飲食店 キャッシュレス化の急務 QRコードまったナシ

飲食店 キャッシュレス化の急務 QRコードまったナシ

2020年の東京オリンピック、パラリンピックを2年後に控え実務を担う組織から様々な声が上がり始めています。例えば、大会開催中に1万4000人ものボランティアが必要になるのにどう賄うのか、それも24時間体制でだとか。開催中の交通機関、道路、地下鉄など一般利用を極端に制限しないとマヒする恐れがあるだとか深刻な報告がなされています。同様に世界各国から集まる観光客を受け入れる宿泊施設の確保にくわえ街中での飲食、繁華街での夜の治安など課題は山積しています。

今回は、オリンピック後の日本が観光立国として年間4,000万人台の観光客を受け入れ、外貨獲得の原動力とするために急務だと言われているキャッシュレス化について、街の飲食店レベルで利用が見込めるQRコードを利用した方式で考えてみたいと思います。

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日本のキャッシュレス化の実態

日本のキャッシュレス化は、スイカやEdyに始まるソニー製の電子マネーが牽引してきました。ただこれはプリペイドカードとしての機能が中心でクレジットカードと連動させるか予めお金をチャージしておく必要があります。ですのでイザ使おうとしたら残高不足ですと言うことが頻繁に起こりうるものです。その後「ApplePay」や「QuickPay」など携帯端末を利用したクレジットカード連動タイプの電子マネーが出始めますが、飲食店側は端末を用意する必要があるなど導入などにハードルが残ったままです。

ところが2017年になるとQRコードを利用した銀行系のキャッシュレス支払いが出始めます。横浜銀行がGMOペイメントゲートウェイと組んだ「はまPay」を皮切りに、2018年初めにはクレディセゾンが「OrigamiPay」を、同年5月には満を持して三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3行による「BankPay」をスタートさせるとの発表がなされ一気にQRコード支払いの期待と機運が高まってきました。2019年には、りそなグループ、福岡銀行が参加する「ゆうちょPay」も決済サービスに参入することも表明されています。

さて、2020年のオリンピック、パラリンピックの開催だけがこれらのQRコード決済を後押ししているのでしょうか。

マイナス金利政策のツケ

日銀は景気浮揚のために極端な金利政策を続けています。これまで預金残高が増えるほどに利益の出る構造だった銀行は、集めたお金を貸し付けなど様々な形で市中に供給し利ザヤを取らないと利益が出なくなったのです。これが世にいうマイナス金利政策です。これによりメガバンクでさえ利益が微増かマイナスとなりこれまで通りの運営方式では立ち行かなくなってきたのです。

新聞その他で報道のあったように3メガバンクだけでも3万人を超えるリストラ(人員削減)を発表する異常事態に至っています。更に3メガのATMは維持費だけでも年間2兆円を超えると言われておりこのコスト削減が急務となっているのです。そのような背景がありQRコード決済、キャッシュレス化の急速な流れはこれらのコストを削減する重要なツールと位置付けられており、メガバンク以下ゆうちょ銀も含め喫緊の取り組みとなったのです。

QRコード大国中国との違いとは

一旦国内を離れ海外に目を向けてみましょう。我々がQRコード支払いを耳にするようになったのは中国でした。「WeChatPay」「アリペイ」など二大決済機関がその形を創ったと言えます。飲食店を利用する側は携帯電話に専用のアプリをダウンロードし決済銀行口座を決めればすぐに使えます。飲食店側は特別なカードリーダーや端末の導入は不要です。QRコードを生成すれば現金のごとくお客様の口座から自分たちの口座にお金が振り込まれてきます。これは、日本と違い固定電話が普及せず通信手段が携帯電話だけでであったことも幸いしています。

もう一つ理由が存在しています。偽札の問題です。予てより偽札が出回っていた中国では悪貨を駆逐する手段としてもこのキャッシュレス化は必要不可欠だったのです。

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まだある日本と中国の差

昨年ある有名経済紙での数字です。スマートフィンを使った電子マネー支払いの比率が出ていました。日本が僅か6%にとどまっているのに対し中国では98%もの高い割合となっていると言うのです。この差はどこから来るのでしょうか。

クレジットカードとアリペイで比較

これまで日本の電子マネー決済はクレジットカードが主流でした。実は問題はここにあったのです。

クレジットカードで支払うと飲食店はカード会社に手数料を支払わなければなりません。その額は支払額の4%~5%程です。つまり800円の定食を食べると40円は手数料としてカード会社に持っていかれる計算です。一般的に言って飲食店の利益が10%以下であることを考えると利益の半分をカード会社に搾取されている計算になります。これでは小規模な飲食店が現金支払いのみとなるは致し方ないと言えます。

これに対しアリペイはどうでしょうか、QRコードを使った支払いで、飲食店側が負担する手数料は僅か0.1%です。同じ800円の定食で1円以下の80銭です。この支払金額は一旦アリペイに入金されます。これを現金化した時のみかかる手数料です。仮に食材などの仕入れ支払いをアリペイで済ませた場合などはこの手数料がかからない仕組になっているのです。つまりアリペイの中でお金が循環するように仕組んだのです。

日本の銀行が注目したのは正にこの部分です。現金を介したお金の流れはコストがかかるのに対し、電子マネーのみが行内のシステムを駆け巡っているだけならコストはかからないと考えているからなのです。

日本のQRコード決済の行方

冒頭のOrigamiPayは物販に重心を置いた展開をしています。メガバンク3行は、合計個人口座9,000万口座を背景に一気に日本におけるQRコード決済のデファクト(標準)を取りにいこうとしています。かたや地方を中心にゆうちょ銀行も抗戦の構えです。どの陣営にしてもこれまでの銀行業務の様に上から目線ではなく草の根レベルで使って頂くと言う姿勢が勝敗を分けるような気がします。

アリペイは、利用者から振り込まれる莫大な資金を背景に金融機関を上回る金利を適用したり、貸付業務をしたり、個人の信用格付けを行うなど利用者の声を最大限吸い上げることで帝国を築いてきました。ここに倣うことなく日本のQRコード支払いがただの決済ツールというのでは普及はおぼつかないことでしょう。今後の魅力ある展開に期待しましょう。

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