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飲食店繁盛の法則!「客単価」と「回転数」を具体例でやさしく徹底解説

繁盛店の法則 とは存在するのだろうか?
結論から行くと「存在します!」それもたったひとつ。
ここは繁盛店の法則についてお伝えする記事です

飲食店-繁盛客-単価

Pexels @ Pixabay

値決めは経営そのもの」これは稲盛和夫氏の言葉。

飲食店経営でも同じこと。値決めつまり客単価思考が繁盛を左右します。

そこで皆さんは飲食店を始める際になにから着想しますか?

  • メニュー
  • 内装
  • 場所

人によって出発点は異なると思います。
頭のなかでいくら構想を練ったところで、イザ開業に向け一歩踏み出すとなると事業計画は避けて通れません。

なかなか事業計画は苦手でという話はよく耳にします。
とは言え日本政策金融公庫や保証協会などで融資を受ける際には必ず必要になりますし仮にすべて自己資金で開業する場合でも開業後の道標となる重要なものです。

さて、この事業計画をつくるにあたり重要なポイントになってくるのが「価格設定」と「客単価」です。
ここが定まらないと売り上げのつくりようがありません。

今回は「繁盛店の法則」と題して、客単価の導き方を整理し、より現実性のある繁盛への道筋を考えたいと思います。

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Contents

飲食店の客単価について解説します

一口に客単価と言っても簡単ではありません。

かといって順番に整理をしてゆけばそんなに難しいものでもありません。

一種類しかメニューの無い飲食店があったとします。

一皿650円だとしましょう、
お客様の2割が飲み物も注文すると仮定すると一杯350円の2割で70円です。

つまりこの飲食店の客単価は720円ということになります。

この考え方をメニューの多い居酒屋やバルのような業態で考えるとすると以下の様になります。

まず、来店されるお客様が滞在時間内で注文される品数を想定します。
「一人2皿と飲み物が2杯」と仮定するとお二人で来店されると4皿4杯の注文となります。

4皿=600円+800円+850円+850円

4杯=600円×4杯

合計=5,500円

客単価=2,700円(5,500円÷2人)

合計5,500円は二人分ですから2で割ると一人当たり2,700円となり、
これが客単価となる訳です。

客単価から見た飲食店の「回転数」について解説します

ではこの2,700円という客単価をベースにいくつか検証をしてみたいと思います。まず開業を想定している「お店の規模」と「家賃」を見てみましょう。

想定しているお店の規模が23席、契約面積15坪、月額賃料20万円だと想定した場合どうなるでしょうか。

一般的に賃料は売り上げの10分の1におさえることが利益を生み出すセオリーと呼ばれています。つまりこの賃料であれば月額200万円の売上が必要となります。

月の営業日が25日、だとすると1日あたりの売上は8万円となります。

これを客単価で割ると1日あたりの最低来客数が求められます。

1日あたりの最小来客数 = 約30人 (200万÷25日÷2,700円 )

席数が23席ですから「1.3回転」すれば達成できる計算です。

但し、満室状態ですべての席が埋まると言うのは現実的ではなく、もう一つ「満室稼働率」という計数を掛けます。満室稼働率を75%とします。

満席状態で6席は人がいない状態です。この6席は6人用テーブルに3名での使用やカウンター席で隣り合うお客様の間に一席空けるなどがそれにあたります。

この計数を使いより現実味のある回転数を求めます。

回転数 = 1.76

最低売上の8万円をクリアするハードルは、いっきに11万円近くまで上がります。

飲食店の売上アップを13のキーワードから考える~店サポ記事編~

飲食店の客単価をコントロールする

開業前に想定した通りに売上が確保できるかどうか分析する必要があります。

上振れして思った以上に売上があがっていれば何の問題もないのですが、逆に想定に達しない時はどうしたらいいのでしょうか。

単純に値下げという訳にはいきません、何かしらの対策が必要です。

 ・価格帯をチェック

・ドリンクとフードの割合をチェック

価格帯をチェック

まず価格帯についてチェックしてみましょう。

周辺の飲食店に比べ料理のクオリティーや量はどうか比較しましょう。その上で他店に比べ割高とお客様に映っているようであれば値下げをするか、別のメニューに入れ替えながら調整する必要があります。ただ安ければいいと言うことではありません。

高くてもいい素材を使い支払う代金に対してより満足感が得られれば注文は入ります。
よく看板メニューと呼ばれるメニューが原価率を上げ利幅は少なくなるもののその料理があることで集客につながり、別の利益率が高いメニューのオーダーも呼び込みます。結果繁盛に繋がるという訳です。

ドリンクとフードの割合をチェック

次にチェックしたいのが客単価に占めるドリンクとフードの割合です。

通常お酒を出す飲食店の内居酒屋だとかバルのような業態ではフード6に対してドリンクは4の「6:4」になります。

ここでフードとドリンクが逆転していたりどちらも想定の数量がでていないとしたら問題です。

どちらかにポイントをおき工夫します。

例えば、原価率の低いハイボール(原価50円~70円/ジョッキ)は稼げる商品ではありますが、これを思い切って安く提供することで料理一品を多く注文頂く作戦です。

逆のケースもあります。
料理全般の原価率を上げイイものを安く提供する代わりに飲み物は少々割高に設定するのです。

つまりどちらか一方でお得感を出すみせかたにすることでリピーターを増やす作戦です。

飲食店繁盛の法則その2:客単価よりも来店客数

理想の客単価に近づいたとしてもトータルの売上が伸びなければなにもなりません。
あえて時間帯や曜日で客単価を変える発想を持つ必要があります。

つまりお客様が途切れる時間帯やそもそも客数が伸びない曜日など客単価を下げて来店客数を稼ぎましょう。

仮に利益が出なかったとしても赤字にならなければいいのです。

赤字にならない繁盛の法則

赤字にならない繁盛の法則はこうです。

食事やお酒の価格には原材料費の他に「人件費、家賃など」が含まれています。

大まかにいってこの3つだけで約85%になります。

つまり通常の価格から15%値引いても経費の部分がまかなえる売上がたてば全体売上は赤字になりません。

そればかりか一定数を越えた時点(3つを賄える分岐点)から先は売上全部が利益となります。

賃料の高い場所にある高級店は料理そのものよりも高額のお酒で利益を出していると言われています。

1本10万円もするワインなどが良い例です。

高いものをより高く売るのか、安いものをより安く売るのかお店の特徴がでる部分です。
今回取り上げた客単価は結果的に導かれるものではなく、最初から意図しておくものなのです。

これらを指標としてとらえ、微調整や大ナタを振るうことでお店の売上健全化に近づけることが重要なのです。

特に新規開店後は、来店客数が落ち着くころから週単位か少なくとも月単位では必ずチェックしましょう。それが繁盛店への近道なのです。

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まとめ:繁盛の法則 は存在する

いかがでしたか? 繁盛の法則 は存在します。

俯瞰的に飲食店の売上を把握し数字で分析をすること、それは客単価であったり回転率であったり。

客単価から繁盛の法則をみると、メニューの工夫です。
食べ物や飲み物、売価と原価またはそれにかかるコスト。
科学的ですが、料理と同じひと工夫であなたのお店は繁盛になります。

魔法のようですが、すごく当たり前な 繁盛店の法則 をお伝えいたしました。

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