一口に飲食店舗の繁盛店をつくるといっても、様々なアプローチの仕方があります。ランチについては、さきに公開しています 飲食店舗 の 繁盛店 をつくる方法(ランチ編)を参照くっださい。
今回はその続編で、夜の部(ディナー)編です。
基本、ランチで飲食店舗の繁盛店 をつくる考え方と基本は同じですが、ランチと大きくことなるのが、「時間」と「距離の制限」がなくなる分、周辺のお客様だけではなくもっと広範囲に 繁盛店をつくり上げて行く発想が必要となります。
ここは、宣伝型の「出来る」と積み上げ型の「つくる」を合わせたハイブリッド型でのアプローチになります。
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夜の飲食店舗の営業は「宣伝」方法が最重要です
ランチの見込み客は、お店の周辺5分から10分圏内にお勤めのビジネスマンやOLが主なターゲットです。
これに対し夜のお客様は、同じエリアの方とは限りません。大げさに言えば海外からわざわざお越しいただくことさえあるのです。なぜそのようなことが?と思われるでしょうが、それは宣伝により可能となります。
しかし、重要なのは飲食店の存在を知ってもらい、なんの料理を出す店でなにが売りなのかまで伝わる必要があります。
今さらと思われるかもしれませんが、用意したいのがお店のホームページ(HP)です。重要な宣伝ツールだからです。
HPが果たす2つの大きな効果
- チラシや雑誌広告と異なり、内容に制限がありません。つまり、写真に動画まで載せられますし、そのボリュームにも制限がありません。また、一度きりの配布ものや、期間の定めがある掲載ものとはことなり、24時間、365日そして地球上のあらゆる場所から見ていただける優れものです。
- ヤフーやグーグルなどの検索で見つけ出されるまで日の目を見ないという時代は過去です。いくつもの入り口から最終的に店舗のホームページ(HP)にたどり着くサービスや、SNSと言われるソーシャルネットワークが存在し、これらに所属し活動することで自動的に宣伝が行われることになります。
この二つの要素をどのようにつくりこみ、生かしてゆくのか詳しく見てみたいと思います。
飲食店で繁盛するHPはコンテンツ(内容)が命!
グーグルで「ホームページ 製作」と検索すると1億3300万ページが出てきます。また、「ホームページ 製作 ソフト」と入力すると1210万件のページが出てきます。こちらは自分でHPを作るためのPC用のソフトウェアを検索したものなのですが、無料のフリーソフトを含め多数出てきます。悩みますよね。
今回のテーマでは、製作するツールや発注に関しての話題は別の機会にとっておき、コンテンス(内容)の考え方や運用の仕方について掘り下げてみたいと思います。
なぜHPのコンテンツ(内容)が命なのか?
社会人をしていますと、宴会の幹事を任されることがあると思います。また、親しい人との大切な食事や、家族での団らんのお店等を任されて選ばなければならないとしましょう。手っ取り早く誰かに聞くというのはさておき、何かしらの媒体を使って調べるはずです。今の時代、間違いなくインターネットを利用します。もしご自分のお店のHPがなかったら、存在すら知られないままに候補から外れることになります。
だったらお金をだして「グルナビ」か「食べログ」に掲載をお願いすればいいじゃないかとなるのですが、ここでは同じ作りの紹介ページ情報でいわば一次選抜のようなもの。
賢い(慣れた)ユーザーは、一次選抜を勝ち残った 飲食店舗 の個別のHPを見て最終決断するのです。
選ばれるHPのコンテンツ(内容)とは何でしょう
「情報が多い」
お店の名前と住所、なに料理の店ぐらいしかわからないのでは怖くて選べません。
素材の原産地にこだわった表記や写真、調理方法に写真、お酒も他ではおいていないものであればなぜそれを置いているのかの理由や写真。これらが決め手になることも。
店内の雰囲気を知るためにも、写真の数などはとても重要な情報です。
やはり見栄えを考えますと、プロのカメラマンに撮影を依頼された方がよいでしょう。狭い店舗でも広角レンズでプロが撮れば、想像以上に奥行きのある出来栄えになりますし、料理のシズル感と言いましょうか、美味しそうと思っていただける写真はやはりプロにはかなわないものです。
ここはケチらずお金をかけてください。
「情報が新しい」(常に更新されている)
せっかく写真も豊富でいくつもの説明文をふんだんに盛り込んでいても、5年前の情報のまま更新されてなかったり、新しいメニューに更新されていないなどは、間違いなくにユーザーに悪い印象で伝わります。そもそもこのお店今営業してる?のような。
ここは、最初にHPを作るときに簡単に更新が出来る工夫をしておくか、格安で更新を請け負ってくれる製作会社を見つけることです。
「メニュー紹介的なつくりにしない」
店舗で出しているお料理のメニューをメインに出しているHPをよく見かけます。確かにストレートで分かりやすく、ランチを選ぶ時などは重宝しますが、夜の部ではNGです。
料理、お酒、内装、場所それぞれの情報を一つのストーリーとして表現することで共感してくださり、初めて大事なひとときのお店として選んでくれるのです。
人によってはそれをこだわりと呼びます。万人に受ける店などありませんが、そのこだわりを求めている人は確実に存在しているのです。
飲食店で繁盛するHPは更新しないと意味のナゼ
なぜ飲食店の繁盛にHP更新が必要なのか?
