者庁からの措置命令に対して従わない場合のみ2年以下の懲役、300万円以下の罰金が科せられるというものでした。(法人には3億円以下)この文章を読む限り、罰金が発生するのは措置命令に従わなかった場合と書いてあります。
仮に、すべての業者がこの法律に違反していたとしても、行政から不当表示を止めなさいと言われて素直に従えばおとがめ無しということになります。俗に言う「やり得」状態です。
これをさせない為に、これからは不当表示を見つけたら課徴金を課しますよとなった訳です。
「不当表示」とは
優良誤認
一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示すこと、又は事実に相違して同種、類似の商品よりも著しく優良であると示すこと。
「ビーフステーキ」や「ステーキ」とメニューに表示してあるものが実際には牛肉の成形肉を提供していた。メニューに「国産和牛のステーキ」と表示しているのに、実際には、国産和牛ではなく、オーストラリア産の牛肉を使用していた等がそれにあたります。
そのほかのメニューの「宣伝文句」、「写真」等の表示でも一般消費者が受ける印象・認識を基準に判断するとも言っています。写真の盛り付けと実際に提供される食べ物が違っていたというのも対象となるようです。
有利誤認表示
商品の価格やサービスの品質、その他の取引条件が実際よりも安価(有利)であると誤認させる表示など。
セールだとか期間限定半額と表示をしているにも関わらず、長い期間常に設定しているような価格の場合がそれにあたり、俗に言う二重価格を指します。
表面上は安価な商品やサービスであるかのように表示しておいて、実際には別途費用が発生するような表示の仕方も有利誤認表示として判断されます。
不実証広告
客観的な根拠のない効果や性能表示なども優良誤認表示の一種として課徴金の対象になります。
健康食品やダイエット食品などがこれらに該当してきます。
課徴金の内容について
・違反商品・サービスの売上の3%
・対象期間、3年を上限に遡り課金
・対象商品・サービスの売上5,000万円以上を対象
・自主申告をした場合は、課徴金額を2分の1に減額
課徴金納付の命令までに、被害者に対し自主的に返金をした場合は、その額を課徴金から減額となります。つまり課徴金以上に返却した場合は、免除となります。
消費者庁Q&Aにある問題例
・レストランで提供する飲料として「シャンパン」と表示していますが、実際には、スパーク リングワインをコップに注いで提供しています。 ⇒ 景品表示法 上問題
・サラダの材料として有機野菜を使用している旨をメニュー等に表示していますが、実際に は、一部の野菜は有機野菜ではありません。 ⇒ 景品表示法 上問題
・飲食店で提供する御飯について「山形県産はえぬき使用」とメニュー等に表示しています が、実際には、山形県産の品種のブレンド米を使用しています。⇒景品表示法 上問題
・料理にフカヒレを使用している旨をメニュー等に表示していますが、実際には、人工フカヒ レを使用したいわゆるフカヒレ風の食材を使用しています。⇒景品表示法 上問題
・料理の材料としてバナメイエビを使用していますが、シバエビを使用している旨をメニュー 等に表示しています。 ⇒ 景品表示法 上問題
消費者庁Q&Aにある合法例
・飲食店のメニューに「鴨南蛮」と表示していますが、実際には、合鴨肉を使用しています。 ⇒ 景品表示法 上問題なし
・メニューとして「鮮魚のムニエル」と表示していますが、このほか特に使用している魚の新 鮮さを強調した表示はしていません。実際には、解凍した魚を使用しています。
⇒景品表示法 上問題なし
冷凍を鮮魚と表示してもOK。但し、「港で採れたて」、「今朝市場で買い付けた」などの 表示をした場合は問題ありとなります。