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飲食店が目指す売上と経費の関係は来店客数で決まる!業種別%も

飲食店-経費-固定費

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飲食店が目指す売上と経費の関係は来店客数で決まる!

飲食店を始める前と始めた後で一番変わったことは何ですかと質問すると、お金の管理と仕入れ注文の管理が思いのほか大変だという答えが返ってきます。飲食店ことに個人で経営されている店舗ですと何から何まで経営者の肩にのしかかってきます。日々の掃除も売上金を夜間金庫に運ぶのも含め毎日やることばかりです。

なかでも帳簿を毎日記録し店の経営状態を常に管理するということは相当ハードルが高い作業となってきます。しかし、成り行きに任せてしまい気が付いた時には遅かったとならないよう、売上と経費の基本をおさえつつ、そこから派生するメニューについても理解しておきましょう。

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飲食店の経費:人件費率

FL比率という指標をご存知でしょうか。売上に対するFood(食材・原価)とLabor(人件費)の割合を計算し飲食店の経営指標として使用されているものです。業種により多少の違いはありますが一般的には55%~60%ぐらいに収まっていれば健全な経営と見なされます。

さらにこのFLコストを個別に見てみましょう。売上高に対して人件費は「30%代」が適正な水準です。ある調査による業種ごとの標準人件費率は以下の通りです。

  • ラーメン・・・35%
  • 居酒屋・・・36%
  • そば・うどん・・・38%

ここで重要なのが、オープン間もない飲食店です。とりわけご主人が毎月決まった給料をもらっていた環境から売上の中から自分の給料を出すようになったケースです。

売上高の多い少ないにかかわらず給料を取ってしまう傾向にあるようです。つまり売上が上がってもいないのに大事な運転資金を取り崩していることと同じになります。リピート客がつき経営が安定するまでは、十分に気をつける覚悟と余裕をもった運転資金の準備であることが重要です。

飲食店の経費:家 賃

開業時に一番犯しやすい間違いが「高い家賃の物件を借りてしまう」ことです。どの繁華街でも、場所がいいのにお店の入れ替わりが多い貸店舗が多く見受けられます。そのほとんどが高い家賃による経営の圧迫が原因で閉店に追い込まれているのが現実です。

さて、適正な家賃は売上の「10%」に抑えるというのが基本です。逆の言い方をすれば、家賃の10倍の売上が見込めないのならその場所でお店を開くことは諦めるべきだということになります。

家賃に合わせて事業計画を考える飲食店経営者がいますが、まったく逆で、自らの事業モデルをもとに客単価や席数からの売上予測を基にたてた事業計画に沿って限界家賃を決めることが正しい考え方です。従って、それ以上の物件には手を出さないことが一番重要なのです。

また、そのような物件(場所が良くて賃料の高い魅力的な物件)に限って不動産会社は決断を急がせる傾向にあります。シッカリとした計画と自制心を持って飲食店舗選びは行ってください。

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飲食店の経費:原 価

売上に対するFL比率が対売上の60%に対し、人件費率を減じることで原価が求められます。

  • ラーメン店の原価・・・25%(60-35)
  • 居酒屋の原価・・・24%(60-36)
  • そば・うどんの原価・・・22%(60-38)

一般的に原価3割つまり30%が標準と言われる水準よりも若干低めに抑えられています。これには訳があります。飲食店でお出しする料理すべて原価が30%や25%ということではありません。あくまでも平均してこの数字に収まることが重要です。なかには原価率の高い看板料理もあれば、原価率の低い料理なども取り混ぜて弾き出された数字です。

最初にメニューを考える際には、出したい料理も大事なのですが、一品ごとの原価計算をして、メニュー全体での原価率を出すようにしましょう。あわせて、各メニューごとに注文された数と各メニュー毎の売上と稼ぎ出した利益を毎日チェックしておくことで、売れ行きの悪いメニューをすぐに見つけ出すことが出来ます。是非チェックしてください

飲食店の経費:発展形

令和に入りコロナウイルスが蔓延し、自粛を余儀なくされたチェーン店の撤退の相次いだ都心で、回転寿司店がその跡地に出店するという現象が起きています。TVでのCMなど話題性もあるでしょうけれどなかには食べ放題キャンペーンで連日お客様が押し寄せているお店もあると言います。

この食べ放題、一見すると高級ネタばかりを食べられてしまい赤字になるのではと心配するのですが、そこは長年の経験から生み出されたノウハウが詰まっているようです。

例えば、1,600円程で楽しめる食べ放題ですが、この価格の中には「原価・人件費・家賃」の三大経費が含まれています。概ね売り上げの7割です。その中で人件費の一部と家賃は固定費です。つまりお客様が来店されてもされなくても出て行くお金(経費)です。

仮にお客様が高いネタばかりを食べて原価が高くなり、あまり利益が出なかったとしても設定額の40%がまかなわれるため、ある一定数を超えて来店されるお客様の売上は固定費分がそのまま利益となって行きます。つまり、お客様の来店数が多ければ多いほどもうかるということなのです。

この食べ放題マジックとはつまるところ、価格設定と来店数で勝負は決まります。安くし過ぎても来店数には限界がありますのでダメ、高くしても今度は来店数が増えずダメとなります。絶妙なバランスで、話題性が高く行列が行列を呼ぶ流れになればお店の狙いは達成できたと言えるでしょう。

そもそもこの食べ放題企画は、お店に来店されるお客様の数が少ない為、売上が固定費に食われていたところから発想されたようですから、飲食店の儲かりの基本は利益率や原価率もさることながら来店されるお客様の数が重要であると理解できます。

ところで気になる高級ネタの行方ですが、こちらも工夫が凝らされています。単価の低いネタは回転カウンターにどんどん載せて、高級ネタは別注文にすることで、一皿当たりの時間を稼ぐことで防衛策を講じているようです。この作戦は、食べ放題に時間制限があることで威力を発揮するという仕組みのようです。よく考えられています。

~まとめ~

平成の終わりに、銀座からスタートした原価率を7割に設定することでお客様を集客するイタリアンやフレンチのお店がブームになりました。こちらも基本は食べ放題と同じ理屈です。ある一定以上のお客様が呼べれば、そこから固定費部分が利益になって行くというロジックです。この業態では、席数の回転数が3.5回転を超えるとそこからは利益だと言っていました。時間制でもありましたが、椅子を置かずに立って食べさせることでお客様がサッと食べて、飲んで引き上げる演出をしたのが成功の秘訣だったようです。

一時のブームは去り、行列は出来なくなりましたが、ここで学習できるのは、飲食店が息の長い営業をtsづけるには、話題性で来店数を増やすのか、ジックリリピーターを要請して一定数の来店数を確保するのかいずれにせよ来店数にこだわった経営こそが本質だといえるでしょう。

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