前章で古い情報は選ばれないと申し上げました。これは事実で、それだけではありません。ネット検索の仕組みを知ればこの意味がお分かりいただけると思います。
そもそもグーグルやヤフーの検索エンジンで上位に出てくる順番は、誰が決めているのだろうかと考えたことは、一度や二度ではないと思います。チョット知識のある方ならこういうでしょう。
それは、「SEO業者というネット商売の人達がインターネットの検索順位を上げる為にお金をとってやっているからだと」。
確かに間違いではありません。それどころか少し前まではそれが主流でした。しかし、その流れは徐々に、また確実に変化しています。
これまでSEO会社はいろいろなダミーサイトを駆使して、あたかも日本中で沢山見られているかの偽装をして順位を上げてきました。つまり見られる回数の高いサイト(HP)ほど、人気があるので順位を上げるという方式だったからです。
これに対し、今の流れは閲覧回数にプラスしてHPの内容が伴っているか吟味をして、内容が濃く、見られている回数も高いほど順位が上がる仕組みへと変わってきています。
また、以前の方法は特定のキーワードでそのページが表示されるか、順位はどうかという方法でもありました。例えば、「お寿司+神田」というキーワードで神田のお寿司屋さんの一番に表示されるためにお金を使ってきたのですが、これはそれぞれのサイト(HP)がどのキーワードで検索されているのかを見ることが出来たからなのです。
これを逆手に取り特定のキーワードに反応して表示され、高い順位を保てるようSEO会社は高いお金を取って仕事にしてきたのです。しかし、このキーワードが今後見られなくなるというのです。であるならば、今後順位を上げる要素は何でしょうか。
ズバリ、内容の濃さと更新の頻度なのです。
繁盛店 をつくる人気の積み上げについて
敢えていうなれば人気店≠ 繁盛店 というのも結構存在します。ランチ編で見てきた通り、お客様の反応と料理の利益率は、切っても切り離せないものです。
目玉商品をだしてお客様を呼び、それ以外の料理やアルコール類で稼ぐやり方というのは以前からありました。
でも利益率の低い目玉商品にばかり人気が集まり、利益の出る料理が期待したほど出ず、結局食材を廃棄するする羽目になってしまうケースや、オーダーをさばくために人を増やした結果経費倒れになるケースなど、一見はたから見ていて繁盛していそうに見えて実は火の車というのも少なくはないのです。
たまに出るオーダーよりも人気メニューのバリエーション
ランチ編でも考察しました。いろいろな好みに答えられるよう、メニューの数ではどこにも負けないようにしようだとか、他所のお店ではおいていない珍しい料理を提供しようだとか。とても大事ですし、そのようなお店が増えることをユーザーとして心から望んでいます。
しかし、お店側はどうでしょうか。料理の品数が増えるということは、それに対応する食材のストックが必要になるはずです。物理的に冷蔵庫や冷凍庫の場所を取ります。そのおかげで定番商品の場所がなくなり、売り切れとなっては本末転倒です。
また、たまにしか出ない料理の為に、買った食材が賞味期限をむかえ廃棄となることも珍しくないでしょう。間違いなく利益圧迫の要因となります。となれば、ある時期決断を迫られることとなります。必然的に人気メニューのバリエーションを増やし、食材の廃棄を減らすことが出来れば経営は安定し、利益を残すことが可能となるでしょう。
「自慢の1品を持つ」
最高の集客コンテンツです。常に磨きをかける努力が必要です。 繁盛店 の必須要素とも言えるでしょう。日々お客様のオーダーの中から目を凝らして、耳を澄まして生み出してください。
「新作に挑戦する」
リピーターで繁盛するお店は、必ず定番以外に新作に取り組んでいます。今度行ったら何が出てくるのかそんな創作料理も話題作りに欠かせません。
また、この内容をつぶさにHPにアップして更新回数を稼ぎ同時にHPを訪れた人に大きなアピールが出来ます。一石二鳥の内容です。
「流行りの食材は差別化で 繁盛店 に」
なぜか飲食業界では流行りが生まれます。少し前では「ローストビーフ丼」が流行ったり、タピオカミルクが流行ったり、黒豚や三元豚などの特定品種だったり。
お客様が求めるものを提供する。これ確かに基本ですが、一時期どこへ行っても同じメニューに出くわすのはチョット鼻白むものです。同じ流行りものでも、ネーミングや料理方法で他店との差別化を忘れずに行ってください。
「コミュニケーション力」
繁盛店 になるには欠かせない要素です。ご主人の人となりやおかみさんの愛嬌、バイトの店員接客態度。それぞれにホスピタリティーをもって接することは、どんな料理よりもうれしく、また来たくなると思わせるところです。
こだわって作る料理の食材や、産地などをチョット説明するだけで、食べる方は味わいが変わります。お薦めの理由が説明できれば、利益率の高い料理を自然に選んでいただけるものです。
~まとめ~
飲食店の 繁盛店 は、一日で出来るわけではありません。売上の中身、それぞれの利益率と食材の廃棄率、これらの数字を見ながらメニューの工夫をする。その試行錯誤自体をSNSやお店のホームページに載せて行く。その内容が必ずお客様の目に留まり、来店のインセンティブとなるはずです。
一日一日は小さな活動でも、日々の積み重ねがとりも直さずお店のホスピタリティーとなって表れるはずです。
行きつくところ、飲食店の 繁盛店 は根気と継続の大変なパワーを必要としますが、今も昔も変わらないのは、活気と味の良さです。