飲食店 繁盛の秘訣「横丁」を考える

飲食店 繁盛の秘訣「横丁」を考える

年明け早々訪れたお店が人の入りがまばらで少々拍子抜けしました。いつもなら混雑していてなかなかオーダーしたものが来ないお店なのですが、その日に限っては頼んだ料理や飲み物はすぐに準備されますから言うことはありません。ただ、どことなくいつもと違いしっくりきません。翌日、今度は横浜の野毛界隈で新年会を企画したのですが、あまりの人の多さに正直驚きました。予約をしないと入れない店ばかりです。ようやくたどり着いたお店も立ち飲みながら人でひしめきあっています。やっぱり賑わいのあるお店は居心地がいいと再認識した夜でした。

昨年飲食店業界で一番ブレイクした業態に「横丁」があります。何度か尋ねることがあったのですが、この業態がウケた背景を今回は考えて見たいと思います。

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昭和のバラック感

ひと頃トタンやビールケースに丸イスなどでわざと古さを演出した飲食店が流行った時期がありました。昭和のノスタルジックさを演出する作りです。控えめな価格や当時はやり始めたハイボールと相まって人気となり多くの飲食店が同様の業態変更をしました。最近は下火になり緩やかな景気回復と共に客単価をあげる方向で進み始めたかに思えたのですがこの横丁ブームで若干逆戻りしています。

さて、この二つの業態ですが似ているようですがコンセプトに大きな違いがあります。

以前の昭和チックな飲食店は、見た目を昭和のイメージに戻しただけで、整然と並べられたテーブルに着座するスタイルは今のチェーン居酒屋そのものです。それに対し横丁文化はテーブル(のような設えもあります)と椅子(なにかを代用する場合も)を無秩序に並べたかの如く店先に雑然と並べられています。さながら下町長屋の夏に欠かせない縁台将棋を囲む江戸の原風景のようです。思い思いの位置取りがやがて賑わいとなり人を引き付けているように思います。

肩ひじ張らない

この長屋に挟まれた路地を連想させる横丁の客席はその無秩序さゆえに上座も下座もなくそこに集う人たちが平等に楽しめる空間を作り出しているのです。同様に、いくつものグループが集う空間で肩が触れ合う距離にも拘わらず、日本人特有の譲りあいの気配りがグループ間の距離を縮め初めてなのに打ち解けることも珍しくありません。

スマートフォンが普及し始めて久しい昨今、生まれた頃から人との会話よりも携帯電話でメール、スマホでLineに慣れてきた年代にはとても新鮮な場なのではないでしょうか。若者のお酒ばなれが取りざたされていますが、彼らを引き付けるコンテンツが意外なところにあったと言えるでしょう。

大人版フードコート

横丁の楽しみ方の一つに、そこに集ういくつもの専門店から、お好みのメニューが選べて食べられると言うことがあげられます。焼肉に鮨にカルパッチョとワガママにメニューを選んで食べることが出来ます。まさに大人版のフードコートです。このメリットは個人よりもグループにこそフィットするメリットです。数名で集まればそれぞれの好みのお店を主張することで、結局決まったのが妥協の産物となり皆のモチベーションがあがらないことってあります。刺身や寿司が食べられなくてもOK、お肉だけ食べられればOK等々どんなワガママなオーダーでも横丁ならすべての参加者を満足させられます。つまり横丁には個人の好みをカスタマイズできる文化があるのです。

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現在の横丁事情

本来の横丁とは、自然発生的に飲食店が軒を連ねることで形成されてきたのですが、今はチョット事情が異なります。多くの横丁は、1社が横丁となるスペースを借上げまさにこれまで見てきたような一見無秩序で猥雑とした雰囲気を作り上げ、業種が被らないよう取り揃えてお客様のワガママに答えているのです。なかには肉に特化した横丁などもありますが、一つの進化形です。

さて、そのような1社で運営されている横丁のメリットは、店ごとに違う服装やユニホームの定員さんでももとは同じ会社の社員かアルバイトです。だからこそお店間の料理のオーダーや料理の給仕がスムーズに行われていてお客様にストレスを感じさせないメリットがあります。

電鉄各社も注目

サイズ感やオペレーションなど横丁とは異なるのですが電鉄各社がガード下の有効活用や駅ナカでの飲食店展開は同じ様な発想が見て取れます。中目黒や神田のガード下はもはや新しい街の雰囲気を作り出していますし、東京駅での飲食店の充実ぶりは目を見張るものがあります。

飲食店を集めることで集客をする方法はSCなどの運営と似ていますが、集客出来ると言うことはそれだけ賃料がとれるということとイコールですのでこちらは大家さん発想です。その中でも人気の店舗とそうでない店舗の住み分けが進み何れ淘汰されることで益々活性化するものです。今は区画ごとに各店舗が軒を連ねていますが、ガード下をテーマパークの様に運営する電鉄会社がいずれ現れるのではないかと楽しみにしています。

2018年がスタートし今年も新たな業態が生まれてくることでしょう。今回取り上げた横丁の様にグループでありながら各個人のワガママが満たされる業態や新たなコミュニケーションの場となる飲食店が引き続き多くの世代を引き付けるのではないかと考えております。そのヒントになるのが冷凍食品ではないかと思いますがいかがでしょうか。

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